CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

2018年03月04日

まちぴあ主催「若者とまちづくりシンポジウム」実施報告

2018年3月4日(日)

 3月3日、宇都宮大学陽東キャンパスのアカデミアホールを会場に、平成29年度まちぴあ主催シンポジウムを開催しました。

 昨今、宇都宮をはじめとした栃木県内に限らず、全国的な取組みとして、高校生が地域に出て、住民の方々との交流の中から様々な地域課題を見つけ、地域で学びながら解決に向けて取り組んでいく活動が行なわれています。

 大学生を中心とした若者のまちづくり活動が盛んに取り組まれるようになった中で、さらに若い世代である高校生の存在も地域活動において、その重要性を増してきています。地域の担い手としてだけなく、地域に出る高校生たちにも学びにつながる「若者とまちづくり」について考える機会として、今回のシンポジウムが開催されました。

DSC03522.JPG


 会場には、学校関係者や地域活動者、NPO、行政関係者など113名の参加があり、盛大に行なうことができました。

「学校と地域の連携による地域課題への取り組み」と題して、まず行なわれた基調講演では、若園雄志郎(宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン科)准教授にお話いただきました。

 後述する烏山高校をはじめ、県内複数の高校で生徒たちと地域課題解決型キャリア教育に携わっている若園准教授からは、地方それぞれが活力や持続可能な成長を続けていくことで、日本全体としての活力をつけていく「地域創生」について説明があり、

 地域に住む一人一人が行動することによって、住民独自の事業が行なわれていくためには、地域のランドマークである高校や大学など地域に密着した学校の存在の重要性をお話し下さいました。

 小・中学校でもボランティア活動などで地域貢献をすすめる動きが年々高まっていますが、学校に来てもらって学ぶことに加え、実際に地域に生徒たちが出て行くことで「学んだ成果を地域に活かす」ことが必要になってくるという学習としての段階の違いについてもご説明頂きました。

 学校で基礎的、模擬的に学んだことを地域で活かすためには、地域に住む方々との交流やフィールドワークなどで地域課題を探すことが求められ、さらにグループでの検討やディスカッションなど様々なコミュニケーションをとって、まとめていく作業も必要になります。こうしたことから、現実に自分達が地域に住む、通っている市民として自発的な意識を育み、自立した考えや周囲との調和をとることのできる人材を育むキャリア教育としても有意義であることから、近年注目されていることなどもご説明頂きました。

 こうした生徒たちの活動は、高校という地域の一つの重要拠点において、それまで関りの薄かった市民との接点を増やし、信頼関係を構築していきます。こうした関係性の醸成が地域に新たな活力を生み出すきっかけになると思いました。

 生徒たちが地域課題に取り組む意図についてお話しを頂いた後は、烏山高校と日光明峰高校の活動事例発表に移りました。

・・・・・・・・・・・・・

 まずは、栃木県立烏山高等学校で取り組まれている、地域課題解決型キャリア教育「烏山学」です。平成20年に、烏山高等学校と烏山女子高等学校が統合し開校された、現在の烏山高等学校で取り組まれている烏山学は、将来、地域社会で活躍するリーダーを育成することを目的に、那須烏山市や県内複数の大学、那須塩原市、社会福祉協議会などと連携して行っているプログラムです。

DSC03558.JPG


 今年度は、1学年全生徒を対象にした共通プログラム「山あげ体験学習」をはじめ、烏山地域の文化、教育、産業、建築など14の選択プログラムが行なわれたそうです。

 各選択プログラムでは、自分の関心のある分野を選び、それぞれの分野の専門家の方から事前オリエンテーションで活動前の基礎知識を学び、さらにフィールドワークで現場や実物を見たり体験することによって学びを深めていったそうです。

