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2019年02月15日

まちぴあスタッフ勉強会「地域と大学を繋ぐコーディネートの現状と課題」

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2019年1月18日(金)、まちぴあスタッフを対象とした勉強会が開催され、常勤スタッフを中心とした5名とまちぴあ運営母体であるNPO法人宇都宮まちづくり市民工房理事1名の6名が参加しました。

講師は宇都宮大学地域創生推進機構地域デザインセンター特任研究員の坂本文子さん。NPO法人宇都宮まちづくり市民工房の理事でもあります。

宇都宮大学地域デザイン科学部研究紀要『地域デザイン科学』第2号に掲載された「地域と大学を繋ぐコーディネートの現状と課題−宇都宮大学地域デザイン科学部附属地域デザインセンターにおける実践を事例に−」の研究ノート解説を中心に、
@ なぜ、組織間・分野間を越えたキョウドウが重視されるのか?
A なぜ、地域を振興・活性化するのか?
B なぜ、(市民活動推進のための)中間支援が必要なのか?
を考える場となりました。

まずは、国立大学の変革と「地域系学部」創設の話から。
地域と大学の関係においては、1990年代は産学連携が加速し、シンクタンク的な動きであったものが、2000年代にはまちづくりの拠点に変化。さらに、2004年から開始された国立改革プランにより、国立大学は法人化。 2015年の経営力戦略、2016年の大学の特色強化により、地域貢献タイプ、専門分野の優れた教育研究タイプ、卓越した教育研究タイプ、の3つの枠組みに分類される形になりました。 地域貢献型を選択した大学では、「地域系学部」の創設が相次いでいます。2017年度で、「地域系学部」を有する国立大学は全国で概ね14。さらに、2018年度新設、計画も含めるとさらに増加しています。

その中で、宇都宮大学は2016年に地域デザイン科学部を創設。
地域系学部ではほとんどの学部・学科で地域をフィールドとした実習科目が置かれていますが、文理融合・3学科合同・必修の「地域プロジェクト演習」の教育プログラムと付属機関(地域デザインセンター)教職員は専属で、教育支援の一環として地域プロジェクト演習をお手伝いされておりこのような体制は全国でも珍しいそうです。

地域デザインセンター(CRD)では、栃木県内の自治体、地域企業、NPO等と宇都宮大学を結び、より良い地域づくりを目指して活動しています。 主な業務は大きく分けて教育、調査研究、実践の3本柱で、教育では「地域プロジェクト演習」等の地域対応力養成科目の実施支援、調査研究では共同研究促進、実践として、地域連携プロジェクト推進を行っています。
特任研究員の坂本さんが大学の中間支援として重要ではないかと捉えているのが相談業務です。

2018年度実施の「地域プログラム演習」では、11自治体28テーマを設定しましたが、パートナー策定には各団体とも1時間から2時間をかけて面談を行い、教育プログラムとして成立するか判断し、難しい場合は(共同研究など)別の部署を紹介する、内容を変更するなどの対応を取ったそうです。 ここでは、演習に直接関わらない話になったとしても、情報交換の重要性を感じたそうです。

地域(自治体)からの相談では、これまでに無いカタチを模索するケースが増加しているとのこと。地域と大学を繋ぐということについて、「対話が出来る姿勢」「互いが変化できる」「漠然とした悩みを具体的な形へ落とし込む」を意識し、コーディネーターとしては、地域間・分野間・組織間で組ませるメニューをどれだけ増やせるか、常に新しい選択肢を試すことを行っているそうです。
顔の見える関係を構築し、エリア型かテーマ型か整理、「地域」という定義について相手の地域の定義(エリア)を明確にし、時には相手の思っているエリアの固定概念を崩す。
大学はあくまで教育機関であり研究機関であるため、中間支援機能の充実には行政や民間と一緒に取組むことが必要ではないかと坂本さんは考えています。

その上で、中間支援には、方法をシコウ(志向・思考・試行)する常に動的な動きが必要であり、「ここに来れば、課題の解決はしなくてもヒントをもらえる」と思ってもらえるようになることが重要なのではないかとまとめられました。


大学機関のコーディネーターと、行政設置の支援センタースタッフという立場の違いはあれど、地域間の様々な組織を繋ぎ、連携を深めるという意味では、目標とするところは同じ。
大学とセンターの連携を含め、まちぴあでどのような事業・支援が今後展開できるか、また、コーディネーターとしてどのような意識が必要か大変勉強になりました。



坂本さんが所属する宇都宮大学地域デザインセンター主催のシンポジウムが2月14日(木)に開催されました。
また、地域デザインセンター企画協力のもと、3月2日(土)にはまちぴあ主催で「若者とまちづくりシンポジウム」を開催します。
さらに、今年度から実施された「地域デザイン演習」発表会の様子も取材してきたので、後日報告ブログを掲載します。

(記事投稿:鈴木)