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全国キャラバン in 滋賀 [2007年10月24日(Wed)]
報告者:事務局長 藤澤(ライフリンク)


 10月8日(月・祝)、3連休の最終日に、滋賀県の「全国キャラバン」シンポジウムが長浜文化芸術会館大ホールにて開催されました。

 小雨降る中、「いのちの尊さを考えるシンポジウム 〜地域ぐるみで自殺を予防するために〜 」と題したシンポジウムに、約250名の方が詰め掛けました。

◇◇

 開会に先立ち、北沢繁和氏(滋賀県湖北地域振興局長)が挨拶をされました。



 多くの自殺が個人の自由意志ではなく追い詰められた末の死であるということ、社会の適切な介入によって多くの自殺は防ぐことができるということを押さえた上で、行政として県民のみなさんと一緒に自殺対策に取り組んでいきたいとの意思表明をされました。

◇◇

 第一部は清水新二氏(奈良女子大教授)による「自殺の社会的要因をさぐる」と題した基調講演でした。



 自殺問題は他人事ではないということを、データを使って分かりやすく示してくださいました。

 自殺問題に関する基本的な見方として、「決して個人的問題ではなく社会の問題である」「自殺は決して単一の理由で発生するのではない」「最後まで生と死の境を揺れ動いている」と教えてくださいました。

 また、自死遺族の置かれた状況を分かりやすく図示して下さり、「語りたいが語れない」苦しみや怒りのやり場のないことを指摘されました。これまで、自殺者の親族等の苦しみや怒りについて、個人的に問題解決をするようにと社会が放置してきたことのつけが明らかだと。

◇◇

 第二部は「地域ぐるみでいのちの大切さを考える」と題したパネルディスカッション。コーディネーターは基調講演をされた清水新二氏、そこに4名のシンポジストが加わりました。



 まず、シンポジスト4名がそれぞれの立場から発表をされました。

 西原由記子氏(国際ビフレンダーズ東京自殺防止センター・創設者)からは、自殺念慮者に対する電話相談を中心とした活動の紹介がありました。必要に応じて面談、場合によっては危機介入まで行っており、そこまでして初めて自殺念慮者に対する支援になるとのことでした。
また、かつて子どもの自殺が群発したとき、遺された親たちから相談を受け、安心してその辛い思いを語れる「場」が必要と感じ、「エバーグリーンの集い」という遺族の分かち合い活動を始めたそうです。最近では、ご遺族の中から、ボランティア志望をする方が出てきて、それが宝物、励まされていると語ってくれました。

 続いて、尾角光美さんが自死遺族としての体験を語ってくれました。
その冒頭、来場者に対して『どうして死なないで生きているんだろう』ということを念頭に置いて私の話を聞いてもらいたい、との投げかけがありました。
お母様が4年前に自殺で亡くなったそうです。いろいろな理由があって、尾角さんが子どものころからお母様は死にたいと口に出して言っていたそうです。お母さんの生きる理由になっていない自分に無力感を覚え、もう危ういとわかっていても防げなかったと自分を責めたそうです。死にたいと言い続ける家族と一緒に暮らすことの辛さを語ってくれました。一時期、お母さんと同じ亡くなり方をしたいという思いに駆られたこともあったそうですが、なんとか乗り越えられたと今は思っているそうです。よく人から、どうやったら乗り越えられるのと聞かれるけど、そんな単純なことではないと断言されました。強いて言えば、誰か、分かってくれる人と、絶えず繋がってこれたことだ、とのことです。

 3番目に、多重債務による自死をなくす会・代表理事の弘中照美氏がお話をしてくれました。
ご自身のこと、自殺で亡くなったお母様のこともお話しくださいました。
お母様を助けられなかったという思いもあって悲しみは消えないけれど、幸い周りには支援者がいて、「多重債務による自死をなくす会」を立ち上げることになったと教えてくださいました。
ホットライン相談の活動で、中高年男性が「家族にも会社にも言えない」といって電話口で号泣された経験など、辛い気持ちを言うことのできる「場」を提供できていると実感しているそうです。

 辻本 哲士氏(滋賀県立精神保健福祉センター次長)は、「あくまでも教科書的な病気の面からの説明」と前置きをした上で、データを使って、うつ病の実態を説明くださいました。

◇◇

 シンポジウムの締めくくりとして、地元滋賀県において、自死遺族の分かち合いのつどい「凪(なぎ)の会」が発足することが紹介されました。



 この日を迎えるまでの数ヶ月の準備期間をサポートしてきた「こころのカフェきょうと」代表の石倉紘子さんが、凪の会のスタッフのみなさんに、エールを送る意味で花束を贈られました

 こうやって、助け合い、支えあう関係が広がっていくことが、「生き心地の良い社会」に繋がっていくと思います。

 凪の会のみなさんの今後のご活躍を願っております。

 なお、滋賀でのキャラバンメッセージは、
知ること、伝えること、つながり続けること〜できることから連携を〜
となりました。