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「子育ての文化を伝えるツールを考える」講座から [2017年02月03日(Fri)]
生み育てる人の心と体に寄り添うための
子育て支援者「15のまなび」の、
今年度の最終回のまとめです。
第15回1月29日日曜日13:30〜16:30、

「子育ての文化を伝えるツールを考える」
本会代表の朱まり子
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第1部が、「子育ての文化を歴史的に探る」
第2部が、「AKAGOを通して伝えたいこと」
第3部が、AKAGO@を使ってのワークでした。

第1部は、映像を見ながらのお話
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なぜ、歴史的に探ることが大事なのかを考えるために、
「おんぶとだっこ」、「おもちゃのガラガラ」の2つを
とりあげて写真などで紹介しながらお話でした。

子を背負う土偶(縄文時代)があったり、
赤ちゃんをおんぶする人形が残っていたりで、
過去をさかのぼっても、子育てではおんぶと抱っこが
行われていたことがわかります。
江戸時代は、町でも農村でも職住近接した環境になり、
母親だけが子育てしていたわけではなく、
父親や祖父、祖母がおんぶやだっこしていた絵姿が
文献には残されているようです。

明治や昭和の時代でも、祖母が着物の中におんぶ
していたり、兄弟がおんぶして遊んでいたりと
いったことが、ごくあたりまえに行われていました。
親兄弟だけでなく、近所の人も、世話をやいてくれるなど、
回りの複数の大人が協力して、多くの手や目によって
はぐくまれてきたのが、日本の子育て。
そういう視点から、今の子育ての現状や
問題は何かを感じてほしい。

「おもちゃのガラガラ」も、
昔のものを見ると、木製で音がでるがらがらだけでなく、
持ち手のところに穴があいていて、
吹くと笛として鳴るという複合的なおもちゃだったそうです。
戦前は音の出る部分は金属のものが多いが、
セルロイドに変わる中で、吹くことで鳴らせる
笛の要素は消えていきます。
1927年にはセルロイドおもちゃは
生産量世界一になりましたが、
戦争で1942年以降、玩具の材料は
木・紙・布・竹・土などの制限され、
戦後は、セルロイドは熱に弱く壊れやすいということもあり
世界的にセルロイドの製造、消費は落ち込みました。
戦後はおもにプラスチックが主流になるなど、
おもちゃの素材は時代により変遷していきます。
「ガラガラ」はふって音を鳴らすだけで、
吹くという機能もついた複合的なおもちゃは
ほとんどなくなっているそうです。

変化していく中で、大切なものが置き忘れられていく、
伝統を伝えたいという思いの中には、
置き忘れてはいけないものを伝えたいという
願いがあるということなのです。

第2部「AKAGOを通して伝えたいこと」
祖父母世代の人からすると、今の子育ての状況は
私らの時代と違うというとまどいから、
若い世代の人に子育ての経験を伝えにくく
なってきている。
そういう状況の中で、
昔から伝えられてきた先人の知恵と
今の子育てにマッチする新たな情報をセレクトして、
子育て中のママを応援するための冊子
「AKAGO」を作成したこと。
これまでに支援のひろばなどでママに接した経験から、
冊子や映像といった間接的な教材を使って
お話したほうが、直接指示されたとかの感じが
軽減されることがわかってきたのだそうです。
AKAGO@赤ちゃんとの生活スタートブックの中から、
テーマをきめて、今日はこれについて
参加者の方にもお話してもらうといった使い方などを
していってほしい。

子どもの目線に会わせた対応ということで、
実際のお子さんの様子の写真を見ながら、
こういうことがじつは子どもの中でおきているとか、
子どもがおもちゃで遊ぶ前に、
じーとおもちゃを見てる時間も、じつは大事な時間で、
そんな時は、大人の思いこみで、あれこれ口だしたりせず、
見守ってあげてほしいといった具体的な対応のお話も
ありました。
どんなおもちゃがいいかについてや、
量の多いものは一度にださずに発達に応じて
すこしづつ増やしてだすといった使い方や、
おもちゃとしてふさわしくないものなどについての
紹介もありました。

