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きょうの福祉


「障がい者というコトバを
    使わなくて済む社会になればいいなぁ」

 障がいのあるひとが、
 地域で役割を担い、ふつうに生きる。。。
 この願いに向かう kyokyo の日々をつづります。



「今出来ること」という一人ひとりの小さな道が一緒になって大きな道へ
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芸術の正体  [2018年12月18日(Tue)]

今年6月、
「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」が
公布、施行されました。

『 障害者文化芸術活動推進法 』と呼ばれるもので
この法律の基本理念は、
文化芸術活動の促進、
芸術性の高い作品の創造に対する 支援強化、
地域での 作品発表の促進、が
掲げられています。

その上で、国に対して、
障がいのあるひとたちの芸術活動を推進する
基本計画を策定するように
義務付けたのもの となっています。


このような法律が出来たということは、
何だか
障がいのあるひとの芸術活動が
分けられ
特別視されて、
ひとりのひと として
芸術活動を行うことを
拒まれているかのように思えました。

それに、
そもそも、芸術に
障がいの有無を 持ちだし、
作品や作者に
障がいという「 冠 」を付けることに
疑問をもつひとが
どれだけいるかを知らないひとが
このような 法律をつくったのだ、とも。

「 文化芸術活動を通じた
障がい者の個性と能力の発揮
及び 社会参加の促進を図ることを目的 」
と 言われても、
東京パラリンピックに向けての
付け焼き刃的な取り組みでしょう、と
思ったり。

ちょっと、ひねくれすぎでしょうか。

でも、
障がいのあるひとが
福祉施設や学校で
芸術を想像するための環境整備も
盛り込まれた
この法律の内容を知り、
こう思うのです。

「 障がいのあるひとのなかには
芸術に 興味のないひともいるし、
芸術活動を していないひとの方が多いのに、
好きでもないことを
“ 強制 ” されることにならないか 」と。

障がいのないと呼ばれるひとのなかにも
芸術に興味のないひとがいるのと同じなのに。

「 絵は 描かないの?
なぜ、芸術活動をやっていないの?」と
面と向かって聞かれて
複雑な気持ちになる
障がいのあるひとや その家族が
実際に 多くいて
その度に 困惑していることを知ってください。

障がいのあるひとのなかには
芸術活動を
好まないひとも 相当数いるのです。



『 障害者文化芸術活動推進法 』は
障がいのあるひとの
権利に寄り添ったものではありません。

それよりも、
一部の学芸員さんが言っている
「 “ 障がい者アート ” などと言わず、
どんどん 一般の公募展に応募すればいい 」
という意見に 同感です。

ある学芸員さんに
「 前衛芸術のひとたちが
障がいのあるひとの作品を恐れている 」と聞き、
より一層 こう思いました。

「 芸術に “ 障がい ” という冠はいらない。
芸術とは 本来 “ そういうもの ” じゃないですか」。







*文化庁
『 障害者文化芸術活動推進法 』施行について
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/shokan_horei/geijutsu_bunka/shogaisha_bunkageijutsu/1406260.html











意識調査  [2018年12月13日(Thu)]

このブログの場を提供してくださっている
日本財団さんが、
18歳の若者を対象にした
インターネットアンケート調査を
実施されています。


今年10月から来年3月まで
毎月2回の調査を行い、
17歳から19歳の男女800人から
回答を得る形を取っておられ、
来年4月以降も、
18歳の意識を 多角的な観点から
追跡調査もされるそうです。

毎回、さまざまな切り口から
テーマを設定して、調査し、
その結果も 随時発信されています。

第1回『18歳成人 』に はじまり、
第2回『 新聞 』、
第3回『 恋愛・結婚感 』、
第4回『 働く 』というテーマが続き、
そして、
第5回は『 障害 』についての調査でした。


第5回『 障害 』で、
印象に残った調査結果を。

障害のあるひとを
手助けした経験があるひとは 約46%、
反対にないひとは 約54% で、
手助けした理由には
「手助けするのは当たり前だと思う」が
約48%。
「困っているときはお互い様だと思う」が
約35%、
「身近に障がいのあるひとがいて
大変さを知っている」が約21%、
そして、
手助けをしなかったの理由としては
「どう手助けしたらよいか分からなかった」が
約35%で最多で、続いて
「その必要がないと思った」が
約24%という数に、
驚きとともに 落胆しました。


