「はっしん!注目地域情報局」は、宇都宮市内の自治会や地縁組織にお邪魔して、活動内容や日々のご苦労、これからの夢など、現場で活躍される方々のお話を直にうかがい、その魅力を紹介していくコーナーです。地域づくりの今をご理解いただくきっかけになればと願っております。
今回ご紹介する地域の注目は、『自治会でラジオ放送』!!
今年から放送が始まった東地域の「塙田三区自治会マイクロ放送局」について、まちづくり推進協議会広報部の田代さんにお話を伺ってきました。
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東地域でも栃木県庁と田川の間、宇都宮東小周辺のエリアが塙田地区です。
その中でも塙田三区自治会は宇商通り沿いに南北に長い自治会です。宇都宮市内でも高齢者が多い地域で、高齢化率が30%を超えるといったデータもあります。
まちづくり協議会の中で地域内での情報の共有、回覧板機能の問題が挙がり、ネットの活用を検討。東地域として2年前からブログとFacebookを開設しました。
しかし塙田地区は高齢化率が高く、ネット環境を持っていない・ネットを使用していない人が多いため、次の一手として「ラジオ」を思い付いたそうです。
地域でのFM放送というと「コミュニティ放送局」ですが、このコミュニティ放送局の免許取得には災害時(停電)でも稼働できるように発電機の設置と24時間対応できるような人員配置が法律で義務付けられています。
また、開設には約500万円の資金も必要と、単位自治会が設置するには非常にハードルが高いもの。そこで電波法の規制外にあり、サービスエリアが100メートル程度のミニFM局「マイクロ放送局」を選択されたそうです。
宇都宮市の「自治会活動参加促進事業」の補助金で、基地局や送信アンテナなどの設備を整え、2015年1月から放送を開始し、6月までの半年間を第一期試験放送的に行われたところだそうです。
ラジオ放送までの流れは、ブログに掲載されている内容をICレコーダーに録音して秒間などを編集後、タイマー予約して配信と、以外とシンプルな作業。基地局の設置や専門的な部分については、地区内にあるライブスタジオの協力を得て実施しています。
住宅地が密集しており屋外での放送機器の使用に制限があるこの地域の特性も踏まえ、運動会などのイベントをFM中継することで騒音問題を発生させずに手元で実況を伝えるなど、地域内ラジオらしい活用についても検討されています。
また、東小放送部のアナウンスや童謡サークルの歌声、地域広報誌「なのはな」に掲載出来なかった話題など、地元の資源の活用と活性化ツールとしてのラジオ活用も考えていらっしゃいます。
中心市街地である塙田地区では電波の障害となる建物も多く、全地域にまで発信しようとすると様々な問題が発生するそうですが、いずれ東地域全域での事業に発展させていきたいと田代さんは考えているそうです。
現在の受信範囲は塙田3区を中心としたこのエリアですが…
将来的には中継局を複数設置し、受信エリアを東地域全域に拡大したいとの計画もあるそうです。
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今現在は、中継局をより効率の良い場所に移動することを検討されたり、塙田三区が利用した「自治会活動参加助成費」が再び宇都宮市より募集されたこともあり、周辺自治会に呼びかけ、より広範囲で受信可能にしたいと計画を近隣の地域へ広げようとされているそうです。
また、出来れば毎週毎に新しい情報を加えていき、その結果放送が
「新しい情報を上書き」
→「過去には放送済みではあるが情報としてはまだ有効」
→「(放送内容として破棄)古くなった情報」
という具合に、提供する情報のスムーズ化も計画し、それらの工夫点を踏まえ、来春からの毎週放送を目指しているそうです。
現在、映像やWebなど視覚に訴える情報発信が主流となっていますが、「高齢化などで目が不自由になってくるとラジオは結構重要なツールになると考えている」という話にハッとしました。
超高齢化社会へと突入していく中で、いち早く「ラジオ」という媒体に回帰し、「自治会内ラジオ放送」というラジオの新しい形を模索する塙田三区自治会マイクロ放送局の動向にこれからも注目していきたいと思います。
ちなみに、ラジオに関する告知も、下記のブログ、フェイスブック、地域内回覧を利用するとのことです。地域外の方々も自治会が主となった活動の事例として、下記ウェブで情報をチェックしてみて下さい。
【参考URL】
・ブログ「東つよいこよいこ便り」
・Facebook「東ツヨシヨイコ」
・You Tube「東校135」
(記事作成:S 投稿:小倉)
タグ:地域情報局