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全国キャラバン in 大分 [2008年03月28日(Fri)]
報告者:森山(NPO法人ライフリンク)


 3月9日(日)、大分県において、「自死遺族支援全国キャラバンin大分」が開催されました。

 ただ今回は、通常のキャラバンシンポジウムと大きく違った点がひとつありました。

 これまで都道府県主催で進められてきた「全国キャラバン」において、はじめて自治体主催ではない、「自死遺族支援全国キャラバン実行委員会」主催のシンポジウムとなったのです。

(ちなみに自治体主催ではないシンポジウムは、他4県だけです。)


◇◇




 会場は、大分駅から徒歩10分ほどで、大分県庁すぐ近くの大分文化会館。
 お城の跡地に建てられているため、お城の雰囲気を残しています。



◇◇


1.「全国キャラバン」趣旨説明

 はじめに、ライフリンクの清水代表から、「全国キャラバン」の趣旨説明が行われました。

 この「全国キャラバン」について、自殺対策基本法の理念を各地に根付かせていくことと、基本法の中でも立ち遅れている自死遺族支援を各地域で進めていくきっかけとしてもらいたい、ということが話されました。

 さらに、これまでの都道府県においては、各自治体が主催してきたけれども、大分では県が主催できないとのことで、残念ながら自主開催となってしまったことが話されました。

◇◇


2.分かち合いの場「自死遺族のつどい」について

 まず、「東京マラソン」の様子が撮影されたDVDが上映されました。

 日本において、1年間で自殺で亡くなる人数は、3万人以上。先日行われた「東京マラソン」に参加された人数と同じです。

 東京マラソンにおいても、ゼッケンを背負っているひとりひとり、それぞれの人生があります。

 映像の中では、道路にびっしり、3万人もの方々が走る姿が長い間、映されていました。

 一言でいえば、「3万人」。けれど、リアルな数として、その映像の中に映る人々の姿はとても強烈に目に焼きつました。



 その後、「自死遺族のつどい」の現場について、DVDが上映されました。

 大分県のお隣、同じ九州地方の「リメンバー福岡 分かち合いのつどい」に参加された方々のつどいの様子です。DVDでは、ご遺族の苦しい胸の内が語られました。

 映像が流された後、清水さんは、
 「皆さんは、5年後、10年後の自分を想像できるでしょうか。同じように、ご遺族の方々も、ほんの何年か前まで、自分がそのような状況になるとは思われていませんでした。皆さん、“まさか”という思いを抱えていらっしゃいます。
 私たちも、同じように、大切な人がいつ同じ状況に置かれるか分かりません。自分のこととしてとらえ、想像力を働かせて、ご遺族とのかかわりを考えてほしいと思います。」
と話されました。

◇◇


3.パネルディスカッション
「自死遺族支援〜いま、私たちにできること〜」



コーディネーター
 清水康之さん(NPO法人ライフリンク代表)

パネリスト
 影山隆之さん(大分県立看護科学大学教授)
 山口和浩さん(NPO法人自死遺族支援ネットワークRe代表)
 藤澤克己さん(NPO法人ライフリンク事務局長)

影山隆之さん(大分県立看護科学大学教授)

 まずはじめに、影山さんは、ご自身が運営にかかわる「自死遺族のつどい」(大分県精神保健福祉センターで開催)について報告されました。

 その中で、遺族同士が語り合う場の必要性と同時に、スタッフの心的なサポートの必要性などを課題に挙げられました。

 さらに、“ご遺族にとって自宅から近すぎる分かち合いのつどいには行きづらい”、との山口さんとの掛け合いの中で、ご遺族から各つどいにお問い合わせがあった際に、近隣のつどいをお互いに紹介し合えるよう、連携を進めていければ、とお話されました。



山口和浩さん(NPO法人自死遺族支援ネットワークRe代表)

 山口さんは、遺族支援の重要性についてお話され、「社会は、ご遺族が特別な人であるというイメージを勝手に作ってしまい、ご遺族が思いを語れない環境も作っている。そのため、社会も勝手な遺族像を押し付けないでほしい。」と話されました。

 さらに、「私もそうでしたが、自分の体験を語る相手は、遺族だけでないです。体験のない人たちに受け入れてもらえた感覚が、生きる力にもなります。」とお話になりました。



藤澤克己さん(NPO法人ライフリンク事務局長)

 藤澤さんは、最後に、清水さんから投げかけられた「藤澤さんが行政との調整・交渉を担ってきたわけですが、大分県はなぜ自主開催となったのでしょうか?」との質問について、「今回のキャラバンについては、大分県とはタイミングがあいませんでした。」とお話しされました。

 「ただ、今回はタイミングが合わなかったとのことでしたが、せっかくのチャンスでもあったので、多少無理をしてでも開催をしてほしかったと思います。そのほうが県民のためになったはずです。」とお話になられました。

◇◇


 会場からはいくつか質問が出され、シンポジウム終了後も、しばらく残られる方々がいらっしゃいました。
 
 「遺族語る」のパネル展示においても、多くの方々がご覧になられていました。



なお、大分県のキャラバンメッセージは、『できることから一歩ずつ』となりました。