障がいのあるひとの雇用については、
障害者雇用率が
法律で定められていることを
半数のひとは
知っていましたが、
障がいのあるひとの数や
障がいのあるひとの実雇用率を
知らないひとは
8割を超えていました。

そして、今年8月に発覚した
中央省庁の障害者雇用率水増し問題も
知っていたひとは 3割で、
「あってはならない」と
批判的に捉えているひとは
半数以下でした。

法定雇用率と聞いて
「障害者雇用の機会が十分確保されている」が
約10%で、その理由として
「障害を持っている人の中で働ける人は限られる」
「多すぎると、障害を持っていない人の雇用が
減ってしまう」、
「サポートする周りの人が大変になる」
といった意見が 上がっていました。

「障害者雇用の機会が十分ではない」と
思うひとの中には、
「障がいのない人と同様に雇用機会を与えられるべき」
「環境を整えて、障がいのある人の働く選択肢を
増やすべき」 などの意見も 多くありましたが、
「自分の身の回りで
働いている障がい者を見かけない」 など
障害者雇用が少ない と
実感しているひとが多いことも
結果に表れています。


自治体による障害者雇用率の水増しについては、
「水増し報告を知っていた」は 約31%、
「知らなかった」は 約69%、
「水増しはあってはならない」は 約45%、
「やむを得ない」は 約12%でした。

「水増しはあってはならない」理由としては
法を定める立場の国や自治体が
事実を隠蔽していたことに対する憤りが多く、
水増しされたことによって
障害者雇用が少なくなることへの危惧や、
雇えないなら 相応の理由を説明すべき、
水準を超えていなかったとしても
真実を伝えてほしい、
水増しするに至った原因を
追究した方がよい、といった
大人への不信感を訴える意見もありました。



『 障害 』についての
17歳から19歳のひとを
限定した調査から、
皆さんは 何が見えますか、何を感じますか。

世論調査は、通常
幅広い年齢層を対象に行われ、
特定の年齢に絞った意識調査は珍しいですが、
このように
年齢枠を限定することで、
今まで見えなかった
意識が見え、
思いを受け取ることができました。
そして、そこには
世論との開きを
身をもって感じることができました。


18歳。
選挙権が すでに引き下げられ、
4年後には
民法の成人年齢になるひとたち。

分岐点ではなく
通過点であり 成長点でもあり
飛躍点でもある
多感なひとたちに、
わたしたち大人は
何を示せているだろう
何を伝えられているだろう と
考える時間にも なりました。






*日本財団公式ウェブサイト
日本財団「18歳意識調査」
https://www.nippon-foundation.or.jp/














放課後の過ごし方 2 [2018年12月08日(Sat)]

今年7月に
障がいのある子たちの
放課後の過ごし方 について 記しました。

障がいのある子が
健常と呼ばれる子たちと一緒に
放課後に過ごす場としてある 学童保育。

そこでは、
勉強を教え合ったりということ以上に、
さまざまな子同士の “ ちがい ” を認め
互いに 補いながら生きる という、
障がいのある子にとっても
健常を呼ばれる子にとっても
何物にも代えがたい経験が
たくさん詰まった場 でもあります。

とくに、障がいのある子たちが
社会へ出る前に身につけたいことが、
“ 学童保育で 過ごす日常 ” に
たくさん詰まっている と、
実体験者のひとりとして 言えます。


障がいのある子が
学童保育へ通いたいのであれば、
その子に必要な “ 支援を付ける(加配)”ことで
地域の学童保育を
利用することは可能ですが、
さまざまな理由・事情から
放課後デイサービスを利用する
障がいのある子が
年々 増加の一途をたどっています。

中には、家族の就業形態などによって
学童保育は利用しづらく、
やむなく 放課後デイサービスを利用している
というひとも いらっしゃると思います。

学齢期は、それでいいかもしれません。
でも、その子たちが 大人になったときの
家族の在りよう
その子の暮らしを考えてみて、
放課後デイサービスが
利用できなくなった後の生活を
想像してほしいのです。 


