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海洋汚染情報 −海の事件簿−
海上で起きた重大な汚染事件・事故について、独自の視点から鋭くメスを入れ、分析・解説する”海の社会部デスク”、その名も”元海の男”、職業”(さすらい派)研究員”による海の事件簿。
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キノコハンター様 元海の男
『★津波の過大予測は迷惑なのか?★』 (03/10)
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『★SSの活動家、A容疑者は拘置所でなに思う?★』[2010年03月15日(月)]
南極海における日本の調査捕鯨に対する、反捕鯨団体“シー・シェパード(SS)”よる妨害行為に関する話題です。

先日(3月12日)、“第2昭南丸”への艦船侵入の容疑により、同丸の晴海埠頭への入港直後、東京海上保安部に逮捕されたSSの活動家A氏の話題です。

東京海上保安部は3月14日、A容疑者を艦船侵入の容疑で東京地方検察庁に送検しました。A容疑者の身柄は東京拘置所に移され、は3月23日までの10日間にわたり、別件の容疑についての捜査が行なわれるようです。

別件の容疑は二つあります。一つ目が、“第2昭南丸”への侵入の数日前に発生した、同容疑者が関与したと思しき、化学薬品入りの瓶の投擲による傷害事件です。

二つ目が昨年12月6日、A容疑者が船長を務めていたSSの攻撃船“アディーギル”が、“第二昭南丸”に対し、危険なレーザー光線の照射を繰り返すなどの妨害行為を行なった後、同丸に衝突した威力業務妨害の容疑です。

今回の侵入劇、SSは日本の法廷に立ち、自らの正当性を主張し、日本の調査捕鯨の不当性を広く世界の世論にアピールする狙いがあることはみえみえです。A容疑者は拘置所内で、法廷での作戦を反芻しているに違いありません。

今般、米国では、日本のイルカ漁の模様を隠し撮りした作品が、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。正に反捕鯨に向けた国際世論を盛り上がらせる絶好の時期でもあるわけです。

しかし、反捕鯨主張と海上テロ行為とは、まったく次元が異なる話です。目的のために手段を選ばないというSSの過激な活動は正にテロそのものです。たとえ、動物や自然をこよなく愛する純真な考えがあっても、ひとたびテロ行為に手を染めたとたん、それはテロ行為のための大義名分に過ぎなくなるのです。

さて、クジラの話をしていて、東宝の特撮映画のゴジラを思い出しました。ゴジラは深海で生き延びていた恐竜が、水爆実験によって眠りからさめ、人々を襲うというストーリーです。ゴジラは元々、ゴリラとクジラを組み合わせて想像されたと記憶しています。

先日、日比谷を歩いていて、ゴジラの象の前を通りかかりました。けっして、暇な状況ではなかったのですが、素晴らしいアングルの写真が撮れることに気付きました。“シャメ”一発で決めたのがこの写真です。ゴジラがビル街を襲い、逃げ惑う通行人を踏み潰そうとしているように見えませんか。われながらの秀作だと自負いたしております。


『★SSの活動家、A氏間もなく逮捕!★』[2010年03月12日(金)]
南極海における日本の調査捕鯨に対する、反捕鯨団体“シー・シェパード(SS)”よる妨害行為に関する話題です。

先日、“第2昭南丸”に侵入・拘束された、SSの活動家A氏(同丸と衝突し、廃船となったSSの攻撃船、“アディーギル”の元船長)の話題です。

本日(3月12日)午前、A氏を乗せた“第2昭南丸”が東京・晴海埠頭に到着します。東京海上保安部は同丸の接岸を待って、同丸船内において、艦船侵入の容疑でA氏を逮捕するとのことです。

孟子の言葉に「天時不如地利 地利不如人和」というのがあります。「天の時は地の利にしかず、地の利は人の和にしかず。」と読みます。

簡単に言えば、「物事を達成するためには、“天の時(つまり、時宜)”を得ていても、“地の利(つまり、有利な条件)”がなければ、だめである。さらに、“地の利”を得ていても、“人の和(つまり、人から愛される大いなる人徳)”がなければ、だめである。」ということです。

