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全国キャラバン in 高知 [2008年03月12日(Wed)]
報告者:弘中隆之(多重債務による自死をなくす会)


「自死遺族支援を考えるシンポジウム」
自死遺族支援全国キャラバンIN高知 報告


登壇者(敬称略)
○自死遺族 弘中照美
○高知県健康福祉部 副部長 元吉喜志男
○高知県四万十町保健師 小野川恵利
○自殺予防総合センター自殺対策支援研究室長 川野健治
○自死遺族支援ネットワークRe 山口和浩

◇◇


 2月17日(日)、高知県主催の「自死遺族支援を考えるシンポジウム」が開催されました。



◇◇


○ 主催者挨拶

 まず、高知県健康福祉部部長の畠中伸介さんが挨拶をされました。



 高知県では、自殺者数が交通事故死者数の1.4倍である。四万十町で県のモデル事業を取組んでいる。自殺予防対策は平成17年度から取組んできたが、自死遺族支援に関してはまだ取組みがなされていないので、今日のシンポジウムから学んで取り組みをしていきたい。

◇◇


○ 遺族の体験報告 弘中照美



 遺族は語れないということを身をもって実感した。こちらが話したことにより、遺族の方からも実は・・・と語られることがある。自ら語ることが出来ない。
 私はよく人から明るいですねと言われるが、笑っていないと保てない自分がいてる。
 いつもこころの中に小さな母いて、私が悲しむと母も悲しんでいるように思う。
 遺族支援で考えないといけないのは、遺族も生活をしているということ、法的トラブルであったり、生活再建に向けての支援(相談)が分かち合いにも必要であると感じている。



○ 各シンポジストの報告





1.県健康福祉部副部長 元吉喜志男さん
 高知県では、働き盛りの男性40〜50歳台の自殺が多い。50歳台で全体の25%、40〜50歳台となると全体の4割を越す。
 10万人に換算すると平成8年代では10人台であったのが、平成18年には20人台に膨らみ、平成18年度は全国で11位である。
 動機別では、男性では病苦が1番だが、経済苦が急増、ほぼ同じくらいになっている。
 女性は圧倒的に病苦であり、全体を見ても地域により差がある。



2.四万十町保健師 小野川恵利さん
 四万十町は県のモデル事業として、平成18年度から自殺予防対策に取組んでいる。
 普及啓発に努め、意識調査や相談体制つくり、関係機関連絡会を対策の根幹として取組んでいる。学校で普及啓発の依頼をしたところ、保護者に自死遺族がおられるので、啓発が困難であると言われた。身近な問題として改めて感じた。



3.自殺予防総合センター自殺対策支援研究室長 川野健治さん 
 よく自殺予防対策を論ずるとき、事前対応→危機介入→事後対応と言われるが、寧ろ逆であると考える。事後対応から最初に取組むべきである。
 悲しみをゆっくりと悲しめる場合と、悲しみという作業を位置づけられない人がいる。
 専門的なシェアが必要な人、支援が必要な人は自分から遺族とは言えない。伝えることが出来ない。日本には全国に40弱くらいの自死遺族支援団体があるが、アメリカでは400以上の団体がある。日本は態勢が整っていない。
 アンケート調査について、情報がきちんと届くこと、安心して悲しめること、必要な専門的支援を受けられることが重要。5人にひとりの割合でアンケート調査を拒否されている。
分かち合いについて、スタッフは寄り添うことでお互いに並ぶ関係にあること。
向かい合う関係になるのは危険である。
 二次的被害にならないように「見つめる力」「間をおく力」が大事。(並ぶ関係の中でお互いの力を借りる)
 また自死遺族支援のガイドラインも検討中である。例えば、勝手な自死遺族像を押し付けない。ひとりひとり違う。



4.長崎県自死遺族支援ネットワークRe 山口和浩さん
 自殺への偏見から不安や不眠など、社会の圧倒的な圧力で語れない雰囲気がある。それぞれの体験と向き合うことで次につなげていく→決してキズのなめ合いではない。
 遺族支援は心理的支援と生活支援が重要である。私たちに出来ること、「何ができるのか」「一緒に考える」「分りたい。でも分らない」



○ シンポジウム討論

 元吉:現場の声を大切にしていきたいが、分かち合いにしてもどのような場をつくっていけばいいか、色々なケースを考え、共有する大切さを第一にご遺族のご意見を尊重していきたい。自殺予防に関しては情報として、病院や警察とも連携していく。年代別での対策を講じていく。事後的な部分の大切さを活かし次の段階に進みたい。

 小野川:啓発の大切さを感じた。今までは心の整理にとらわれすぎていたと思う。生活のことなど考えていなかった。

 会場発言:今日は参加してよかったと思う。地域の中で取り組みたい。死ぬということを遺族が受け入れることに変わりがない。とうしても二の足を踏んでしまう。死を受け入れるということはどういうことなのかを地域で考えていきたい。山口さんに質問、どうやって乗り越えられたのか、教えてほしい。

 山口:どうやって乗り越えてきたかという質問ですが、「乗り越えていません」と答えている。父が自殺した事実は変えられない。今でもその当時の気持ちは変わっていない。しかし、365日苦しんでいるのかというと、決してそうではない。同じ体験をもつ人たちと共有できたことが有りがたかった。もの作業の場の提供が大事である。

 会場発言:中学生の子供ですが、全く意欲がありません。小学生のときに飛び降り自殺を見た経験をもつ。カウンセリングが必要。父親がプロパンガスで自殺未遂を起し、次に排ガスで自殺した。子供への配慮が回りにない(PTSDなど)。癒しが出来て普通の生活ができる家族が大事である。

 会場発言:自死遺族ですが、主人が自殺しました。子供が4人いて長男が小学校高学年(今は中学3年生)のときに第一発見者となりました。そのショックが大きかった。どうしていいか分らなかった。子供のことを話せる先生がいれば有りがいのだが・・・。あしなが育英会で話せることが嬉しかった。今日聞いた中で、色んな支援がある中、生活支援(金銭的な支援)を検討してほしい。四国には自死遺族の会がない。

 川野:取組みについて。高知県はこれだけの参加者があったことを大事にしてほしい。対話をすることの大切さ、ひとりひとりの声を大切に、苦しんでいる方々は専門家に支援依頼をしなくてはならないので、相談体制を整えることが急務。

 山口:県として、うつだけに特化して取組むのは偏りがちになる。うつになる前の取組みが必要。地域として安心して話せる場所を県が提供することも大事である。
 自殺者を減らす、支援するだけでなく、自殺対策は生きる支援であるということを認識してほしい。

 元吉:当事者の方にお越し戴いたことは有りがたく思っている。今まで高知県はこのテーマでシンポジウムも取組みもしてこなかった。今日がスタートであると思っている。

 山ア:今日の高知県でのシンポジウムのキーワードを「あなたと語りたい。あなたの隣にいるよ。」としたいと思います。ありがとうございました。