2014年10月20日(月)、栃木県庁にて地域づくり団体栃木県協議会が主催した「参加者もスタッフも輝く!イベント企画のコツ」に参加してきました。
まちぴあと同じ県内のNPO支援センターのスタッフ、NPO法人代表など、NPOの関係者の他、地域おこし協力隊や地域づくりに関わる職員・事業者の方など約30名の幅広い方が集まりました。
講師はCANPANセンターの山田泰久さん。
情報発信、ソーシャルメディア、助成金などNPOに関わる分野のセミナー講師として全国を飛び回り、またCANPAN主催の講座・イベントを数多く手掛ける、NPO業界の超有名人です。
現在のイベントのトレンドは「参加型」。
早めに自己紹介を行ったり、ミニワークショップなど共有の時間を作ることで、一方的な話より交流する時間を設け、『参加した』という満足感を得てもらう。
そこで、「最近企画したイベントもしくは企画してみたいイベントをワークシートにまとめ、発表する」というワークショップを間に挟みながら講義は進みました。
まず、イベントとは「活動の幅を広げたり、仲間を増やしていくために必要なもの」と定義。例えば、コニュニティづくりであったり、新しいことを始める場であったり、ノウハウをセミナーとして提供することであったり。
そこで、いかに自分の持っている「アイデア」を具現化できるかが重要となります。
成功するイベントの秘訣として、企画段階でいくつかのポイントがあります。
○ワクワク感を創出する
○競争・対決姿勢(あおり)をうまく組み込む
○アイデアの部分も共有してもらうことで追体験してもらう
○終わった後、みんなが話題にしてくれるかどうか
○アイデア段階で面白くないイベントは実際やっても楽しくない
その中でも、イベントを通じての最終的な効果を最初のうちに考え、誰に来て欲しいのかイベントの位置付けを行うことが最大のイベント成功の秘訣とのこと。
イベントは考えているうちに“ブレ”が出てくる。その時には「誰に来て欲しいのか」に立ち戻ると失敗しません。
参加者が企画したイベントの経緯を発表する場面も
さらにイベントの波及効果として、以下のことも期待出来ます。
○イベント講師として呼ぶことで、なかなか会えない著名な人を出会うきっかけにする
○イベントを通じて団体のことを知ってもらう、イベントをきっかけに話題にしてPRする
○イベントをきっかけに仲良くなることで積極的な協働に繋がる
○イベント開催に誰かと手を組むことで相手の持っている力(集客力・ノウハウ)を取り込む
イベント運営には「告知・中継・報告」を3点セットにしてきちんと実施することも重要。
○やりっぱなしではなくうまくまとめる。特に報告は3日以内に
○報告は前回の様子として次回の告知に活用
○告知時に前回アンケートの言葉を抜き出して掲載することで、口コミに近い効果を演出
○報告や告知には写真と文章をうまく組み合わせる
写真5枚程度用意し、写真1枚に100文字程度の説明
○魅力的な報告・告知のためにはイベント開催中に写真をしっかり取っておくことも重要
報告・次回告知用にどんな写真が必要か開催前にイメージしておくとなお良し。
○検索したときに適切な情報が届くよう、最新のデータに更新する
○Webや他組織の告知ではタイトルだけ表示されることも多い
タイトルに対象や地域などを組み込む(inとちぎ、大学生への〜など)
10名規模のイベントは最小限のプロジェクトであり、イベントでスモールスタートするのが良いと山田さんは言います。
まずイベント化して実践して、他の人に興味があるか試す。小さいイベントを定期的に開催することで得るノウハウをマニュアル化することでイベントの精度を上げていき大きなイベントを開催する。
イベントの精度を高めるためには、どのような規模・時間帯で開催しているのか、競合イベントで勉強したり、集客の上手な団体が告知にどのような方法を用いているのかチェックすることも必要。地域特性なども見えてきます。
そして、イベントで終わりではなく、そこからコミュニティづくり・アクションするための『場づくり』としてイベントを活用していくためには、イベントの後にどんな関係を築きたいのかイメージし、イベント中に次への準備をしておく、仕掛けを入れ込むことが必要である、とまとめられました。
ソーシャルメディアや気軽に使えるITツールが出現し、誰もがイベントを出来る時代になりました。数多くのイベントが開催される中、イベントをマーケティングの場として捉え、戦略的に行い、「イベントで学ぶ」姿勢が大事であると感じました。
イベントで困っている皆さん、ぜひ一度企画したイベントを、団体のことを見直してみませんか。第3者の意見を聴くことも解決の糸口になりますよ。
【参考URL】
・栃木県HP「地域づくり団体栃木県協議会」イベント開催報告