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全国キャラバン in 栃木 [2008年02月11日(Mon)]

報告者:南部(NPO法人ライフリンク)


 平成20年1月27日、栃木県宇都宮市において、
「自殺対策講演会官民合同シンポジウム」(テーマ:自殺対策・自死遺族支援 私たちにできること)が行われました。

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 まずはじめに、麻生利正栃木県副知事からご挨拶がありました。

 その後、第一部では、「自死遺族メッセージ」として、私、南部が自身の体験談を語らせていただきました。



 自分は、当初は主人の死を「自殺」と言えなかったけれども、まわりのいろんな方々に助けられ、語ることによって回復できたということ、そして、一緒にいる家族と分かち合えたことが大きかったことをお伝えしました。
 さらに、地域の人たちの支え合いがあって遺族は回復できるのではないかということを語りました。

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 第二部では、「栃木県における自殺対策について」〜自殺対策・自死遺族支援〜私たちにできること〜という題で、シンポジウムが行われました。



 コーディネーター、シンポジストは以下の方々でした。

コーディネーター
 中村 好一さん
  (自治医科大学公衆衛生学教室教授・栃木県自殺対策連絡協議会会長)

シンポジスト
 石井 重利さん (社団法人栃木県医師会常任理事)
 伊澤 正之さん (弁護士・栃木県多重債務者対策協議会委員)
 坂本 裕一さん (下野新聞社編集局社会部長)
 大橋 房子さん (社会福祉法人栃木いのちの電話事務局長)
 増茂 尚志さん (栃木県精神福祉センター所長)
 西田 正弘さん (NPO法人ライフリンク)

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 石井さんは、内閣府の大綱に基づきながら、国の取り組みや自殺の現状について説明をされました。特に、「適切な精神科医療を受けられるように、医師同士の連携も必要である」ということを話されました。

 伊澤さんは、青木ヶ原樹海の自殺防止看板設置の活動を紹介され、「多重債務等、経済問題で死ぬことは無い」ということを強調されていました。

 坂本さんは、下野新聞では自殺の特集を組んで報道をしているということを紹介され、「遺族のお話を聞くことは重いものがあるから、これからも考えながら取組んでいきたい」とお話されました。

 大橋さんは、栃木いのちの電話が、この4月から自死遺族支援のわかちあいの会「こもれび」を始めることにしたということをお話されました。(月1回の予定とのこと)

 増茂さんは、精神保健福祉センターとして、まだまだ取り組みはじめていない部分があるが、心の健康の窓口や電話相談の回線を増やすこと、地域の窓口の活性化、ネットワークづくりをやっていきたいということをお話されました。

 西田さんは、やはり遺族支援には地域のネットワークが必要ではないかということを説明されました。

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 最後に、会場からの意見・質問では、
「うつ病の抗うつ剤が、どれも自殺を誘発すると新聞に書かれていましたが、ちゃんと医師が処方すれば大丈夫だということを伝えたい」というご意見があり、
うつ病をわずらっているという男性からは、「どこへ相談していいかわからない、行政に行くと管轄外だと断られたりすることがある」ということが話されました。

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 栃木県におけるキャラバンキーワード(リレーメッセージ)は
寄り添うことの大切さ、寄り添えることの心強さ
  〜誰もが笑顔で暮らせる社会を目指して〜

に決まりました。

 こころの悩み・多重債務問題などに関する専門家による無料相談会も開催されました。

 会場の外では、「遺族語る」のパネル展示もなされ、栃木県でも多くの方々がじっとパネルに見入られていらっしゃいました。