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発表会@北宇治中学校 [2010年07月16日(Fri)]
本日午前中は、京都府「きょうと介護・福祉ジョブネット仕事理解促進-次世代の担い手育成事業」 に参加している宇治市北宇治中学校の3年生の発表会。

梅雨がすぎ、真夏のうだるような暑さのなか、3年生全員が体育館に集まり、施設の方など関係者を招いて開催。この事業に取り組んだ5組の6チームの生徒達主体となって司会を務め、職場体験した事業者や働く人の紹介・福祉施設の課題やもっとよくなるための提案などについて発表し、施設の方から意見を頂戴した。終わるころには、皆、汗だく!

そんななか、本当に多くの関係者の方がお越しくださった。地域の子どもは、やはり地域で育てなければと、皆さん思ってくださっているようだ。
あとは、そのためにどれだけトップがリーダーシップを発揮し、学校を開かれた存在にするかだけである。子どもに機会を与えるかどうかは、大人次第なのだ。

    

    発表する生徒(左)  コメントをいただいた社会福祉法人山城福祉会の理事松井様(右)


ところで、宇治市ではすべての中学校で3年生が福祉施設で1日職場体験をしている。通常は、マナーなど簡単な学習をしてから施設に挨拶に行き、1日施設でお手伝いし、あとは感想文を書いて終わる。
今回の事業では、福祉の現状や既存の課題などについて学習したり、講師の人の話を聞いたり、職場体験に行く前に施設について事前調査したりして、事前学習を充実させた。また、お手伝いする際に働く人の工夫について見ておくことなど、体験学習するうえで目的意識を持ってもらうように心がけた。
体験学習といってもたった一日なのであっという間に終わるが、それでも現場に行って利用者の方とじかに接することは大きな意味がある。体験したことを振り替えり、まとめることで、学んだことを共有化して、定着させることができる。また、人前での発表は繰り返すごとにうまくなる。トレーニングが重要だ。

ただ、こういう授業をするときに克服すべき課題も多い。必要な情報をネットで検索したりパワーポイントに写真をはりつけるなどの作業は、生徒は教えればあっという間にこなすが、テンポよく指導しなければ、繰り返し同じことに時間をかけて実施するようでは、飽きるのもはやい。時間が限られているなか、学習意欲やスキルにも差がある生徒に、ある程度の成果を出させるには、教員側の十分な準備と指導力が欠かせない。また、繰り返し、いろんな教科で実践させなければ意味がない。

しかし、日本の学校教育の情報化への対応は、現実社会からははるかに遅れていて、PC教室だけでは今回のような学習は全クラス一斉に、また、あらゆる教科でとはなかなかいかない。また、教員全員が情報機器を上手に使いこなせるわけではに。中には生徒のほうがうまかったりする。
今後、日本もこういうことに投資しなければ、次世代を担う若者など育つはずがないのだが。

by 原田紀久子
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