SSは環境の世紀と呼ばれる今の時代の流れの中、つまり“天の時”を得て、捕鯨反対という多くの国際世論を背景に、つまり、“地の利”を得て、一連の活動を進めてきたつもりなのでしょう。しかし、大切なことを忘れているのです。

目的のために手段を選ばないというSSの過激な活動は、たとえ捕鯨反対論者であっても耐え難いものであり、“人の和”の形成を阻害していることに気付いていないのです。今回の逮捕を契機に、SSの一連の抗議活動が、国際法的にも犯罪行為であることを広く世に知らしめるべきでしょう。

なお、言うまでもなく、“天時(テン トキ)”といっても、新潟県・佐渡市の保護センターで、侵入した“テン”が“トキ”を襲った話ではありませんので、悪しからず。


『★フェリー“ありあけ”海難、ついに完全に“ばらけ”た船体★』[2010年03月10日(水)]
昨年11月13日、フェリー“ありあけ(7,910総トン)”が三重県・熊野市沖を航行中、荷崩れが原因の大傾斜を起こし、その後、同県・御浜町沖の浅瀬に座礁・横転した事故の続報です。

“ありあけ”の座礁船体は、地元漁業者の了解を経て、専門会社によって、船骸を現場で4つに解体し、それぞれ、台船に乗せて撤去する作業の準備が進められてきました。

しかし、先日のブログでもお伝えしたとおり、3月1日ころから、強い南風などの影響により、勝手に“ばらけ”はじめてしまいました。

そして昨日(3月9日)の荒天では、船尾部分を残し、残りの2/3がついに完全に“ばらけて”しまいました。現時点での“ありあけ”の船体の状況の写真が手元にありますが、見るも無残な“ばらけ”方です。

当然、“ばらけ”た破片は海底の広範にわたって四散し、やがて、堆積物の中に埋没、魚場環境を荒らすこととなります。また、抜き取れ切れなかった油が残存している可能性も、ないとは言い切れません。

こうしたことから、地元紙の報道によれば、地元漁協では、漁業への影響を懸念する声が上がっていると伝えています。

以前もお話したとおり、過去の事例を見る限り、今回の結果はある程度、予想されていました。今回選択した方法(現場で解体し、クレーンによって台船に乗せて撤去する方法)は、比較的安く済むのですが、気象・海象の影響をもろに受けます。

状況次第では、作業が思いのほか長引くほか、作業の途中で、事前に抜き取りきれなかった残油などが流れ出し、あるいは、船体が途中で“ばらけ”、破片が海底に四散し埋没するなどの可能性が否定できないのです。

今さら言っても仕方のないことですが、私が挙げたもう一つの手法、すなわち、船体全体をいったん最寄りの砂浜海岸に引き揚げ、陸上工事として解体を行う方法が採用されていればと思うと、残念でなりません。たしかに、費用は嵩みますが、確実性には長けています。

「自然が相手なのだから、仕方がない。」と割り切る方もいることでしょう、一方、「“治療法”を誤り、“病状”をさらに悪化させてしまった典型的な事例だ。」と厳しい意見をお持ちの方もいるかもしれません。

いずれにせよ、最小限の被害で済み、もとどおりの美しい自然と、豊かな漁場環境に一刻も回復することを切に祈る次第です。



『★SSの活動家、本当はお肉が大好き!★』[2010年03月08日(月)]
南極海における日本の調査捕鯨に対する、反捕鯨団体“シー・シェパード(SS)”よる妨害行為に関する話題です。

先日、“第2昭南丸”に侵入し、ただちに拘束されたSSの活動家A氏の話題です。A氏は同丸と衝突し、廃船となったSSの攻撃船、“アディーギル”の元船長でニュージーランド人です。