放課後デイサービスを利用していた時間を
学齢期を終えたその子は、
どのように 過ごすのでしょうか。

福祉の財政も人材も、
これからの時代は
必ずしも 潤沢ではないことは
目に見えています。

学校を卒業後、
その子は 何をして過ごすのでしょうか。

そのような時に思うのが、
障がいのある子も
楽しめるコトを見つける ということです。

友人を見つけることと同じくらい
大切なことで、これは
障がいのあるなしにかかわらず
言えることだと思うのです。

その “ 楽しめるコト ” は、
趣味と呼ばれるそれと
同じようなこと かもしれないし、
趣味と呼ばれるそれとは
ちがったこと かもしれません。

“ 楽しめるコト ” は
絵を描くことや 書をたしなむこと
で、なくてもいいのです。
ひとりで
音楽に合わせて踊ることだったり、
ひとりで
ソファに横たわりながら
テレビを観ることだったり でも。

では、その “ 楽しめるコト ” というのは
どのようにして
見つけるのでしょうか。
どれくらいの
年月があれば 見つけられるのでしょうか。

障がいのある学齢期の子たちは
学校生活と放課後生活が
“ 楽しめるコト ” を
見つける時間の大半だと思いますが、
そこは “ 楽しめるコト ” が
見つかる・見つけられる環境でしょうか。


学齢期を終えてからでも
“ 楽しめるコト ” は 見つかるかもしれません。

でも、スポンジが水を吸収するような年齢期に
さまざまな同年代の子と
遊びの経験が積めたら、
そこから 必然的に
“ 楽しめるコト ” が 見えてくると思うのです。

それに気付いてあげられるのは、
誰でしょう。

親や家族だけでなく、
学校では 先生であったり
学童保育では 指導員さんであったり
放課後デイサービスでは 職員さんであったり
その子のまわりにいるひとたちの
誰かであってほしい。


そこは、
その子の “ 楽しめるコト ” に
気付いてあげられるひとがまわりにいる
環境ですか。

この問いについて
考えてあげられるのは、
親や家族です。














なづな展  [2018年12月03日(Mon)]

今年も この季節がやってきました。
なづな学園さんの
展覧会のご案内です。



DSC_2993.JPG



        なづな展2018
   〜 手づくり製品とゆったりアート 〜
       なづな60年の思い出

 会 期:2018年12月14日(金)〜 16日(日)
        10時 〜 17時 【最終日は 16時迄】

 場 所: みやこめっせ 美術工芸ギャラリーA・B
      京都市左京区岡崎成勝寺町9-1
      http://www.miyakomesse.jp/



―― あの商品はどうやって作っている?
  日々取り組む丁寧な手仕事や、
  作り手の個性あふれる
  ユニークな作品・製品たち。
  ぜひ、足を運んで
  じっくりとごらんください! ――
              ( 案内葉書より )

2011年12月に
初めてこちらの場所で開催された
展覧会 に伺ってから
ほぼ毎年、開催されています。

松尾芭蕉の
『 よくみれば なづな花咲く 垣根かな 』
という句から名付けられた なづな学園さん。

1958年(昭和33年)に
なづな教室としての開所が はじまりです。

当時は もちろん
支援学校や通所施設も整備されていない時代で、
「 卒業後に行く場がほしい 」との声から
中学校卒業後の女子のためにつくられ、
自宅の一室で
編物や洋裁などを教えたことが
はじまりだそうです。

そこから、今年で60年。

感慨深い思いとともに、
今年の案内葉書を 手にしました。


細やかな手仕事が活きた
製品づくりへの思いが
脈々と流れており、
紙を漉くところから丁寧につくった
カレンダーや葉書などの紙製品、
パッケージも素敵な手づくりクッキー、
編み物や織り物などの
多岐にわたる製品が並びます。

平安神宮のすぐそばに
会場は あります。
晩秋の紅葉を 愛でながら
初冬の京都を 散策しながら
ぜひ、立ち寄ってみてください。






*社会福祉法人 なづな学園 
京都市東山区渋谷通大和大路東入2丁目
上新シ町372
http://www.naduna.jp












きょうのShopひとにやさしく 〜 学校編 [2018年11月28日(Wed)]

