2019年7月25日(木)
7月24日。宇都宮市豊郷地区市民センターを会場に、通算第14回目となる「あなたの人生を聴かせてください」を開催しました。
「あなたの〜」は、まちぴあ登録団体をはじめとした、宇都宮市内で魅力的な活動を行っている団体のリーダーさんなど個人にスポットを当てたミニ講話企画です。
今回のゲストは、2018年度の宇都宮市民活動助成事業の交付団体としての事業実施経験もある「軽音楽ボランティアバンドフレンズ」で代表をしておられる小林治夫さんです。
小林さんには、現在の活動につながるまでの経緯を含めたくさんお話を頂きました。
まちぴあに登録し活動をスタートされたばかりの方や、今回の企画に関心を持たれたシニア世代の方など、27名がご参加下さいました。
小林さんは、昭和20年に武蔵野市で生まれ、大学卒業後、日本橋の衣料問屋を経て、本田技研工業(株)に就職し、製造・総務・営業と様々な分野で経験を積んだあと平成17年に定年を迎えられたそうです。
学生運動まっただ中の時期に大学生活を送り、目標や自信を無くして過ごしていたこともあったそうですが、自分たちで企画したイベントでバンド演奏をして好評だったことが、“人に尽くすこと”“人を喜ばせる“のきっかけになったかもしれないと、語って下さいました。
社会人になってしばらくは楽器を手にする暇がなかったそうですが、ある時ラーメン屋でたまたま隣に座った男性から「あなたは何か楽器を演奏しますか?よかったら一緒にやりませんか?」と声をかけてもらったのがきっかけとなり、奥様や音楽好きの知人が集まって「フレンズ」が結成されたそうです。
小林さんのお話にしばしば登場したのが、若さを保つ秘訣ですね。
若さ=年齢というわけでなく、仕事でもプライベートでも常にいろいろなものに興味をもったり、紆余曲折あって出会った仕事や事象、人物にも好き嫌いと簡単に決着をつけてしまうのではなく、その人や物事の
「良い所を見つける」
ことを心掛けることで、自分の心の教養が社会人、リタイア後も続き、今の活動を含めた現状の小林さんに至っているということをお話しを聞いて納得した講話でありました。
納得しましたが、言われたことが中々できないのが本当のところですよね。それが今に至るまで続けておられるからこその小林さんであられると思いました。
「あなたの〜」企画では、このように活動者個人の方に、現在の活動に至るまでのストーリーを語って頂きますが、今回の小林さんも、いきなり音楽活動が始まったわけではなく、学生時代やお仕事をされていた時期を含めた日々の生活と時間の経過の中で、様々な人に出会い、様々な感銘や気づきをご自身の中で得、その一つの姿として、活動団体リーダーとしての小林さんの姿があると感じ入った次第です。
今回は、会場の関係もあって登録団体としての活動の本旨でもある「バンド演奏」についてはおあずけとなってしまったのですが、「フレンズ」の皆さんは、歌謡・演歌・ポップ・フォークといった様々なジャンルの音楽を演奏し、市内の高齢者施設、敬老会などの地域の催事から、ひっぱりだこの皆さんです。
そのひっぱりだこの演奏も堪能したいところでしたけども。今回は、もう一つの顔でもある「下町ソバリエ」の姿をご披露頂きました。
軽音楽バンドの皆さんと一緒に、栃木県八溝地区の畑で栽培し、収穫したそばの実で打った、おそばを振舞っていただいたのです!
おそばはもちろん!!おいしかったですけども。
一番びっくりしたのは、同席下さったバンドメンバーの皆さんも一緒になっておそばの振る舞いにスタンバイ下さり、講話のタイミングに合わせて、息ピッタリのお蕎麦登場♪♪
バンド活動の傍ら、会社員時代に趣味でとったと言われた資格をきっかけに、仲間たちも巻き込んで魅力を伝え、それもよりみんなが楽しめるツールにされているとのこと。
あうんの呼吸といいましょうか、お蕎麦の一連の動きをみても、「フレンズ」さんたちが単なる音楽披露グループではなく、自分たちが楽しみながら、相手(今回は私たち)を楽しませるコツと動きを熟知されているなぁと。
その連携作業はセッションそのものでしたね。
真冬の日光・白滝の滝つぼでさらしたそばの実で作った、特別の「寒ざらし蕎麦」を振る舞ってもらいました。
前日の夜と当日早朝にかけて蕎麦打ちしてくださったという貴重なお蕎麦で、参加者からも
「甘みがあっておいしい」
と、大好評!最後の蕎麦湯もさすがの濃厚で余さず飲んでしまいました。
蕎麦そのものの旨さもさることながら、小林さんをはじめとしたフレンズの皆さんあってこその「旨味」が凝縮されていましたね。
全国から集まった蕎麦好きのメンバーと試食会をするという楽しみや、バンド仲間と共に高齢者施設などに演奏ボランティアで訪問し、入所者の笑顔を見るときの喜び等々、見せていただいた写真や聴かせていただいたお話から、第二の人生においても“人とのつながり”を大事にしながら、充実した生活を送っておられることがうかがえました。
集会後は、何かをやってみたいと思われながら参加されたシニアの皆さん達から、どうやって第一歩を踏み出すかと、まちぴあスタッフにもたくさん質問を頂きました。
その方個人の認識としては、ただの趣味。ただの趣味だから、それをもって「誰かの役に立てる」というのは、中々自信を持てないものです。フレンズの皆さんからも、
最初は音楽好き、楽器演奏、歌唱の経験があるメンバーの集まりだったけれども、自分たちの演奏を誰かに聴いてもらいたいとなったときに、「お試し」で始まったのが施設での演奏活動だったとのことです。
そのお試しを続け、単純な演奏やそば打ちとしてではなく「喜んでもらえる」という形までもってこられたという体験談も添えて頂きました。とても適切で、また、とても分かりやすい後押しのアドバイス。スタッフとしてもうなったところです。
そんなことで、小林さん。フレンズの皆さん。今回の企画実施にあたり、大変なご協力を頂きありがとうございました。
「人とのつながりを大切に」「誰かに喜んでもらう」・・・お話とお蕎麦以外にもたくさんのお土産を頂戴してしまった今回でした。
(記事投稿:小倉 記事作成:MM)