同氏は2月15日朝、水上バイクで同丸に接近、フェンスを破壊し、同丸に単身、侵入したもので、「“アディーギル”の損害賠償金300万ドル(約2億7,000万円)を支払え!」などと記載された書簡を携えていました。

昨日の報道によると、海上保安庁は“第2昭南丸”が日本に帰港した際、A氏を艦船侵入や調査捕鯨船団の乗組員に対する傷害の容疑で、逮捕する方針を固めたとのことです。

同丸は予定通りならば、今週末の3月12日、東京の晴海埠頭に到着します。A氏は船内で“お縄”になるようです。

傷害罪は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑です。また、艦船侵入罪は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金刑です。いずれにしても、けっして軽い刑ではありません。

また、週末の3月6日には、日本側の要請を受けたオーストラリア連邦警察が、タスマニアの基地に帰港したSSの攻撃船、“スティーブ・アーウィン” 及び“ボブ・バーカー”を捜索、航海日誌やパソコンなどを押収するとともに、幹部活動家から事情聴取しました。

今回の捜索では、幹部活動家の身柄拘束には至りませんでしたが、オーストラリア連邦警察は、国内法令違反はないか、今後、慎重に捜査を進めるようです。

ところで、先日のブログでも紹介しましたが、SSのメンバーは全員、菜食主義者のはずです。自身のホームページでも、攻撃船に積む物資の無償提供を求めるコーナーには、「我々は菜食主義者で肉類は一切お断り!」の旨が書いてあります。それだけでなく、「卵もハチミツなどもダメ!」なのだそうです。厳格な菜食主義です。

さて、“第2昭南丸”で拘束中のA氏ですが、報道によれば、“ご法度”のはずの肉や魚を、同丸の船内でパクパク食べているそうです。にわかに信じがたいのですが、本当なのでしょうか。事実だとすれば、これだけで、彼らの“えせ行為”の本質が見えてきたような気がします。

前回、今回と同じように調査捕鯨船に侵入し、しばらくの間、船内に保護された2人のSS活動家についても、食生活に関しては、今回のA氏と一緒だったと、状況をよく知る方から伺い、私は信じ切れませんでした。

おそらくSS側は今回の報道に関し、「事実ではない」あるいは、「船員に強制的に食べさせられた。」などと、否定するに違いありません。彼らの“動物”愛護精神に感動し、多額の寄付をした方も多いことでしょう。しかし、冷静になって、現実に目を向けていただきたいものです。



『★フェリー“ありあけ”海難、勝手にばらけはじめた?★』[2010年03月04日(木)]
3月の声を聞くと、気分的にも春めいてくるのですが、今日の東京は寒々とした鉛色の空、朝から冷え込みも厳しく、真冬に逆戻り、しかも、午後からは雨も降るとのことです。

私は今から、東京・大手町の経団連会館で、昨日から開催されている、石油連盟主催の国際シンポジウムに参加してきます。

このシンポジウムは、油濁事故の事前防止と緊急時対策をテーマに、国内外の専門家を一堂に集め、最新の情報を共有し合うことが目的です。

私にとっては、情報収集もさることながら、昔馴染みの仲間に会えることが最大の楽しみでもあるのです。私が駆け出しの頃にお世話になり、すでに一線を退いた大先輩も、このシンポジウムには、必ず参加しています。

さて、昨年11月13日、フェリー“ありあけ(7,910総トン)”が三重県・熊野市沖を航行中、荷崩れが原因の大傾斜を起こし、その後、同県・御浜町沖の浅瀬に座礁・横転した事故の続報です。

本ブログでもお伝えしたとおり、“ありあけ”の船主は、地元漁業者の了解を経て、船骸を現場で4つに解体し、それぞれ、台船に乗せて撤去する作業の準備を進めてきました。

先日の地元紙の報道によればは、今週末の3月6日から、まずは船首部分の台船へのつり上げが開始され、4つすべての撤去が終了するのは、4月中旬の予定とのことでした。

しかし、小耳に挟んだのですが、解体作業を進めている“ありあけ”の船体ですが、先週末の強い南風などの影響により、勝手に“ばらけ”はじめてしまっているとのことです。真偽は確認していないので、情報をお持ちの方は、教えていただくと助かります。