今日は、
京都府立八幡支援学校さんの
こちらを 紹介します。


DSC_2899.JPG


        〜 飾りかご 〜


学校の近くにある
竹林から切り出した竹を使った
製品づくりに特徴がある 八幡支援学校さん。

写真立てとんぼ飾り
竹製 楊枝
これまでにも 紹介してきました。

この飾りかごも
学校の近くにある竹林から切り出した
竹を使い、つくられています。

一瞬、職人さんが編んだのかと思うほどの
出来ばえのこちらは、
八幡支援学校の 一人の女子生徒さんが
編んだものです。

この他にも、
丸い形をした盛りかごや
大きな飾りかごなど、
何種類かの かごがあり、
いずれも
玄人はだしの作品でした。


彼女とお話をさせてもらおうと思ったのですが
「 恥ずかしがり屋で話せないのですよ 」と
担当教員のひとがおっしゃったので、
遠慮しました。

が、わたしが一つひとつの作品を手に取って
じっくりと眺めているようすを
彼女は ちらっちらっと
顔を少し上げて見ている姿を
わたしは 見逃しませんでした。

そして、こちらの一点を手にした時、
うつむきながら彼女が
「 ありがとうございました 」とおっしゃり、
その顔は 笑顔だったことも
見逃しませんでした。


支援学校に在学中の
さまざまな経験が、卒業後
社会で生かされるものであってほしいと
願います。






*京都府立八幡支援学校
京都府八幡市内里柿谷16-1
http://www.kyoto-be.ne.jp/yawata-s/mt/












教育を受ける環境 [2018年11月23日(Fri)]


障がいのある子を 育てる。
障がいのあるひとと 暮らす。

そこには、
障がいのある子やひと自身が
わかりやすく
暮らしやすい “ 環境 ” が必要です。

でも、今在る社会では
その環境をつくることよりも、
障がいのあるひとを
今在る社会に 適合させようとして
療育のような “ 特別な取り組み ” を、
子ども時代に課す仕組みとなっています。

療育のような “ 特別な取り組み ” を、
学校ではなく、
障がいのある子の親に求める流儀が
脈々とつづく状況を肯定し
「 親がやることがあたりまえでしょ」と思っている
教員や福祉支援者が多いことも 事実です。

障がいのある子に
「 数の概念を教える 」ために
学校では 適切な指導をしてもらえないからと、
障がいのある子に
絵を描くことや書写などを
学校では 適切な指導をしてもらえないからと、
放課後に
月謝を払って教えてもらう
障がいのある子のための “ 塾 ” が
全国で 生まれています。

障がいのある子に
IT機器を使った
日常の支援を受けさせたいからと、
授業料を払って
私塾に通う 親御さんもいます。

「 自分の子に必要な支援だから、
親が 調べて
お金を 払って
時間を 割いて習得して
親が 教える 」ことが
あたりまえのことなのでしょうか。



どのような 地域で暮らしていても、
どのような 生活状況であっても、
「 環境 」を整えるのは 親の役目です。

しかし、その「 環境 」には
情報と金と時間がある親にしか得られない
「 環境 」があることも 事実です。

親や家族だけで
子の「 教育を受ける環境 」を整えることが
難しくなっている社会のなかで、
これを「 格差 」で済ましてはいけない。



「 一人ひとりの子への必要な支援が行われています」
と謳う、義務教育と呼ばれている 小中学校。

でも、実際には
個別の支援を必要として
障がいのある子が通う
特別支援学校や特別支援級で、
適切な指導が
成されていない現状があるのに、
指導力のない教員が
野放しにされている現状を知るひとが
多くいるのに、
暗黙の了解 が
幾久しく継続している現場が
そこに あります。


小中学校に通う児童生徒にとって
「 学校 」は 言うまでもなく
とても大切で 重要な「 環境 」です。

なのに、その「 学校 」が、
障がいのある子にとって
十分な「 教育を受ける環境 」として
機能していないことに、
目を背けずに、
直視してほしい。

「 障がいがあるからできないのではなく、
できるための環境を
社会が 整えていないからできない 」と
言えるとともに、
「 障がいがあるからできないのではなく、
できるための環境を
学校が 整えていないからできない 」と
はっきりと 明言したい。


