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2017年02月04日

セミナー「財務諸表調査から見えてくるNPO法人の実態・課題・支援」参加報告

 先日1月20日(金)、群馬県庁昭和庁舎会議室にて、「スタッフスキルアップセミナー 『財務諸表調査から見えてくるNPO法人の実態・課題・支援』」が開催されました。群馬県主催、群馬NPO協議会が企画・実施し、脇坂誠也税理士とNPO法人会計基準白書を読み解くという内容で行われました。

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 中間支援職員や税理士、NPOで活動されている方など様々な方面から、まちぴあスタッフ1名を含め39名の参加がありました。講師の脇坂氏はNPO会計税務専門家ネットワーク理事長を務めています。親しみやすい語り口で、専門的な話をわかりやすく解説していただきました。ご家族に宇都宮市出身の方がいるそうで、親近感アップです。

 NPO法人会計基準(以下、会計基準)は、団体の自由な活動を抑えないよう強制力はありません。ですが、専門家からも見やすくわかりやすい会計報告書の様式を広めることで、NPO法人の信頼性を高める狙いがあり、その普及率を上げる取り組みが各方面からなされています。
 全国での会計基準普及状況などの調査を行うことで、この会計基準がどれだけ使われているか、普及を妨げる要因は何か、よりよい基準に改善するのに必要なことが見えてきました。

 2015年の調査結果の全体分析からわかったデータをまとめます。
(1)タイトルが「活動計算書」になっているのはNPO法人全体の76.6%(2013年調査で52.6%)
(2)報告書の中身(表示方法など)が会計基準に準拠しているのは、タイトルが「活動報告書」になっている法人の26.5%(同21.0%)
(3)タイトルによらず報告書の中身が会計基準に準拠しているのは法人全体の20.3%(同11.0%)
(4)(2)の数字を落としているのは「注記」の添付率の低さ。「注記」を除いて分析すると、
約6割が準拠できています。

さらにデータを細かく見ていくと、以下のようなこともわかります。

【前回調査から改善されているポイント】
・タイトルが「活動計算書」だが中身が「収支計算書(旧会計基準)」のままになっているのは(1)の条件の6%。(前回11%)
・活動計算書の収益・費用の表示が会計基準に沿っていないのは(1)の条件の28%。(前回34%)
全国のNPO法人と関係者の努力が見えます。

【今後特に改善が必要なポイント】
・活動計算書の「次期繰越正味財産額」と貸借対照表の「正味財産合計」とが一致していないのは(1)の条件の17%で、前回からあまり変わっていません。
NPO法人の信頼性向上のためには、会計報告の整合性は必須です。会計ソフトの導入や個別対応が効果的と考えられます。

個別対応に使えるアイテムとして、
「NPO法人会計基準に準拠した財務諸表作成のために重要な6つのチェックポイント(チェックリスト)」
http://www.npokaikeikijun.jp/wp-content/uploads/5e817845c3ac3df8402b397e3832a54b.pdf
などの紹介もありました。

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 その他、注記の記載状況の詳細や今後の会計基準改正案、参加者同士でのディスカッションと発表が行われました。総会前の報告書事前チェックを周知していきたいなど、色々な現場の課題や声が挙がりました。

 今回のセミナーでは、クラウドファンディングも話題にのぼり、会計基準が時代に即したものに常に変わっていくこと、それとともに関係者からの周知とNPO法人の会計担当者の勉強が必要になっていくことも実感しました。
 相席させてもらった会計士さんから見ても、NPO会計は独特で細かく難しい部分があるようです。一般の会社ではモノやサービスを提供してお金を得る営利活動が主ですが、非営利の活動はまず信用がないと資金が集められないため、細かい開示が必要なのかもしれません。バージョンアップしていくのは大変ですが、私たちNPO支援側もNPO法人の皆さんと一緒に努力していきたいと思います。

【参考URL】
みんなで使おう!NPO法人会計基準ホームページ
群馬NPO協議会

(記事投稿:U)
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