さて、以前もお話したとおり、過去の事例を見る限り、今回選択した方法(現場で解体し、クレーンによって台船に乗せて撤去する方法)は比較的安く済むのですが、気象・海象の影響をもろに受けます。

状況次第では、作業が思いのほか長引くほか、作業の途中で、事前に抜き取りきれなかった残油などが流れ出し、あるいは、船の残骸などが海底に四散するなどし、全部を回収しきれない可能性も否定できないのです。勝手に“ばらけ”はじめたのが事実だとすれば、正に恐れていたことが起き始めたのです。

なお、同じ解体でも、もう一つ方法があります。船体全体をいったん最寄りの砂浜海岸に引き揚げ、陸上工事として解体を行う方法です。

私はどちらかというと、こちらの方法を推奨したのですが、地元漁業者が納得したというので、それ以上、口を挟むことは差し控えました。今さら、あれこれ言う必要はないと思っています。

少なくとも、“ばらけ”が最小限に収まり、海底での残留や埋没などによる漁場損害がないことを祈る次第です。


『★津波の過大予測は迷惑なのか?★』[2010年03月02日(火)]
南米チリの大地震に伴い、日本に到達した津波、気象庁の出したほどの大きさには至りませんでした。しかしながら、岩手県の漁協などでは、養殖いかだの流出に伴い、総額数億円にのぼる被害が出たとのこと、お見舞い申し上げます。

なにはさておき、死傷者が出なかったことは不幸中の幸い、胸をなでおろした方も多いことかと思います。私もその一人です。一方、気象庁の予報もなんのその、警報エリアにいながら避難もせず、テレビ画面に映し出される警報が“うっとおしい、番組の邪魔!”と、テレビ局に文句を言う人もいたとか、世の中平和な証拠です。

さて、気象庁は昨日(3月1日)午前、記者会見を開き、三陸沿岸に大津波警報(3メートル級)の過大予測を出したことや、警報が長時間続いたことなどについて、予測が過大だったと謝罪しました。

過小に予測し、死傷者が出たならばともかく、この程度の過大予測ならば、むしろ安全サイドに評価したと捉えるべきだと思います。

たしかに、イベントの中止などに伴い、被害をこうむった企業もあったことでしょう。しかし、自然相手の予測です。来ると予測したのに来なかったならば考えものですが、実際に来たのですから、無事でなにより、運が良かったと捉え、許容すべきだと思うのですが。皆さんはいかがでしょうか。

ところで、日本の主な港には協議会が設けられ、津波の発生時、停泊中の船舶をいかに安全に避難させるか、ルールが作られています。

具体的には、石油タンカーや液化ガスタンカーなど、危険物を積載した船が優先的に避難できる仕組みとなっています。タグボートや水先人の数には限りがあり、港内の船舶が一斉に逃げることができないからです。

一昨日、警報エリア内の港湾の大型船が、ルールに則り、一斉に港外に避難しました。その数、日本の海運会社が関係する外航船だけで、約50隻と聞いています。

海運会社の担当者は、東京マラソンのテレビ見物もそこそこに、会社に呼び出され、たいへんだったでしょう。また、避難・再入港の費用も莫大で、誰にも請求することはできません。自腹です。しかし、これも私に言わせたら、無事でなにより、運が良かった、平素の避難計画の実効性を確認する良いチャンスだったと思うべきではないでしょうか。



『★来週からまじめに書きます★』[2010年02月26日(金)]
今、朝の5時半、4時起きで自宅を出発、羽田空港への途中、会社に立ち寄ったところです。

このところ、北海道・紋別への出張、そして、今からの九州・伊万里への出張と立て込み、ブログ更新がすっかり疎かになってしまいました。申し訳ございません。来週からまじめに更新いたします。