最後に。
子が 特別支援学校を卒業した時に
あるひとから
掛けていただいた言葉を 思い出しました。

「 学校を卒業してよかったね。
これから どんどん よくなるよ 」。













映画『 いろとりどりの親子 』 [2018年11月18日(Sun)]

11月17日(土)に
新宿武蔵館(東京都新宿区)と
千葉劇場(千葉県千葉市)で
劇場公開の初日を迎えた
映画 があります。

アメリカ国内外で50以上の賞を受賞し、
世界24カ国で
翻訳された ベストセラーノンフィクション
『 Far From The Tree :
Parents, Children and the Search for Identity』
を 原作にした映画
『 いろとりどりの親子 』です。







原作の作家 アンドリュー・ソロモンは、
自分がゲイであることを
受け入れることに苦悩している
両親の姿に直面したことをきっかけに、
10年の歳月をかけて
身体に障がいのあるひとや
発達に障がいのあるひと、LGBTなど
さまさまな「 ちがい 」のある子をもつ
300以上の親子を取材。
そして、900ページにわたる
一冊の本『 Far From The Tree 』
にしました。

この原作に基づいて
映画では、
自閉症やダウン症、低身長症、LGBTといった
「 ちがい 」のある子を持つ
6組の親子が直面する
困難、戸惑い、
その経験から得られる喜び、
親から子への愛情が 描かれています。

この映画の監督は、アメリカの
テレビ界のアカデミー賞とも言われる
エミー賞 受賞者
レイチェル・ドレッツィンさん。

彼女は、日本での映画公開を機に来日され、
インタビューでこう答えています。
「 わたしは 映画を通じて
観客に “ ちがい ” のあるひとと
同じ体験ができる機会をつくろうと思いました。
どんな子どもであれ、
親が持つ愛の喜び、その強いメッセージを
この映画から
感じてもらえたらうれしいです。」


アメリカと日本では
文化にも「 ちがい 」があります。
しかし、
親と子の関係に
国による「 ちがい 」はないと思います。

たとえ、ひとよりも
目立ちやすい「 側面 」があったとしても、
ひとと自分が
全く ちがうわけではないし、
全く 同じわけでもありません。

でも、社会のなかでは
これらを「 ちがう 」とか「 同じ 」とか
どちらかに くくってしまうことが
ほんとうに多くあります。

「ちがう」「同じ」と言うのではなく、
「 わたしたちって、
ここがちがって、ここが同じだね 」と
話せる社会に なってほしいと思っています。

この『 いろとりどりの親子 』は、
そう思わせてくれる映画だ と思います。
ぜひ 観てほしい映画です。

これから順次
全国で 劇場公開が予定されています。
詳しくは、下記の公式サイトで
ご確認ください。







*映画『いろとりどりの親子』公式サイト
http://longride.jp/irotoridori/

原題 / Far from the Tree
監督 / レイチェル・ドレッツィン
原作 / アンドリュー・ソロモン
「 FAR FROM THE TREE 」
配給 / ロングライド
上映時間 / 93分
2018年 /アメリカ /英語
日本語字幕 /高内順子












支援2  [2018年11月13日(Tue)]

今年5月に発売された
『 たのしい、わかりやすい 料理の本 』
という、料理本が あります。


DSC_2991 (2).JPG


知的に障がいのあるひとが
料理に 挑戦できるよう、
工夫された内容となっている
料理本です。

 
知的に障がいのあるひとたちが
自立生活を選べる環境が
整ってきたことから、
生活に必要な「 料理 」を身につけたいと
思うひとが 増えています。

しかし、市販の料理本で学ぼうとしても、
一定の知識は
あることが前提に
書かれているものばかりで、
知的に障がいのあるひとにとっては
理解が難しいものばかりです。

そこで、
本に書かれている
漢字にふりがなをつけ、
イラストや写真を多用し、
野菜の切り方や 米の研ぎ方なども
細かな手順ごとに示すなど、
さまざまな工夫のある料理本が
出来上がりました。


料理本の中身を 紹介すると…

冒頭の
“ 料理のきほん ” では、
野菜の切り方などを
料理の途中でも確認しやすいように
まとめられており、
砂糖、塩、油や
うまみ調味料などの説明もあります。

