NPO法人グリーンウッドさんが運営されている「だいだらぼっち」に視察に行かせていただきました。
http://www.greenwood.or.jp/様々なプロジェクトでお世話になっている、奈良県の川上村、吉野町の皆さんと、私の住む町でコミュニティ活動をしている方々、総勢11名で行かせていただきました。
長野県泰阜村にある「だいだらぼっち」はジブリの世界のような建物でした。
母屋は新しく建て替わる前に、子どもたちが考えた家を踏襲して作られたデザインは楽しいもので、私たちが宿泊させてもらった“六軒長屋”ともに杉材で作られた温かみのある建物でした。

母屋。母屋の前には、リンゴの木の薪が積んでいます。
小さい薪はストーブに使って、灰は陶芸の釉薬にするそうです。

玄関には“だいだらぼっち”の文字がタイルで書かれています。

六軒長屋はリズムのある外観で自然素材で作られた温かみがあります。

畑もあります。子どもたちが飼っているニワトリ小屋もありました。
この“だいだらぼっち”では、小学4年生〜中学3年生までが年単位で暮らすプログラムと短期キャンプの二つの参加方法があります。他、地域の子どもたちのプログラムは別途あります。
年単位のプログラムは定員は20名まで、継続はOK。今年も2年〜5年目の子どもたちも多かったです。
ここでは、暮らすための様々なことを、子どもたち自身が担います。食事や掃除も自分たちで行わなければいけません。それらを決める会議を少し見学させてもらったのですが、子どもたちはイキイキしていました。テレビもゲームも携帯電話もないので、夕飯の後の時間は、地域の陶芸の先生と、陶芸や革製品の工作をしていました。食後にこんなことができるなんて、豊かな時間を過ごしているなと思いました。

スタッフと一緒に子どもたちが夕食をつくる。お皿も子どもたちの手作り。
ここで勉強をしている子どももいました。

子どもたちと作ったキッチン壁面は料理を楽しい時間にしてくれます。

そんなキッチンで作られたご飯は美味しくできるのでしょうね。
お皿も子どもたちの手作りで、割れたら金接ぎで補修するのだそうです。
この日、お風呂にはいるにあたって、大人たちも薪割りを開始。

大人たちがはじめると…横目で見ていた子どもたちが、“ぼくらの方が上手やで”と言わんばかりに、薪割りをはじめて…

“大薪割り大会”(笑)
子どもたちは本当に上手!小さい体を反らして全身で薪を割ります。途中、子どもたちに割り方を教わるシーンもありましたよ。
ここの子どもたちは、春休み、夏休み、冬休みなどの長期休みは親元に帰りますが、それ以外は1年間を親元から離れて暮らします。
夏のキャンプに参加し、希望する子どもたちが多いそうです。
ここに来るには、面接を受け、体験をし、子ども自身の希望があって参加となります。
ほとんどの子どもたちが複数年を希望するようです。
親元と離れて暮らすことには、いろいろな意見があるかもしれませんが、ここに居る子どもたちは、明るく楽しそうで、きりっとしていて、自信を持って自立しているように見えました。
最近よく言われる“自己肯定感”が育っているのだと思います。
暮らすことは生きることであり、ここは生活の中で、自分の出来ることを増やし、自信に結び付けていける場所なのだと思いました。
暮らしが便利になればなるほど、そんなチャンスが少なくなってきているのだろうなと思いました。“だいだらぼっち”さんほど、大掛かりなことはできなくても、身近な暮らしや活動に、この理念を入れて行きたいと思います。
これは子どもだけでなく、大人も高齢者もすべての人に当てはまることだと思います。
これからの暮らしづくり、町づくりにおいて、とても参考になる取り組みでした。