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全国キャラバン in 鳥取 [2008年03月21日(Fri)]
報告者:弘中隆之(多重債務による自死をなくす会)


自殺を『語ることのできる社会』へ〜自死遺族支援を考える〜

日時:2008.3.9 13:30〜16:30
場所:鳥取県立県民文化会館第1会議室



◇◇


主催者挨拶

○鳥取県福祉保健部長 田中謙さん

 鳥取県では、自殺者数が交通事故の4倍であります。自殺対策は社会全体で考え、地域で考えていかなくてはなりません。

 50歳台では病苦の次に経済苦による自殺が増えています。そこで、平成17年度より日南町と岩美町をモデル事業の一環として取組んできました。

 鳥取県では、こころの健康管理の必要性から普及啓発しておりますが、自殺に関しては詳しくは判明しておりません。

 これから、実態を明らかにし、掛かりつけ医や産業医とも連携して取り組んでいきたいと思っております。

◇◇


遺族からのメッセージ



○弘中照美

 母親を自殺で亡くした時に、再婚が決まっていましたが、「自分だけが幸せになれない」と半狂乱になった時期もありました。

 一生、誰にも(家族の自殺を)言えないと思って生きてきました。

 けれど、まわりのご遺族の方々と接するにつれて、母の分も幸せにならなければと思えるようになりました。

◇◇


パネルディスカッション

「自殺を『語ることのできる社会』へ〜自死遺族支援を考える〜」



コーディネーター
 原田 豊さん(鳥取県立精神保健福祉センター所長)

パネリスト
 西田 正弘さん(NPO法人ライフリンク)
 川ア 政宏さん
  (NPO法人おかやま犯罪被害者サポート・ファミリーズ代表)
 中込 和幸さん(鳥取大学医学部教授)
 長谷川 照子さん(日南町福祉保健課主任保健師)


○日南町福祉保健課 保健師 長谷川照子さん

 日南町では、3年前よりモデル事業として自殺対策に取組んできました。

 H17年度には60歳代以上の町民の「こころの健康づくり」に関する調査を行い、2975人中2014人から回答を頂き、うつと疑われる67人への訪問を致しました。うつの講演会や自治会ごとにうつの学習会を実施、手作りパンフレットも作成しました。

 H18年度には、「ほっと安心日南町こころの健康づくりネットワーク」の立ち上げを行い、H19年度には「うつ」の紙芝居やショッピングセンター前で、自殺予防キャンペーンの一環としてチラシを配布しました。



○鳥取大学医学部教授 中込和幸さん

 うつの方は受診することを決断されるまでに相当期間時間がかかり、すぐに受診して戴くのが難しいのが現状です。うつ状態で受診したのはわずかに4人に1人です。

 中高年の方が多く、うつに関しては女性が多いのが現状です。

 4000人にうつの調査をしたところ、うつの方は12.3%でそのうち受診されたのは24%でした。

 何故受診しないのか主な理由を聞きますと「行く必要を感じない」「医療機関への不信感」「周囲に知られたくない」という回答でした。

 うつについて、受診の判断は誰がしたかとの問いに「自分で判断した・91%」「家族、知人に相談・13%」との結果でした。

 周囲が気付いて声をかけることが重要です。現実的に辛いこととうつ病とが重なることは珍しいことではないです。やはりうつに対する偏見があり、それを除去するために普及啓発をすることが必要です。



○NPO法人おかやま犯罪被害者サポート・ファミリーズ理事長
 川崎政宏さん


 地域の中でご遺族が孤立しています。気持ちを語れる場所がない。当事者でないと分かち合えないことも含めて、知ること理解することが支援につながります。

 現場の近い3つの県民局のうち、備前・美作県民局と事業を取組むことになりました。行政とともに何ができるか、共に考えることが重要です。

 2007年4月から「大切なひとを亡くした方のための電話相談」を開始しました。また、自死遺族の分かち合いを昨年の8月から実施しています。保健所の「こころの健康相談」とどうつながるかが、今後の課題です。



○NPO法人ライフリンク 西田正弘さん

 100人の自死遺族がいれば、100とおりの課題がある。支援をする側にも気をつけなければならないことと思います。

 鳥取県では、3月22日にご遺族の方への分かち合いの第1歩として学習会を開催されるとのこと、大変喜ばしいことと思います。



○鳥取県立精神保健福祉センター所長 原田豊さん

 これから、4人のパネリストの方々と会場の方々との質疑応答を行いたいと思います。
 自殺対策基本法には、遺族支援も条文に盛り込まれており、十分に活用することが重要。遺族支援にはまず相談窓口の設置から取り組みたいと思います。

◇◇

 会場から御質問をお受けします。

会場:
 障害者ですが、働きたくとも、働くところが見つからない。一様に障害者だと敬遠される。障害者の窮状を理解してほしい。

原田さん:
 障害者支援も県としても取組んでいるので、ご相談にきてください。


会場:
 3月22日に遺族の学習会が開催されるが、知人に自死遺族であろうと思われる方がいて何とかして知らせたいがどうしたらいいでしょうか。

西田さん:
 当事者であるご本人がこのような学習会を県が行っていることを県が広報されると思いますので、直接知らせるようなことは控えられたほうがいいと思います。
 たとえ3月22日に間に合わなくても次回でもいいと思います。


会場:
 自殺者のうち女性の自殺者について、男女の要因の違いは?

中込さん:
 男は外でストレスを感じ、女性は家庭を守るものとの社会的通念があると思います。愚痴も言わない女性が多いのではないでしょうか。


会場:
 
老人の自殺は一人暮らしの方より、3世帯同居のご老人が多い。

中込さん:
 ご自身の役割がなくなって家族に申し訳がないと思われたり、病苦による家族への負担から自殺されるケースが多いです。



川アさん:
 身近な人が自殺された場合、遺児は取り残されています。
 未成年後見人になったりしているが、小さい子供は声をあげられない。長い間封印している。学校の関係者が子供たちの気持ちを理解することが重要。
 遺児の低年齢化が進んでいる。学校の先生は必ず「おはよう」と声をかけて目をかけてほしい。



原田さん:
 無料相談窓口の設置が必要だと思っています。体調が変わったら、相談にくるタイミングが重要です。学校とか地域を基点として直接出向いていくような取組が必要だと痛感します。

 このようなボールを投げて戴いて感謝します。
 やっとみなさまとご一緒に考えられるときがきました。ありがとうございました。

◇◇




 なお、鳥取県でのキャラバン・キーワードは、「孤立を防ぐ、安心して語れる町づくり」(長谷川さんより)となりました。