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2016年09月16日

取材:宇都宮ピアノ研究会主催「舘野泉ピアノリサイタル」

2016年9月16日(金)

 去る9月14日(水)、まちぴあ登録団体でもある「NPO法人宇都宮ピアノ研究会」が主催する、音楽会「舘野泉ピアノ・リサイタル」が行われました。

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 宇都宮市を中心として、栃木県内にピアノをはじめとした音楽の素晴らしさを伝え、組織しているメンバーもその担い手として訪問演奏活動や市や地域が開催するイベントでの演奏活動を行っているピアノ研究会の皆さんが、

 高齢であっても、ハンデがあっても活き活きとした生活を営むことの大切さを伝えたいとの想いから企画されたのが、今回の舘野泉氏によるピアノリサイタルでした。

 会場は栃木県総合文化センター・メインホール。会場には、約500人ほどの多くの来場者が列を作って開演を待っておられました。

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 舘野氏は、「左手のピアニスト」として世界的に著名な方で、65歳の時にコンサート中に倒れ左半身に麻痺が残ったものの、2年の歳月を経てカムバックし、左手だけで演奏活動を行う演奏家として活発な活動を続けられています。

 今年で80歳になられるとのことですが、その溢れる情熱と演奏を聞き、感じたいと思われ本当に多くの皆さんが来場されていたと思いました。

 演奏曲は、スクリャーピン:左手のための2つの小品 作品9をはじめ、NHK大河ドラマ「平清盛」で演奏を担当された「遊びをせんとや」などクラシックやピアノ曲に馴染みの薄い方でも知っている曲も演奏され、大きな拍手が起こっていました。

 リサイタルの途中では、舘野氏へのインタビュータイムが設けられ、舘野氏の子どもの頃の話や戦時中に栃木県小山市に疎開したことがあるなど、世界的な方と栃木県の意外な縁も話され、また、人生におけるターニングポイントである、

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 病気になった時と、その後のことについても飄々とお話下さいました。記者は、主催者であるピアノ研究会の方から事前に舘野先生の人となりを「常に前向きでひょうひょうとした方、気持ちの大きな方」と伝え聞いており、お話しを聞いて、正しくそうだと思ったところです。

 特に、病気になり、麻痺が残ったときであっても、それまでの活発な演奏活動の裏側で、とにかく忙しく生活していた自分を振り返り、カムバックまでの2年間を「ゆっくりと過ごせた素敵な時間だった」と語られたことに驚きを感じました。

 また、現在は左手のピアニストとしての地位を確立された一方で、ご本人は「左手だけで弾いているとは思っていない」と話され、麻痺の残った手もあくまであわせて一つの身体として慈しんでおられるということに感銘を受けました。

 今回のコンサートは、舘野氏の素晴らしい演奏とともに、ピアノ研究会の皆さんが伝えたかった「生きること」へのメッセージをひしひしと感じることができました。

 病気になっていないとしても、日々の変化の中で予定していた動きが急にできなくなることもあるかもしれません。病気になれば、当然に今までの生活と同じことはできないでしょう。刻々と過ぎる時間の中で、変わっていくものに流され続けるだけでは、

 加齢や日々の変化は、もしかすると絶望や諦めの連続を感じさせるものかもしれませんが、「それはそれとして、やりたいことをやる」という意識を常に持つことで、その時その時にできることを見つけたり、新しい目標を作ったりと、

 前を向いて歩んでいく、生きていく

 ということにつながっていくのだと考えさせてもらえたリサイタルとなりました。記事を作成しながらも、相変わらず音楽には疎い筆者ですが、演奏している人や作品に「人生を見る」という捉え方も、音楽に親しむには必要なことなのかもしれないと思いました。

「音楽の素晴らしさ、力を市民・県民に伝えたい」

 そう活動目的にされている、宇都宮ピアノ研究会の皆さんらしい、音楽だけでなく聞く人に自分自身を振り返えらせてくれ、気づきと勇気づけをもらえたリサイタルだったと思います。

 宇都宮ピアノ研究会の皆様、大変お疲れ様でした!

(記事投稿:小倉)
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