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地域と共に生きる京の老舗企業 [2010年07月25日(Sun)]
ウエダ本社が主催されている京都流議定書の最終日。
岡村社長からご依頼を受けて、当センターでコーディネイトさせていただいた『地域と共に生きる京の老舗企業〜CSRは将来の利益を生み出す投資〜』のセッションが終了。

パネリストは以下の3名の方。
・小堀進様(株式会社小堀 専務取締役)
・津田純一様(株式会社井筒八つ橋本舗 代表取締役社長)
・長屋博久様(有限会社村田堂 取締役)




(株)小堀は1775年(安永4年)創業、(株)井筒八つ橋本舗は1805年(文化2年)創業、(有)村田堂 は1889年(明治22年)創業と、いずれの企業も、100年以上続く京都を代表する老舗企業様。

今日は、皆さまが実施されている社会貢献事業についてご紹介いただき、本業との関連や事業継続の秘訣などについてお話いただいた。
小堀様は、近隣の小学校に金箔はりの体験学習や使った和蝋燭をカンボジアに寄付されている。津田様は、授産施設への箱折の仕事の委託、町家づくりファンドへの寄付金のついたお菓子の販売、学校教育の支援など、実に幅広くやっておられる。最年少の長屋様も、服育や制服のリサイクル、環境学習などを行なっておられる。

慣れないモデレイターで、皆さまにはご迷惑おかけしたが、パネリストの方々に助けていただいて、なんとか無事行なうことができた。

特に、津田様には、私がこの事業を始めた時からご支援していただいており、お世話になりっぱなしだけれども、何度お会いしても、その気さくで暖かいお心に触れて、感動する。

今日も、”はっと”するようなお言葉をたくさん頂戴した。特に、

「『伝統は革新の連続』とよく言われるが、『守るべきこと』と『変わるべきこと』を理解して、家業を行なうというのは、言葉で言うほど簡単なものでない。
私が、次の世代に引き継ぐべきことは、企業理念、商品の品質、企業の存在意義。しかし、それが何を意味するかということを理解するまで、本当に長くかかった。

私は還暦を迎え、本当は次の代にいかに引き継ぐかということを考える時期であり、回りの経営コンサルタントなどもみな事業承継の問題について、早く考えるべきだという。しかし、次どころか、私自身、未だに父から事業を引き継いではいない。

私自身、若い頃は早く株式をゆずりうけて経営者としての決定権を欲しいと思ったことがある。しかし、それは単に物的なことで、経営者として本当に重要なものではない。

6代目の父が87才になっても毎朝出社し、未だに働き、常に社員がどうしているか?と気にかける。その情熱の中にこそ、本当に引き継ぐべき伝統や企業の存在意義があると思っている。」

とのコメント。「利益より永続」という家訓に含まれている哲学は深い。
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