そして、
“ やっぱりご飯 ” では、
ご飯の炊き方にはじまり
炊き込みご飯やみそ汁を、

“ キャベツが1個あったなら ” では、
ポリ袋でつくる簡単メニューから
せん切りキャベツのつくり方や重ね煮が、

“ 大根1本、どうやって食べよう ” では、
ピーラーを使った料理など6つのメニューが、

“ じゃがいもは いつもある ” では、
ポテトサラダ、コロッケなどの
王道メニューが、

“ やっぱり 肉が好き ” では、
豚肉の生姜焼き、ハンバーグ、
鶏のから揚げなどが、

“ お楽しみはパン・麺・おやつ ” では、
サンドイッチやフレンチトーストに
電子レンジを使った焼きうどん、
カップレアチーズケーキ、と

全部で、
約30のメニューを 紹介しています。
つくってみたくなるものばかりですね。



この本を見ながら、
ひとりで 楽しくつくってみたり、
ひとりで料理することが難しいひとは
家族や支援者と一緒に つくってみたり。

「 自立 」というだけでなく、
「 楽しむ 」ことの ひとつとして
「 料理 」があるよ、と
障がいのあるひとたちに伝えたい。

「 自分が食べたいものを 自分でつくって食べる」。

あたりまえのように思えますが、
障がいのあるひとたちには
あたりまえではないことの方が
多いのが 現状です。


日々の暮らしに 活力と明るさを与える
「 食べること 」にも 支援を。

この料理本を、
福祉事業所の休憩室に置き
料理に興味をもつキッカケを つくったり、
グループホームで購入し
皆さんで クッキングしたり、と
「 共有する 」ことから
料理を始めてみるのも よいかもしれません。

この料理本が、
必要なひとのもとへ 届きますように。








*『 たのしい、わかりやすい 料理の本』
発行 / 全国手をつなぐ育成会連合会
著 / 枝元なほみ
版型 / A4版変形
ページ数 / 48頁・オールカラー
定価 / 本体1,000円(税別)

→ 購入は、下記
公益社団法人 日本発達障害連盟さんの
HPから、E-mail もしくは
FAXからの申し込みのみ になります。


*公益社団法人 日本発達障害連盟
http://www.jldd.jp/
E-mail : jlidmf@dream.com
FAX 03-5814-0393












ドキュメンタリー映画『 道草 』  [2018年11月07日(Wed)]

今年5月下旬に完成し、
6月に 完成試写会でお披露目された
ドキュメンタリー映画『 道草 』。

知的に重い障がいと
自傷や他害行為といった
行動障がいを伴う 3人の青年が、
親元や入所施設を離れ
地域で 自立生活を送る姿を描いた
ドキュメンタリー映画です。

先月下旬に
公式HPもでき、
全国の劇場公開へ 動き出され、
注目している映画です。


ドキュメンタリー映画『道草』.jpg


―― 暮らしの場所を
  限られてきた人たちがいる。
  自閉症と重度の知的障がいがあり、
  自傷・他害といった行動障がいがある人。
  世間との間に線を引かれ、
  囲いの内へと隔てられた。
  そんな世界の閉塞を、
  軽やかなステップが突き破る。
  東京の街角で、
  介護者付きのひとり暮らしを送る人たち。
  タンポポの綿毛をとばし
  ブランコに揺られ、
  季節を闊歩する。
  介護者とのせめぎ合いはユーモラスで、
  時にシリアスだ。
  叫び、振り下ろされる拳に
  伝え難い思いがにじむ。
  関わることはしんどい。けど、
  関わらなくなることで私たちは縮む。
  だから人はまた、
  人に近づいていく。――
           ( ストーリーより )



重度と呼ばれる
障がいのあるひとの多くは、
入所施設や病院、親元で暮らしていることが
ほとんどです。

そのような中で4年前に
重度訪問介護制度の対象が拡大され、
重度に知的に障がいのあるひとや
重度に精神に障がいのあるひとたちも
介護者付きで
一人暮らしができる可能性が
大きく 広がっても、
それを 可能にしているひとは
まだまだ少ないのが 実情です。

制度を活用できるようになるには、
支援する側の
体制と理解が 進んでいないことも
要因のひとつですが、
この映画では その部分についても
地域のNPO法人が
サポートする仕組みを
描いています。

