【十村駅駅舎】
十村駅は小浜線が1917(大正6)年に小浜線敦賀駅〜十村駅間で開業した際に設置され、1918(大正7)年に路線が小浜駅へ延伸されるまで小浜線の始発・終着駅としての役割を果たしました。現在も開業当時の駅舎が残されており、補修や一部改修が施されながら使用されています。
「駅舎正面」 外壁は新建材貼付けで補修されています。
正面から見て駅舎の右手にはお手洗いが増設されています。
「駅舎ホーム側」 木造の庇が確認できます。
庇には古い木材や金具に交じって、補強や改修で取り付けられたと思われる新しい部材も確認できます。
駅舎ホーム側の窓上に「建物財産標」が確認できました。
「待合室」 窓や扉等は改修されています。壁面も上張りが施されています。
駅舎と並びにあった倉庫も建物財産標によると1917(大正6)年に設置されています。
外壁は新建材で上張りされていますが、下部や扉枠などに木材が確認できます。
倉庫の「建物財産標」です。
【新平野駅ホーム待合所】
1918(大正7)年の小浜への路線延長時に開業した新平野駅は、駅舎自体は建て替えられていますが、ホームには古い待合所が残っています。現在使用しているホームから一段低い形となっていますが、これはホームのかさ上げが行われたためであり、もともとは同じ高さでした。
「待合所全景」こじんまりとしていますが、周囲の風景にとけこんだ趣のある建物です。
現在使用されているホーム(建物の右側)と建物の床面との高低差は約45p。
ホームから見ると窓の位置に少し違和感を覚えます。
「小浜方妻面」 他の壁面と仕様が異なります。近年改修されたと思われます。
小浜方妻面の室内側を調べると
、
引き戸のレール跡のようなものが見つかりました。
元々こちら側にも出入り口があったものを、塞いだのではないかと思われます。
建築年を示すものは見つかりませんでしたが、木材の状態が一定の経年を物語っています。
扉が取り付けられていた跡と思われます。
室内には木製のベンチが設置され、懐かしい雰囲気です。
今回はここまでとなりますが、列車に乗って調査はまだまだ続きます。
次回は、小浜駅とその付近の事物をご紹介したいと思います。