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日本科学協会の国際交流活動

図書寄贈、日本知識大会、作文コンクールのこと、
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いろんな交流活動を紹介しています。


「日本知識大会・作文コンクール」日本招聘(1)〜中国の大学生の“日本発見”の旅〜 [2017年03月07日(Tue)]
 日本科学協会は、2月22日から8日間、「笹川杯日本知識大会・作文コンクール」優秀者たちの日本招聘を実施しました。

 今回招聘したのは、昨年10月に武漢大学で開催した「笹川杯全国大学日本知識大会」の優勝者等と2016年度の「笹川杯作文コンクール」、「“本を味わい日本を知る”作文コンクール」の優勝者など合計26名の大学生等で、日本の大学生との討論会やテーマ別都内観光、文化体験、訪問見学など様々なプログラムを通して日中の相互理解と友好を深めてもらいました。

 訪日団には、東京、沖縄、京都、大阪と日本の各地域を巡って様々な日本を体験してもらいましたが、今回は、招聘報告の第一弾として東京編を紹介します。

≪東京編≫

◆「日中若者討論会」

 東京滞在の2月24日の午前、日本財団ビルで「日中関係の将来像」をテーマに「日中若者討論会」が開催されました。この討論会は、日本の有志大学生からなる「笹川杯学生実行委員会」が企画・運営、当会が主催したもので、訪日団と日本側大学生など約50名が参加しました。

 国交正常化45周年にあたる今年も、日中関係は依然として微妙な状況にありますが、将来の日中関係の担い手である両国の若者が、10年先、15年先を見据え、その“理想と課題”について意見交換し、日中関係改善のため、“自分たち若者ができること、すべきことを共に探る”というのが、この討論会のねらいです。

 まず、日中の若者が率直に意見交換できるよう8組に分れてグループ討論を行い、その成果を模造紙等に取りまとめ、その後、グループ代表による意見発表となりました。

 
 様々な将来像(理想)と課題がグループ毎に報告されましたが、これらを総括すると、将来像(理想)については、SNSの普及拡大、日中共通SNSや翻訳アプリの開発、日中間における観光客の相互往来の増加、東京オリンピック開催、日中共同事業の増加、ビザの緩和、日中のアイドルを通した文化交流、魅力的な中国語教育の導入などにより、知日派・知中派が増加し、両国間の相互関心と相互理解が深まり、結果、日中関係はさらに緊密なものになるというものでした。

 そして、こうした理想を実現するため、両国の若者は、将来の日中関係の担い手として、過去を知り、現在を見つめ、未来を展望し、先入観を持たず相手の国の特性や良さを認めたうえで民間交流を活発に行うなど積極的な役割を果たすべきであるとの結論に達しました。


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事前資料(1945年からの日中関係史)を踏まえ未来展望


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膝をつき合わせ本音の討論

 

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グループ発表の取りまとめ



 
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発表内容の確認


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グループ代表の発表


 

 講評では、日本財団の尾形理事長が、世界の安定における日中関係の重要性を踏まえうえで、「両国関係を改善できるには未来の担い手であるあなた達であり、民間交流を通じて相互信頼を深め、より良い未来を築いて欲しい」とのメッセージを送りました。


また、訪日団を代表して武漢大学 夏晶副教授は、「若者の交流は日中関係の明るい未来に向けた貯金のようなもの、今日の討論会もそうした貯金のひとつ」として、積極的な交流活動への期待を表明しました。


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日本財団 尾形武寿理事長


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武漢大学 夏晶副教授


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理解を深め合った日中の若者たち



◆東京自由観光

 討論会終了後は、日中の若者が4つのコースに分かれ、日本側学生の案内で都内を自由に散策しました。

 コースは、@江戸東京下町コース(浅草界隈)、A東京POPカルチャーコース(渋谷界隈)、B東京クールJapanコース(秋葉原界隈)、C大学見学コース(慶応大学等)の4つで、日本側「実行委員」が、中国側への事前アンケートを考慮して企画したものです。

 
 一緒に行動し、気軽に気持ちを伝え合うことで互いの距離を縮めるというのが、この散策のねらいで、希望により4コースに分かれた日中の若者は、それぞれ“見たい日本“、“見せたい日本”を目指して散策しました。訪日団とっては、日本の文化、社会、歴史・・・そして日本側の温かいオモテナシの心を感じ取った機会であり、また、日本側学生にとっては、日本を再認識する機会でもありました。



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記念写真は、やっぱりここ!

 
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下町の食文化を体験!


 
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日本の“カワイイ文化”を体感!


 
◆文化体験、実地見学

 2月23日、早朝から渋谷区広尾の「香林院」を訪れ、座禅体験を通して日本の精神文化への理解を深めました。金嶽宗信住職から仏教や座禅について講話を聞いた後、足の組み方、手の組み方、姿勢、呼吸法など具体的な説明を受け、25分間の座禅体験となりました。 


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静寂の中で研ぎ澄まされる感覚


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気持ちも引き締まる住職からの警策


 葛飾区立石の「江戸東京そばの会」では、実際にそばを打ち、自作のそばを賞味するなど日本の伝統的な食文化への理解を深めました。


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コシの決め手となる「水回し」


 日本では三権分立によって国の権力の集中や濫用を抑止していますが、立法の府である国会議事堂を見学し日本の政治への理解を深めました。


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ニュース映像でお馴染みの本会議場


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議事堂前で記念のショット!


国際交流チーム


Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 18:20 | 教育研究図書有効活用プロジェクト | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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