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GEW2010京都セッション:アジアンアントレプレナーシップ [2010年11月19日(Fri)]
『バーチャル・カンパニートレードフェア』10周年を記念し、Global Entrepreneurship Week 2010 Kyoto Sessionとして3日間連続の活動を実施することになりましたが、本日はその初日。

午前中は、共催者の京都大学経営管理大学院の院長の小林潔司先生の開会スピーチ  「アントレプレナーシップ Kyoto Style」から始まり、基調講演として、福田金属箔粉工業株式会社の代表取締役社長 林泰彦様に、「伝統と革新〜繰り返される未来への挑戦〜」 と題してお話いただきました。
林社長は、創業310年続いた企業の初めての親族以外の社長。箔と粉にこだわり”すきま”の付加価値商品で勝負し続けた老舗企業の成功の秘訣とイノベーションについてのお話はとても興味深いものでした。

 
左:林泰彦氏  右:曽山哲人氏

午後からは、日本のITベンチャーを代表する株式会社サイバーエージェント 取締役人事本部長の曽山哲人様に「イノベーションを生む次世代の組織づくり」と題して、新しい企業の人材育成や常にイノベーションが生まれる仕組についてお伺いしました。
曽山氏は、上智の英文学科のご卒業だけあって、流暢な英語でお話いただきました。その上、とても明るく元気な方で、ボランティアスタッフ達にも丁寧に対応してくださる姿勢には、さすが!という印象。

その後、アジア諸国から来日している起業家を交えてのパネルディスカッション。モデレーターに京都大学経営管理大学院 准教授の曳野孝 先生。
パネリストは京都を代表するベンチャーキャピタルであるフューチャーベンチャーキャピタル株式会社 代表取締役社長の川分陽二様。アジアからは、タイのFlexoresearch Groupの代表取締役サンチャイパイジット氏と台湾のNew Deantronics 社長のリウ フエイジェン氏。


さすがアジアの起業家たち。明るい! 曳野先生から事業の成功に必要なものと聞かれ、3人とも”PASSIOH”との答え。また、起業の際のハードルについては、川分氏とパイジット氏は"奥さんの反対”、リウ氏はお父様の反対にあったとのことでしたが、三人とも、それにはおかまいなしに創業。
リウ氏はお母様や叔父さんがお金を貸して助けてくれ、当時のマーケティングの結果、チャンスがあると判断した医療機器の販売会社で成功を収め、創業して25年たつ今まで無借金経営で現在従業員は500人以上。すごい女性です。
印象的だったのは、彼女が創業するときに、顧客を開拓するにあたり知り合いの方に”君にはどんな強みがあるか”と聞かれた時に、”自分はあらゆることで今の同業者と同等の質のものが提供できる。しかし、自分には機会(opportunity)がない。その機会を与えて欲しい。”と言ったことで、その人が”それなら君にチャンスを与えよう”と顧客になってくれ、そこで信用を築いたことが、その後につながったとのお話。

サンチャイ氏はThe World Economic Forum's 2010でThirty-One Visionary Companies Selected as Technology Pioneers 2011の一つに選ばれた会社でもあり、TIMEマガジンにもその活躍が記事で紹介去れた方。

 
左:パネリスト  右:原田

パネルを聞いていると、どこの国も起業に際しては、同じような問題を抱えていることがわかったし、真面目にまともなことをしっかりやっていれば自ずと道が開けるように感じた。
また、長く続く企業は外からの新しい風をいれる工夫をし、ベンチャー企業は人が定着する家族的経営を行なう工夫をしている。

新旧や国を超えて、互いに学べることが多いにあることを感じた1日だった。

残念ながら、モンゴルのエンクバアタール ドルジ氏は、出国手続きうまくいかず飛行機にのれずに参加してもらえなかったが、このことで、モンゴルには国民登録という手続きがあって、その登録カードを提携していないと出国できないということを知りました。


by 原田紀久子
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