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2019年09月20日

「NPO法人会計サポートに関する情報交換会」「NPO法人所轄庁及びNPO法人会計基準協議会会員等の意見交換会」参加報告

 先日9月13日、栃木県庁にて「NPO法人会計サポートに関する情報交換会」と「NPO法人所轄庁及びNPO法人会計基準協議会会員等の意見交換会」が開催されました。
 「NPO法人会計基準」とは、NPO法人の会計力や信頼性を向上させ、より多くの人たちからNPO活動への共感と支援を得ることを目指し2010年に策定された「会計報告を作る統一ルール」のことです。主催であるNPO法人会計基準協議会は、その策定や改正・普及などに取り組む団体で、全国のNPO支援センター運営団体らがメンバーになっています。
 今回は、まちぴあ運営団体であるNPO法人宇都宮まちづくり市民工房理事1名と、まちぴあスタッフ1名の計2名が参加してきました。

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 前半の「NPO法人会計サポートに関する情報交換会」では、栃木県内または近県のNPO支援センター職員やNPO会計税務専門家ネットワークの公認会計士・税理士ら13名が集まりました。所轄庁からのNPO会計に関する質問および意見と、それらに対するNPO法人会計基準協議会回答委員による回答をメインに共有し、『NPO法人会計サポート虎の巻』の紹介や、各センターでの相談対応の悩み共有などもされました。

 『〜虎の巻』は、「NPO法人の会計強化のための全国キャンペーン」の一環として今年3月に発行されたA4判の小冊子で、全国各地のNPO会計サポートに関するノウハウや経験、課題などが凝縮されています。無料とは思えない充実した内容ですが、ウェブ上からPDFでダウンロードできるので、NPO会計支援をされている方はぜひご一読をおすすめします。
http://www.npokaikeikijun.jp/topics/toranomaki/

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 後半の「NPO法人所轄庁及びNPO法人会計基準協議会会員等の意見交換会」では、関東甲信越ブロックの所轄庁である自治体(各県や市)職員と、前半の情報交換会に参加したNPO支援者や公認会計士など約50名が参加しました。内容は前半同様、所轄庁からのNPO会計に関する質問等とそれらに対するNPO法人会計基準協議会回答委員による回答を共有し、質問した所轄庁へのフィードバックや補足も行われました。

 今回、前半後半ともに特に詳しく取り上げられたのは「返礼品のある寄付」の取り扱いです。
 近年広まってきた「ふるさと納税」でも、高額返礼品を送る自治体への寄付が寄付者の税額控除の対象から外れることが今年話題になっているところ。NPO法人でも、寄付金のお礼として活動を紹介する冊子・書籍や、法人の活動の一環で作られた小物・食品などを寄付者に送ることがあります。しかし、この返礼品提供が「対価性のあるものの提供=物品販売」と判断される場合、受取寄付金ではなく事業収益(売上)としなければいけなくなり、この判断に悩む所轄庁やNPO会計支援者が多くいます。
 READY FORなどリターンのある購入型クラウドファンディングが増えている昨今、NPO会計でこの問題は避けて通れません。特に、ふるさと納税と同じように寄付が寄付者の税額控除の対象となる「認定NPO法人」は、「認定」の要件となるPST判定というものの中に寄付金に関する事項があり、寄付金か事業収益の判断はとても重要になってきます。

 今回はいくつかの寄付の事例をもとに、@金券などキックバックになる返礼品は×、A活動の紹介や普及啓発的な要素の強いものを返礼品とすべき、B返礼割合(寄付額の10%程度なら寄付として問題なし)に留意する、といったポイントがNPO会計税務専門家ネットワークの公認会計士の先生から紹介されました。

 また、「寄付とするか売上とするかは、所轄庁が認めるより『市民が認めるか』という目線を持つ必要があるのではないか」という話や、「(寄付金に関する)税法の土台が、返礼品のあるふるさと納税が出てきてから壊れてしまったため、行政のPST指導にも根拠がない現状になっている」といった指摘も興味深く聞きました。イギリスには、寄付の対価性について細かく決められているGift Aidという制度があり、議論の参考になるようです。
 法律を改正することは市民にはできませんが、社会貢献を目的に活動するNPOの資金調達にこのような問題ごとがある、と国に目を向けてもらえるよう声を上げることはできます。会計支援にも様々なアプローチがある、とも感じた意見交換会でした。

(記事投稿:齋藤)
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