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2018年10月25日

これからの働き方とキャリア「パラレルキャリアと兼業・副業が個人と社会にあたえる効果とは〜人生百年時代の生き方・働き方〜」参加報告

10月14日(日)、宇都宮市男女共同参画推進センターアコール主催のワーク・ライフ・バランス講演会「パラレルキャリアと兼業・副業が個人と社会にあたえる効果とは〜人生百年時代の生き方・働き方〜」にスタッフ1名が参加してきました。

講師は法政大学大学院政策創造研究科教授で「時間と場所を選ばない パラレルキャリアを始めよう!」著者の石山 恒貴氏。栃木県内での講演は初ということで、日曜日ながら男女56名の参加者が集まりました。託児ありの講座だったので、パパ・ママ世代の方も多く集まりました。

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まずは現代の社会と雇用の変化から。現代の社会では、人間の適応力を超える技術変化が50年続いています。ITの発展により、企業でも集団から数名でのプロジェクト化が進んでいます。
そんな中、2007年生まれの日本の子の50%が107歳まで生きるという、100年ライフ時代が訪れようとしており、「ライフシフト」が提唱されています。目に見えるもの(土地、金銭など)が大事だった生き方から、目に見えないもの(人脈、健康、チャレンジなど)が大事になる生き方へと変化しつつあり、直線的な3ステージ(教育・仕事・引退後)の生き方からマルチステージへ、という提案が成されています。
その流れから反比例するように、3ステージキャリアのモデルである、終身雇用を望む日本人は年々増加し90%にも達しています。それは、日本人は働くこと=雇用と思っているからではないか。実際、就労者のうち9割が雇用されている関係にある。でも1950年代の雇用割合は50%で、雇用が中心となる時代はつい最近の出来事。昭和30年代は雇用されてなくても幸せに暮らしていたのです。時代変化が激しい中、終身雇用という制度はいつまで続くか分かりません。1つの会社=シングルキャリアの生き方が難しくなってきている今、職業キャリアのことだけではなく、ライフイベントも含めたライフキャリアが重要となってくるのです。
パラレルキャリアはドラッカーが提唱したもので、家庭ワーク(家事・育児・介護など)、有給ワーク(雇用・自営・兼業・副業など)、ギフトワーク(ボランティア・NPO・社会活動など)、学習ワーク(学びなおし・リカレント教育・社会人大学・勉強会など)の4つのワークを組み合わせ、同時進行することでライフキャリアを豊かにする考え方です。

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パラレルキャリアに取り組む企業の事例として紹介されたのが、NPO法人二枚目の名刺
「サポートプロジェクト」への参画。NPO法人二枚目の名刺が実施しているNPOの課題解決「サポートプロジェクト」が中堅のリーダーシップ研修に向いているのではと気付いた企業側が説明会を社内に誘致、企業はきっかけだけ与えています。参加者にとって、シェアド・リーダーシップや目標がないといった曖昧さの気持ち悪さに慣れる自体学びであり、自分の暗黙の前提で同じだと思ってしまっていた考えにズレがあった際に表現開示をする必要に気付き、視野の拡大に繋がります。失敗が許される実験的趣向はデザイン思考を向上させるなどの効果があります。
ロート製薬「社外チャレンジワーク」では、震災時の支援活動による体験を日常的につくれないかと始まったもので、地域を跨いだパラレルキャリアを認めています。パーソルキャリアでの「社内ダブルジョブ」は別部署の業務にも関わる会社の中でのパラレルキャリアを創出しています。
ビースタイルの「踊る広報」は育児活動・PTAなどを加味した就職コンサル「主婦ジョブ」を自社の社員にも適用した形で、ダンサーの活動が広報という仕事にも相乗効果をもたらした事例です。

パラレルキャリアで注目されるのが兼業・副業。厚労省モデル就業規則を習い長らく兼業・副業禁止としていた会社が多かったのですが、2018年1月に規則改正されました。
柔軟な形で地域活性化したいと考えている地方地自体では、地域貢献活動に関する報酬を認める形での副業解禁の動きもあります。自治体が副業・兼業を積極的に取り入れた例として、広島県福山市での兼業・副業限定の戦略顧問募集の事例が紹介されました。実はこの顧問に採用された5名のうち1名は「社外チャレンジワーク」を実施しているロート製薬の社員ということで、企業のパラレルキャリア戦略が他セクターに波及した事例でもあります。
北九州市の「次世代ワークデザイン研究会」の取り組みでは、当初は兼業・副業には反対の姿勢だった企業も、回を重ねるごとに出向など外からの考えを既に取り込んでいることに気付き、兼業・副業にこだわらずに柔軟な働き方を行う必要性を認識。企業間コラボも実現したそうです。

場があり、人が集うと何かが生まれる。そのため、パラレルキャリアとコミュニティカフェは相性が良い。その例として、小箱ショップから、講師、地域活性イベントへと展開した港南台タウンカフェの事例を挙げていました。

まとめとして、これから高度化・複雑化していく社会では創造性(クリエイティビィ)、協働(コラボレーション)、コミュニティ、コーティングの4つの能力が必要とされ、大学までの学びを時々引き出す「銀行型」から、作り方を大学まで学び、その後は自分でアレンジしてレシピを作る「料理教室型」が求められています。そんな社会に適応するためにも、パラレルキャリアへの期待が高まっています。
但し、パラレルキャリアが組織(組織人)から嫌な顔をされる「パラレルキャリア迫害問題」や、パラレルキャリアをして得た感情や情熱が、組織に戻った際に段々忘れ去ってしまう「パラレルキャリア風化問題」もあり、組織文化との程よい関係性を考えていく必要があります。

最後に、パラレルキャリアに興味はあるが仕事が忙しく、どこから始めれば良いのかと感じている人に向けて、まずは興味を持つ、ネット検索などで調べる。さらにはコワーキングスペースやカフェに行ってみることを薦めていました。

質疑応答では、パラレルキャリアについてどの段階で会社に報告すればよいのかといった意見が挙がりました。就業規則で副業禁止だったが、社員からの相談で副業解禁にしたサイボウズの例を挙げていました。

NPO法から20年、地域の担い手は高齢化しています。パラレルキャリアを推進することで、シングルキャリアだった人々が社会的活動に関わることにもなり、地域課題・社会課題解決を今より促進することが出来る。自宅介護や待機児童などの問題が解消することで、結果的に有給ワークをシングルキャリアではない形で安定させることが出来るのではないかと感じました。

そのためにも、社会活動や地域活動をより身近にするきっかけ作りと関わりやすくする整備を如何に行うか、中間支援組織の課題と捉えます。

(記事投稿:鈴木)

【参考URL】
東洋経済オンラインストア:書籍紹介LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
ロート製薬株式会社:目的は「兼業解禁」ではなかった?働き方改革の舞台裏
パーソルキャリア株式会社:社内で兼業してみた結果は?!「社内ダブルジョブ」最終報告会実施
@人事:“踊る広報”柴田菜々子さんに聞く、週3日勤務×パラレルキャリアという生き方
ビズリーチ:日本初! 広島県福山市が兼業・副業限定で戦略顧問募集
北九州市:北九州市次世代ワークデザイン研究会〜平成29年度 雇用する側からみた副業・兼業について〜
株式会社イータウン:港南台タウンカフェの実績
サイボウズ式:「時間外」に「好きなこと」で副業。これって、何か問題あるかなぁ?

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