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2018年11月19日

「地域の課題をビジネスに!創業支援講習会&ワークショップ」参加報告

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2018年10月24日(水)、パルティとちぎ男女共同参画センターで開催された「地域の課題をビジネスに!創業支援講習会&ワークショップ」にスタッフ1名が参加してきました。

この講座は、栃木県中小企業団体中央会の平成30年度コミュニティ&ソーシャルビジネス支援事業として開催されました。栃木県中小企業団体中央会では平成17年からコミュニティビジネスの相談窓口を設け、セミナーを定期的に開催。組織化・法人化の支援をしています。ここ数年は6次産業化や農村レストランなどの支援に力を入れており、久々にコミュニティビジネスの創業支援をテーマにした講座を開催したとのこと。

県内の中間支援センタースタッフを始め、コミュニティビジネス実施している、或いは関心のある団体・事業者、地域支援団体など20名が参加しました。

第1部、講習会の講師は、さいたま市で「BABAlabさいたま工房」を運営するシゴトラボ合同会社代表の桑原 静氏。

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まずはコミュニティビジネスの背景の話から。
少子化・高齢化、貧困化など地域・社会の課題を行政が解決してくれるのを待つと、税金を使用するため動きが遅かったり、画一的なサービスとなり、どうしても支援の行き届かない場所が発生したりします。
そのため、地域の担い手に期待が集まりますが、交通費、チラシ印刷費、会場費など、活動を起こすには必ずお金が必要となってきます。ボランティア(無償)の弊害として、各自の持ち出しが多くなり、結果として活動が続かない傾向にあります。
せっかく良いことをしているのだから、継続したい。そのためには最低限のお金が必要なのです。補助金や助成金にも限りがあります。そこで、コミュニティビジネスが生まれました。ビジネスの良いところを取り入れて事業化することで、運営しながら、課題解決するという図式が出来たのです。
コミュニティビジネスの一番の効果は、サービスの継続・充実です。例えば、送迎支援をしている団体で購入した車椅子が壊れたとき。補助金・助成金頼りだと申請するまで活動を休止せざるを得なくなるかもしれません。収入のある事業化をしていれば修理・購入をして継続できます。さらに資金を安定させることで車をリース出来るようになるかもしれません。

さらにコミュニティビジネスでは、シニアや子育て中の女性など、営利のしくみでは働きにくい人たちに新しい雇用を生み出しやすいことも特徴です。

そんなシニアの働く場所として設立されたのが「BABAlab」です。
BABAlabは桑原さんの祖母らが定年退職後、時間をもてあましている姿を見ていて思いついた事業。田舎では1次産業(農業・漁業など)が栄えており定年という概念もないが、都市部では定年退職後にそれまでのキャリアを活かして働く場があまりない。自分もいつか年を取る。そのときには今より体も動かず、遠くまで通勤することは難しい。だから身近な範囲に作ろうと起業を決心したそうです。

設立するときに悩んだことは「どんな事業をすればよいか」と「何を作れば良いのか」
おばあちゃん達がしたいこと、そして、おばあちゃんならではだけど、他の人が作っていないものとして注目したのが「孫育てグッズ」。家庭環境として、2世帯同居は減少しているが近居が増加しており、シニア世代が孫の面倒を見る機会も増加している。その割には、抱っこ紐の背中にバックルがあり届かない、哺乳瓶はメモリが見えないなど、現在の子育てグッズはシニアにとって不便な部分に注目したのです。手掛けた「抱っこふとん」は大手デパートでも取り扱われています。

但し、最初は住宅街の空き家を使って始動したこともあり、怪しまれて遠巻きで見られる状態だったとか。公共機関で手芸のワークショップを開催して参加者を誘う、地域新聞を作るなど、認知・理解のための活動を続けた結果、布団屋さんから生地提供を受けるなど地域から協力を得られるようになったそうです。

BABAlabの運営スタイルも特徴的です。「超ワークシェアリング」として、制作工程を細分化、作業1つ1つに細かい料金設定をしています。それは、いくつになってもやれる作業を用意するため。シニアになると体や脳の衰えにより、1年前に出来ていたことがもう難しいといった、できなくなることが急速に増えていきます。作業を細分化しておくと、個々に対応しやすいのです。作業があるということは、「居場所がある」ことにつながります。価値の見出し方は人それぞれで、作業をしたい人、話す場を求めている人双方に対応できるようになっています。自分が認められている、必要とされている、社会の中に居ることを実感できるツールとして、数十円といった少額でも賃金を渡す重要性も話していました。

現在では、BABAlabのノウハウを活かして、シニアが気軽に働く場の開設サポートや、シニア世代をターゲットとするマーケティング調査のお手伝いなどの事業の発展の話があり、第1部は終了しました。

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第2部では、「地域にあったらいいなを考える」と「地域のつながり(資源)を考えたプランを考える」といった2つのテーマでワークショップが開催されました。
4班編成で、それぞれ、「地域の演芸場」「関東の案内人グランプリ」「地域食堂と移動マーケット」「スーパーの一角でのまちの保健室」といった、参加者のバックボーンが活かされた4案が発表されました。

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コミュニティビジネスを企画し具現化する際には、「考える」「書く」「話す」の3つのサイクルを繰り返したほうが良いのですが、特に「書く」という行為、紙に落としこんでいく作業が重要であると説いていました。視覚化することにより、自分のアイデアが整理でき、他人にも共有することが可能となります。
さらに、男性の方は「考える」と「書く」ことのみで人に「話す」ことが抜けがち、逆に女性の方は「考える」と「話す」のみで「書く」ことが抜けがち、との声。話さないと広まっていかない、文面でないと相手に的確に伝えることが出来ない。意外と陥りやすいポイントを指摘されていました。

通常のビジネスモデルと違い、コミュニティビジネスでは想いでのWin-Winで物事が進んでいきます。それは時に、通常のビジネスでは発生しない相手だったり、お金以外での支援であったりもします。BABAlabの活動では、行政からは紹介や、セミナーの講師依頼など、競合相手となるメーカーの方からは工場の紹介や手順のノウハウの提供という形で支援を受けたそうです。そうして、同じ課題を持っている人がつながり、課題の解決がUPすることで地域が盛り上がるのがコミュニティビジネスなのです。だから、想いのつながりがないと孤立する。参加者にサポート側の人間が多かったので、「事業者を面でサポートして、孤立させないようにしてください」とのアドバイスがありました。

コミュニティビジネスはコミュニティ寄りの視点なのか、ビジネス寄りの視点なのかによって手法・手段は変わってきますが、広い意味で地域を盛り上げるための「場作り事業」の側面もあります。いかに「課題への想い」をキーにして多くの人を巻き込んでいけるかが、継続・発展のカギとなると感じました。その上では、今回のセミナーのように多様なセクターの人々が地域について話し、仮プランを立てるという時間は知識の融合と様々な可能性を生み出す有益な場となりました。この様な場が数多く発生すれば、コミュニティビジネスも数多く誕生するかもしれません。
まちぴあでも、コミュニティビジネスを生み出す・継続するための様々な場作りへの支援をしていきたいと思います。

(記事投稿:鈴木)