そして、
撮影を進めている最中に
相模原で あの事件が起こりました。
しかし、その凄惨さから
事件について触れられないと
思っていたところ、
被害にあった息子さんをもつ
ご夫妻との出会いから 考えが変わり、
そのご家族の
地域に 目を向け始める姿も
映画では
描かれています。


同じ日本のなかに、
重度とされる
障がいのあるひとたちが
こうして 地域で 暮らしています。
こうして 地域で 生きています。

もしかして、
この映画の舞台である
東京だから可能だ と
思われるかもしれません。

でも、ほんとうは
全国の どの地域でも 可能なのです。


すぐに でなくてもいい、
寄り道をしたり
時には 道を戻ったりしながらでいいから
自分の思い描く
暮らしが
生き方が
できる社会へ。

タイトルの「 道草 」に込められた思いを
感じ取りながら、
ひとりでも多くのひとに
観てほしい映画です。

とくに、
福祉の仕事に 携わるひとには。





*ドキュメンタリー映画『 道草 』
https://michikusa-movie.com/

監督・撮影・編集 / 宍戸大裕
音楽 / 末森樹、永原元
音響構成・整音 / 米山靖
宣伝デザイン / 林よしえ
宣伝イラスト / 木下ようすけ
題字 / 岡部亮佑
公式HP / 馬渕陽子
企画・製作 / 映画「道草」製作委員会
宣伝・配給 / 映画「道草」上映委員会
2018年 /95分 /16:9 /カラー /日本












価格設定と工賃  [2018年11月02日(Fri)]

障がいのあるひとが働く事業所では、
さまざまな「 モノ 」が つくられています。

ひと昔前には
それらを「 授産製品 」と呼び、
年に一度か二度のバザーなどで
破格の値段で 販売されていました。

そういう今でも
「 なぜ、その値段なの 」と思う製品が
ほとんどと言っても 過言ではありません。

そして、「 今までがその値段だったから
値上げすると、売れなくなると困るので
この値段です 」という声を
耳にすることも あります。


「 安かったら 買うけれど 」と
言うひとたちがいることも 事実です。

そのような中で、
ある事業所さんで耳にした
こちらの言葉に 驚きました。

「 工賃が上がると 困るので 」。
えっ。

原価 + 利益 = 販売価格。
これに照らし合わせて考えたら、
原価は 動かせなくても
利益は 何とでも 変えられるはず。

なのに、その利益、
つまり 工賃を
増さない・増やせないから
販売価格が低い、というのです。

一瞬、耳を疑いました。
工賃を上げれば、
障がいのあるひとの収入も増えるから
良いと思うのですが、
そうじゃないのです。

工賃が 増えることによって、
今 受けている
社会保障が断たれる という
不安があるから、と。
えっ。

工賃が上がることで、
本来なら
経済的な自立が 見えてくるはずなのに
社会保障が 切れてしまう、
それで、もしも
体調を崩して働けなくなったり
一定の収入が なくなったら
たちまち 生活が困窮する から
工賃を上げることに
事業所や本人が 不安を抱いている、と。
ええっ。

そんな 社会保障制度って ありますか。

「 何時間働いても 工賃が低い 」ことに
矛盾を感じて「 工賃を上げる 」ことが、
事業所や本人の不安に つながるなんて。

製品の「 価格設定 」に、
このような問題が潜んでいた なんて。


「 障がいのあるひとの自立 」を言うとき、
「 工賃 」のことが
「 大きな障害 」にしか
見えなくなってきました。

じゃあ、いっそのこと
就労継続支援の一部としての
生活介護の一部としての
「 モノづくり 」をやらない方がよいのでは
と、思えてきました。

障がいのあるひとが働く事業所は、
「 モノづくり以外の 仕事 」を
より もっと 開拓し、そうして
「 仕事 」から「 賃金 」を得ることに
特化すべきではないか、と。

障がいのあるひとの収入は
「 工賃 」ではなく、
すべて「 賃金 」になれば良いのに。

大胆でしょうか。
いや、でも これは
真剣に考えてみる価値はある と思います。

そこから、
「 工賃 」からの脱却が、
現実味を帯びてくる と思います。













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