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日本科学協会の国際交流活動

図書寄贈、日本知識大会、作文コンクールのこと、
そして訪日・訪中交流のこと…
いろんな交流活動を紹介しています。


中国の大学からのメッセージ〜図書活用者の声〜 [2017年07月01日(Sat)]
 当会は、日本全国の方々から提供していただいた図書を中国の大学に贈っています。寄贈先は、中国全国約70の大学等で、各大学の学生、研究者、教員がその活用者です。

 今や世界第2の経済大国になったとは言え、世界最多の日本語学習者(約62万人)を擁する中国の大学にあっては、日本語図書など日本関係資料が不足した状態は依然として続いています。また、世界最大のネット大国・中国にあっても、図書には紙の図書ならではの価値や魅力があって、図書寄贈を望む声が中国全国から当会に多数届いています。

 こうした声に応え、これまでに贈った図書は367万冊を超えます。これらは日本語教材として、また日本の文化、や社会、政治、経済、習慣など日本を広く知るための資料として活用されています。

 また、これらの図書は、日本の図書館、出版社、企業、個人の方など沢山の提供者からの贈り物ですので、日本人の友好の気持ちを伝える使者としての役割も果たしています。そうした意味では、寄贈図書の1冊1冊が、日本文化と日本人の友好を届けるメッセンジャーであるとも言えます。

 いつでも、誰でも、何度でも、手軽に利用できる寄贈図書が持つ可能性は無限に広がります。中国に届いた図書がその役割を十分に果たし、ひとりでも多くの学生、先生方が日本のこと、日本人のことをより深く知ってくれるようになることを期待しています。

 日本からの寄贈図書を活用している中国の大学の学生や教職員の方から生の声が届きました!!

 中国に贈られた図書が、“どのように役立っているのか”、“どのように受け止められているのか”など寄贈図書の“その後”を、活用者の声を通して、報告したいと思います。

 活用者の声をいくつか抜粋して紹介します。
全文は、「寄贈図書活用者からの声2016」(PDF)でご覧いただけます。








 
天津外国語大学大学院2年 伍開朗

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 子供のごろ、日本のアニメウルトラマンに夢中になって、友達と一緒に見る思い出はいまでも時々浮かべ上がります。私は初めて日本語と出会ったのもその時でした。時の流れにつれて、日本語に対する興味がだんだん深くなって、日本語を大学の専門にしました。

 はじめて日本語原版の図書と接触したのは大学三年の後半でした。その本は堀辰雄の『風立ちぬ』でした。卒業論文の準備のためです。卒論指導先生が日本文学の専攻で、それに、当時宮崎駿監督の同名映画『風立ちぬ』は国内で大歓迎だったからです。私は順調に卒論を書き上げました。(原文日本語)
 

中国伝媒大学外国語学院翻訳専攻院生修士1年 于E

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 「メディアは大震災・原発事故をどう語ったか : 報道・ネット・ドキュメンタリーを検証する」という本を読みました。世界でも知られた東日本大震災が発生したとき、大地震・津波・原発事故により広範囲にわたって被害がもたらされ、メディア自体も被災した状況で、未曽有の災害はどう報じられたかを検証する本です。

 その中にはテレビ・新聞等の既存メディアとネット・ソーシャルメディアとの連携、被災者自身による情報発信、原発事故報道のあり方、「報道」がもたらす社会への影響と今後のあり方などを紹介しました。非常に勉強になりました。(原文日本語)



中国伝媒大学外国語学院翻訳専攻院生修士1年 李桂軍

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 日本語専攻の私たちにとって、日本の文化、科学、文学などの著作をそのままに読んで、吟味して、とても重要な役割を果たします。そのうち、一番印象深いのは吉永春子の『七三一』という図書です。中国の資料だけでなく、この図書を通じて、で、七三一部隊に関する日本の資料を読んで、七三一部隊をより詳しく、全面的に分かり、その時の日本国民と元隊員などの態度が明らかになり、中国にも、日本にも、非常に珍しい資料だと思います。それに、歴史教育にも意味深いです。(原文日本語)


黄岡師範学院日本語学科2年 徐夢婷

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 日本語と日本文化に対して特に興味があるので、毎週のように日本語図書資料室で本を借りています。資料室に立ち入って、整然と並び部類ごとに分けられた日本語の図書を目にするたび、気分まで良くなってきます。

 資料室の図書はそれほど多くはありませんが、日本語を初めて学ぶ私にはとても満足です。大学での課外時間は比較的多く、教材に頼ってだけ日本語を学んでいては足りません。資料室のおかげで、日本と関わる内容を学ぶ良い機会が増えました。(原文中国語) 


遼寧師範大学外国語学院日本語専攻1年 王卓琳

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 以前は日本語の原書を読むことが好きではありませんでした。日本語の本が面白くないからではなく、語彙力があまりなかったので分からない単語が多かったのです。

 しかし図書館の日本からの寄贈図書は私の日本語図書に対する印象を完全に覆してくれました。どれも装丁がとても美しいので、どうしても手にとって読みたくなってしまうのです。本を読んでみると、心や目を楽しませる図画が多く配されていることに気づき驚きます。そのとき、そばにある文字もさほど無味乾燥には感じないのです。しかも図画は文章全体の理解にとても役立ちます。挿絵をみただけで文章全体の内容がおおよそ理解でき、文章全体がいきいきして見えることもあります。(原文中国語)


山東大学(威海)商学院 商工業マネジメント学科 王麗娟

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 日本からの寄贈図書を整理するアルバイトをしました。日本語専攻ではないため、当初は困難の連続でした。データを記録するときは先生がプリントしてくれた日本語キーボードに対応して1文字ずつ入力するのが本当に面倒でした。
 しかし素人だからこそ、私たちは余計に身を入れて作業したので、接触が増えるうち、日本語図書に対して次第に好感を持つようになりました。

 最初にざっと目を通し鵜呑みにした日本語の読み物は、飲食の文化に関する本のようでした。書名も分かりません。本の文字が多すぎず、画像が比較的多かったので堪能できそうに見えたのです。本の全体から見た目、香り、味の三拍子を感じましたが、国ごとに飲食の文化が非常に大きく違うという印象が最も強烈でした。(原文中国語)



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国際交流チーム
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 00:00 | 教育研究図書有効活用プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)