CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«全国キャラバン in 和歌山 | Main | 全国キャラバン in 広島市»
全国キャラバン in 福島 [2007年10月09日(Tue)]
報告者:大谷(ライフリンク)


 9月29日(土)、福島駅前にある「こむこむ館」わいわいホールにおいて、「自死遺児支援を考えるシンポジウム 遺された子どものこころの声から〜いま、私たちにできること〜」が開催されました。秋を感じさせる涼しい日でした。
 約300名入るホールは、ほぼ満員になりました。



 はじめにれんげの会会長の金子久美子さん、
続いて内堀雅雄福島県副知事によるあいさつがありました。

 会は2部構成で、第1部が講演、第2部がシンポジウムでした。

◇◇


 第1部の講演では、「自死遺族との出会い」というテーマでライフリンクの清水康之代表が登壇しました。



 清水代表が話したのは、NHKのディレクター時代にあしなが育英会から発行された『自殺って言えない』という小冊子を読み自死遺児と出会うまでのこと。彼らとの信頼関係を築いて取材に至るまでのこと。番組づくりにあたって自死遺児が顔も名前も出して出演するに至るまでのこと。そして数年の年月を経てNHKを退職、ライフリンクを設立し今日至るまでのこと。約1時間にわたる講演に聴衆は引き込まれて耳を傾けていました。

◇◇


 第2部のシンポジウムのテーマは「今、遺された子どもたちを支えるために」。

 はじめに、お母様を自死で亡くされた尾角光美さんが自らの体験を話されました。一番つらい時に支えになったのは、何か特別なことというわけではなく、ただ一緒にごはんを食べてくれる人がいてくれたこと。そういう人との継続的なつながりが明日を生きる力になるというメッセージが尾角さんの飾らない語り口を通して聴衆に届けられました。自死遺族はその経験について、乗り越えるとか立ち直るということではなく、それと共に生きていくもの、という言葉も心に残りました。

 続いて、郡山メンタルサポート代表でありスクールカウンセラーでもある成井香苗さんが臨床心理士の立場から遺児の心のケアについて話されました。はじめに成井さんが、ご遺族の実体験のお話の後で心理学的な理論の話はしづらいのですが、臨床心理士の立場からお話させていただきます、という前置きをされた心遣いが心に残りました。自死遺児が死を受け入れ悲嘆を収めるまでのプロセスについての説明の後、自死遺児に対して私たちができることは、よい聞き役になって寄り添うことです、という話をされました。

 次に、ライフリンクの副代表でもある、あしなが育英会の西田正弘さんが自死遺児支援に携わってこられた経験から話をされました。自死は社会的に追い詰められた末の死であり、今の日本は3万人の自死者を出さないと新しい年を明けることができない、という問題提起がありました。また、あしながレインボーハウスの取組みのDVDも放映され、実際の遺児のケア活動が紹介されました。

 以上、3名のパネリストの話を受けて、コメンテーターの熊倉徹雄さんが精神科医の臨床現場で時折見られる遺族の怒りのコントロールの難しさやそれゆえに家族同士でもなかなか分かり合えない状況のお話と自殺対策大綱や福島県の行動計画案の紹介をされました。

 コーディネータの玄永牧子さんからは、「身近にいる人とのつながりを確認してみませんか。」という呼びかけがありました。
 「よく見渡してみると私たちには寄り添う人がいること、そして、私自身も寄り添う人になりうることに気づくかもしれません。その気づきこそが誰もが生きやすい、居心地の良い社会なのではないでしょうか。」との締めの言葉が、今回のシンポジウムの大きなメッセージとなりました。

◇◇


 コーディネーターの玄永牧子さんがまとめにも使われた「寄り添うこころ」と言う言葉が、福島でのキャラバンキーワードとなりました。