さて、今日の出張ですが、伊万里湾で漁船に乗ってきます。シーアンカーの安全性検証実験の総仕上げとして、実物の漁船をチャーターし、シーアンカー使用中に生じる可能性のある様々な事象を再現することが目的です。

本日の九州地方は雨天、風も比較的強く、波もある程度の大きさが期待できます。まさに、うってつけなのです。それでは行って来ます。

『★またしても、悲惨な漁船死亡海難が発生!★』[2010年02月19日(金)]
昨日(2月18日)午前8時頃朝、長崎県・壱岐市の沖、平島の海岸に、小型漁船が転覆した状態で打ち上げられているのを地元の漁業者が発見、海上保安部に通報しました。

転覆した漁船は、島根県・松江市の漁業協同組合“JFしまね恵曇(えとも)支所”に所属するイカ釣り漁船“第七恭神丸(16トン)”で、船長Aさん(60歳)と乗組員Hさん(58歳)の2名が乗っていました。

ただちに、第7管区海上保安本部(北九州)の回転翼機が出動、付近を漂流していた2人を発見しましたが、両名とも搬送先の病院で死亡が確認されました。

同丸は昨年12月に島根県・松江市の恵曇漁港を出港、イカ釣り漁を続けており、水揚げのため、長崎県・壱岐市の漁港に向かう途中の事故でした。事故当時、現場海域には秒速17メートルの西風が吹き、海上風警報が出ていました。

先日お伝えしたとおり、私は先週末、銀座のギャラリーで行われた歌のライブに招待され、オープニング・スピーチを述べてきました。

その歌とは、2008年2月、千葉県・房総半島沖の太平洋で、海上自衛隊のイージス艦“あたご”と衝突し亡くなった、漁船“清徳丸”のKさん親子を偲ぶ鎮魂歌です。

私は心に染み入るその歌に感動し、死亡海難の撲滅の誓いも新たに、自身を戒め、奮い立たせたばかりでした。残念でなりません。



『★SSの活動家、元船長を拘束!★』[2010年02月16日(火)]
南極海における日本の調査捕鯨に対する、反捕鯨団体“シー・シェパード(SS)”よる妨害行為に関する話題です。

水産庁の発表によると、昨日(2月15日)、日本時間の午前9時ごろ、日本の調査捕鯨船団の“第2昭南丸(712トン)に、SSの活動家が侵入、身柄を拘束されたとのことです。

拘束されたのはSSの攻撃船“アディーギル”の元船長A氏です。“アディーギル”は、SSが今期から導入した小型高速船で、昨年12月6日、“第二昭南丸(712総トン)”と衝突し大破、後に廃船となりました。

建造費、約1500万ドル(約1億4,000万円)の新造船は、一瞬にして南極海の“ゴミ”と化したのでした。したがって、A氏の肩書きも元船長です。

A船長は水上バイク使い“第2昭南丸”に接近、乗組員に気付かれることなく、舷側をよじ登り上甲板に達し、防護ネットを切り裂き、その隙間から船内に浸入したとのことです。

侵入を果たしたA船長は、ただちに操舵室に向かい、“第2昭南丸”の乗組員に対し、「“アディーギル”の損害賠償金300万ドル(約2億7,000万円)を支払え!」などと記載された書簡を手渡したと伝えられています。

南極海は公海です。国際条約上、公海上に所在する船の中での法的権限は、当該船の船籍国に委ねられます。A氏は許可を受けることなく、勝手に“第2昭南丸”に侵入しました。