 先生役を勤められた、各分野の専門家の方々からより深い学びを得つつ、学びと活動を通じた成果はプログラム独自の方法でまとめられて発表されました。


 もう一つの事例は、栃木県立日光明峰高等学校の生徒さんたちによる発表です。明峰高校は平成17年に日光高等学校と足尾高等学校が統合して開校しました。

 「学校×地域連携プロジェクト」として取り組まれている活動は、学校周辺の4自治会と地区内の小中学校、社会福祉協議会などが連携、交流し行なわれているものです。今回の事例紹介では、平成29年度に行った地域の方々とのサロン活動と成果について紹介頂きました。こちらは、生徒さんたちがホスト役を勤め、茶道など部活動で学んでいるスキルを活かしながら、実際に地域の方々と地域課題について話し合う前のアイスブレクに工夫を凝らしたことや、

DSC03584.JPG


 交流活動を経て、企画された「伝統料理、地産地消メニューを楽しもう」で取り組んだ、かぼちゃまんじゅうづくりの郷土料理教室の模様などを紹介いただきました。

 それぞれの高校ともに、少子高齢社会の進展に伴う、人口下減少という大きな社会課題について、実際に自分が住んでいる地域の担い手が少なくなっていることや、減少社会であるからこそ、公共の力でカバーできない課題も増えていることなどを、現実の問題として知ることができたと感想を語ってくれました。

 また、その課題に対して、自分がどんなことができるのかや、課題を踏まえた上での将来設計を考えるきっかけにもなったそうで、学び、地域に出たことによって理解や方法を考え、試してみる機会になっていると伝えてくれました。

・・・・・・・・・・

 講演や2校による発表を終えた後には、講演を務めてくださった若園准教授を中心に、高校生たちの意見を主にしたトークセッションの時間も設けられました。

「中学生のときと、プログラムに参加した今との地域を見る視点の違い」

 ということを大きなテーマに、事例紹介下さった高校生や、会場に集まって下さった30名ほどの学生たちにマイクが向けられました。

 学生達からは、以前は何気なく通過するだけだった街中や、住民の方々と実際に話したり訪問することを通じて、目に留まるようになったり、関心を持つようになったりと、自分の意識の中での変化があったと話してくれました。

 また、設定した目標をグループや協力下さる住民の皆さんと一緒に考えていくことで、発言することや意見をまとめること、成果は発表し、見てもらうことなど、プログラムの過程の中に一つ一つの学びがあったとの感想を述べて下さった生徒さんもいました。

 今回のセッションの中では時間の都合上大人の感想は上げられませんでしたが、学生達の取り組みをみて、個人的に思ったことは、

「今の高校生ってえらいなぁ」

 ということです。これは、高校生に限らず、大学生など他の自分よりも若い世代の皆さんには総じて感じることですが、学生でなくなってから地域の課題や問題に関心をもち、また、その解決に向けて微力ながら一旦を担っている自分と比べると、毎回思い知らされることです。

 自分の頃はこうした取り組みがなかったからなぁと思ってしまうのは簡単ですが、課題に気付き、高校生という立場で自分なりに取り組んでいる彼らと同じく、若い世代に関心することで、改めて今の自分に地域において何ができるか、どうするかということを考え続けなくてはいけないと思った次第でした。

 若い人がいると活気がある。元気がある。賑わいがある。

 確かにそうですが、若い世代の方々が頑張っている姿を見ると、見ているこっちが頑張らねばという気持ちになります。若いもんに負けない!もいいでしょうし、年上ですけど、教えてもらうこともいいかもしれません。

 そんな気持ちにさせてくれるからこそ、「若者のまちづくり」が大切であり、また、地域における様々な取り組みは、若者にまかせればよいもんでもなく、彼らの存在を励みに、自分達ができることを積み上げていく。それが、地域を創ることなのだなと考えさせてもらったシンポジウムとなりました。

 最後に、ご講演、ご発表下さった関係者の皆様。まことにありがとうございました。また、遠路駆けつけてくださった参加者の皆様、ありがとうございました。

(記事投稿:小倉)
この記事へのコメント
コメントを書く
トラックバックの受付は終了しました

この記事へのトラックバック