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2019年01月25日

「平成30年度災害ボランティアセミナー」参加報告

2019年01月25日(金)

「平成30年度災害ボランティアセミナー」参加報告

 先日21日、栃木県及び一般財団法人地域社会ライフプラン協会主催、社会福祉法人栃木県社会福祉協議会共催、社会福祉法人とちぎ健康福祉協会企画協力による「平成30年度災害ボランティアセミナー」がとちぎ生きがいづくりセンター(とちぎ健康の森内)講堂にて行われシニア世代を中心に100名ほど参加されていました。 

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会場の様子

 平成30年は6月大阪府北部地震、7月西日本豪雨災害、9月北海道胆振東部地震などの災害がありました、災害ボランティアは被災地域の普及や復興に必要不可欠な存在となっています。

 昨今では栃木県も東日本大震災や関東・東北豪雨による被害を受けましたが、被災地に密着したきめ細やかな支援が行なわれるシニア世代を始めとする災害ボランティアは復興支援の大きな力となりました。 今回のセミナーでは幅広い世代が関わる災害ボランティアについての基調講演や事例発表などが行われました。

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レスキューストックヤード代表理事 栗田暢之氏

 始めに認定特定非営利活動法人レスキューストックヤード代表理事 栗田暢之氏による「基調講演:災害とボランティア〜相次ぐ災害の現場から〜」が行われました。 栗田氏は平成7年阪神・淡路大震災時に勤務していた大学の学生ら延べ1,500目のコーディネーターとして被災者支援にあたられていました。 同年7月に設立したボランティア団体事務局長から平成14年さらに発展的に解消し「特定非営利活動法人レスキューストックヤード」常務理事兼事務局長を経て現在災害に強いまちづくりや人づくりの各種事業、50か所の地震・水害・噴火などの被災地で支援活動を行われています。

 基調講演では平常時における事前対応(被害抑止・軽減)と発災時における事後対応(応急対応、復旧・復興)などのサイクルについて、現場対応と平常時における講習会の開催、平成30年大阪北部地震、台風21号、豪雨災害についてどのような状況になったのか、写真を元に災害ボランティアがどのような事を行ったのか、災害後の生活を考えるミニ相談会や避難所での環境整備、ボランティアニーズの移り変わりなど居宅等片付けが全てではないこと、1人1人得意分野やできることを行うことについてお話していただきました。

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「チームかぬま」代表 山ノ井濱市氏

 次に災害ボランティアグループ「チームかぬま」代表 山ノ井濱市氏による「事例発表:私の災害ボランティア体験談〜自分なりの支援のかたち〜」が行なわれました。 山ノ井氏は東日本大震災を機に災害ボランティアにかかわり、平成24年被災地支援や鹿沼市内でのボランティア活動を目的に災害ボランティアグループ「チームかぬまを設立」。 宮城県石巻市や山元町、福島県南相馬市小高区で支援活動を続け、熊本地震や九州北部豪雨災害、西日本豪雨災害でも支援活動を行われています。

 事例発表ではこれまでどのような事を行ってきたのか写真を元に東日本大震災の時のこと、宮城県石巻や山元町へ災害ボランティアバスで全12回参加したこと。災害ボランティアに関わっていく中で団体を設立しようと思ったきっかけなど説明していただきました。 ボランティア活動は「できることから少しずつ」始められること、自分自身に合った活動が必ずあるとお話していただきました。

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鹿沼市社会福祉協議会主査事務員 柴田貴史氏

 最後に社会福祉法人鹿沼市社会福祉協議会主査事務員 柴田貴史氏より「事例発表:誰でもできる支援の和〜被災地で学んだ大切なこと〜」が行われました。 柴田氏は平成5年北海道南西沖地震をきっかけにボランティアに興味を持ち、高校在学中に阪神・淡路大震災を機にボランティアを実践的に始められます。 災害発生時には、被災地でのボランティア活動を行い、その活動を講演会で多くの人に伝えています。 認定NPO法人とちぎボランティアネットワーク災害担当理事、とちぎ災害ボランティア実践プロジェクト座長としても活躍されています。

 事例発表では被災地で学んだこととして、災害を防ぐことはできませんが、今後発生するだろう未災地(全ての場所)での災害に備えておくことはできるとして、@災害時の助け合いがなんとなく想像しておく(どのような状況でも)、A自分がどのように被災するか考えてみる、B得た情報で考え、判断し、きちんと検証する(防災グッズなどしっかり使えるかなど)、C想像したことを創造できるようにする(どう動けるのか・動くのか)が大切とまずお話していただきました。

 災害への対応はそれぞれの地域によって異なり、マニュアルを通りには行かない、そこで研修(講座)があり、参考に聞いておくこと、知っておくことが大切。 被災地では行政や社会福祉協議会、自治会、自主防災組織などが中心となり活動が行われるが、被災地内のひとだけでは負担が大きく大変、そこで被災地外の支援が必要です。 災害ボランティアは災害発生地域だけではなく、被災した人や地域を応援するすべての仕組みやそれをする人、現地に行って活動する人だけが災害ボランティアではない。とお話していただきました。 

 今回の災害ボランティアセミナーは災害時の対応や災害ボランティアの種類など様々なお話をしていただきました。 平常時から備え、どのような状況でも自分や周りの方同士が助け合えるよう考えておくこと、その中でそれぞれがどのようなことができるのか今後発生するであろう未災地ではしっかり備えておくことが大切であり、1人ひとりがまず知っておくことが重要であると改めて感じました。

(記事投稿:小松)
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