許可を受けていないにせよ、A氏はこの時点で、日本の国内法、「船員法」でいうところの“旅客その他船内にある者”に該当します。

船員や船舶に危害を及ぼすような行為ををしようとする、“旅客その他船内にある者”に対し、船長はその危険を避けるため、必要な措置を講じることができます。

“第2昭南丸”の船長は、A氏が自船の乗組員や船舶に危害を及ぼすおそれがあると判断、A氏を保護したという筋立てです。

ところで、報道によればA氏は、2月11日にSSが実施した“第二昭南丸”に対する妨害活動に関し、化学薬品入りの瓶を投擲したのは自分だと告げたそうです。

その際、同丸の日本人乗組員3人が、薬品の飛沫を顔面に浴び、皮膚の痛みを訴えるなどの被害をこうむりました。

A氏の告白が事実だとすれば、その実行犯と思しき人物が突然侵入してきたのですから、船員法に基づく船長権限による保護は、当然の処置です。

日本側はA氏を船長の身柄を拘束した上で、海上保安庁に引き渡す方針とのことです。当然のことです。

引渡しまでの間、A氏は“第2昭南丸”の乗組員と衣食をともにすることとなります。私の知る限り、SSのメンバーは全員、建前上、菜食主義者です。

どうでも良いことなのですが、毎月恒例の、船上すき焼きパーティーの際にはどうするのか、心配になります。

菜食主義を考慮し、肉を除いたすき焼き、すなわち、シラタキやゴボウを与えたところ、「日本人は人間の消化器官では消化不能な地下茎や、植物の木の根を与え、私を虐待した!」などと騒ぎ立てはしないでしょうか。

無論、冗談です。前述のとおり、“建前上、菜食主義者”なのですから。前回、同じように調査捕鯨船に侵入し、しばらくの間、船内に保護された2人のSS活動家の食生活の様子は、風のうわさに聞こえてきています。



『★東シナ海で10人乗り漁船行方不明! 引き揚げは技術的に可能!★』[2010年02月15日(月)]
本年1月12日、長崎県の五島列島の北西約85キロの東シナ海で、長崎県・長崎市のY水産会社所属の底引き網漁船“第2山田丸(113総トン)”が沈没、全乗組員10人が行方不明となっている海難の続報です。

既にお伝えしたとおり、“第2山田丸”の船主、Y水産会社は、Nサルベージ社に対し、同丸の船体引き揚げに向けた予備調査を依頼しました。Nサルベージ社は調査船“早潮丸(497トン)”を現場海域に派遣、1月24日から数日にわたり、調査を行ないました。

Y水産会社は先週末(2月12日)、「船体に大きな損傷はなく、また、(海底の堆積物に)埋没していない。したがって、船体の引き揚げは“技術的には可能”である」とする、Nサルベージ社による調査結果を公表、「引き揚げに向け、最大限の努力をしたい」と述べました。

今回の発表ですが、あくまでも、技術面での可否を言及したに過ぎません。今後、作業方法や時期、これに伴う作業経費など、保険会社を交えた詰めの議論がなされ、具体的な計画が示され、実施に至こととなります。

多くのご家族は、今すぐにでも引き揚げたいというお気持ちでしょう。そのお気持ちは察するに余りあるところです。しかし、冬場のこの時期、現場海域はしばしば荒天に襲われます。やはり、春以降というのが、もっとも現実的な線なのでしょうか。

そう言えば先日(2月12日)、私は銀座のギャラリーで行われた歌のライブに招待され、オープニング・スピーチを述べてきました。

その歌とは「変わらぬ空と海のように」、2008年2月、千葉県・房総半島沖の太平洋で、海上自衛隊のイージス艦“あたご”と衝突し亡くなった、漁船“清徳丸”のKさん親子を偲ぶ鎮魂歌です。

Kさんの親族が2人のために、毎日、食事を作り、海に捧げているとの新聞記事に感動した世田谷区の主婦が、子を思う母の気持ちを詩につづりました。これに曲が付き、歌となったのが「変わらぬ空と海のように」です。

昨年、歌手の宮本京子さんが歌い、CDがリリースされました。12日のライブでは、私のオープニング・スピーチや作詞した主婦の挨拶に続き、宮本さんがこの歌を披露しました。

心に染み入る実に良い歌です。Kさん親子のための鎮魂歌であるとともに、死亡海難の撲滅をライフワークとする私にとっても、自身を戒め、奮い立たせるための、心のよりどころの歌といたしたいと思います。


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