第3部はAKAGO@について、
いろいろな分野で子育て支援に関わっている参加者の方から
冊子を見て、感じられたこと、感想、こんな風に使おうと
思うといった意見の交流がありました。
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参加いただいた方の中には、子育ての文化研究所の
会員になりたいといううれしいお声もありました。
ご自分の身近なところでは、こういうお話が
なかなかできない場合もあるようで、
同じような志や方向性をもつ仲間としての
つながりが、少しづつでもひろがっていくことを
願っております。
今後とも、みなさまのご理解、ご支援をよろしくお願いします。

15のまなび 第14・15回「子育ての文化を歴史的に探る」講師:朱まり子さん  [2017年02月02日(Thu)]
15のまなび 第14・15回
「子育ての文化を歴史的に探る」
講師:朱 まりこ さん(子育ての文化研究所 代表)
1月15日(日)舞鶴会場  1月29日(日)宇治会場 13:30〜16:30

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とうとう2016年度最後の15のまなびとなった今回は、このまなびの企画者でもある子育ての文化研究所代表の朱まり子さんにお話を頂きました。最後と言う事で、参加者も顔なじみになってきましたが、中には初めて参加された方も居られ、新しい意見も頂けました。今回は、子育ての文化を歴史的に探るというテーマに沿って、昨年末に発刊した「AKAGO」を作るに至った経緯、AKGO@を実際手に取った感想、意見、課題の話し合い、という3部構成でした。

まず「歴史的に探る」とは、「人の歩んできた道筋を辿る、振り返る」という事なのでしょう。朱さんは「振り返ると置き忘れていたものに気付く、子育ての文化の中で置き忘れたものを伝えたい」と最初に話されました。また、未来のために原因を探るには過去を振り返る、というお話もありました。つまり、歴史に戻り振り返る事は、過去を見ながら未来をどう良くしていくかを考える工程なのでしょう。振り返った事で得た気付きは、新たな視点となります。一度気付くと今まで見えて来なかった事が見えるようになります。そういった事から「歴史的に探る」大切さが伺えます。今回は子育ての文化を振り返る上で「おんぶとだっこ」「がらがらおもちゃ」という二つの事から見ていきました。
おんぶとだっこについて、中世、明治、昭和、と、どの時代でも着物の中におんぶされている、母親以外におんぶされているという共通点がありました。また、明治幕末期の外国人の目から見た日本の絵や写真には誰かにおんぶされているものが多く、それだけだっこやおんぶは当たり前のありふれた光景であり、日本の日常を象徴するものだったのでしょう。つまり、日本の子どもは昔から色んな人におんぶされていたと言う事。それは、母親が一人で子育てをしていたわけではなく、父、祖父母、きょうだいみんなで子育てをしていたと言う事です。みんなが子育てに関わっているからこそ、対処法がわかり、子育てをしんどいを思わなかったそうです。授乳という視点に少し変えて見ても、「乳奉公」「貰い乳」という言葉があるくらい子育てにはたくさんの人が関わっていました。つまり、それだけたくさんの人が子どもを育てていた、母親だけが子育てをしなくても良かったのです。そのような状況を振り返ると、今の子育ては非常に厳しいと言葉にされていました。
がらがらおもちゃについて、素材と機能の変還を見ていくと、戦前は金属やセルロイドと言う素材が主でした。けれど、セルロイドは熱に弱いということから戦後は下火に。替わりに塩化ビニール、ポリエチレンなどの素材が出てきました。しかし素材の変化は機能の変化に繋がりました。がらがらおもちゃは打楽器という事だけでなく、以前は音を吹く事で鳴らす笛機能もありました。現在は「鳴らす+吹く」という複合おもちゃは殆ど無くなり、木製からセルロイドへの変化の中で消えていったものです。

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次に第2部「AKAGO」を通して伝えたい事、発刊に至った思いです。今、伝えられてきたはずの子育てが伝わらない・・・と言われる事も多く、その背景には親世代が子どもに「今の子育ては昔と違うから・・・」と口を噤み伝え無くなった事が挙げられます。しかし、実際はそれほど変わった事はありません。つまり『子育ての積み重ね=子育ての文化は、意識しないと伝わらない』という事。その危機感から子育て支援者として子育ての文化を伝えられるツール作りに発展。それならば、“先人の知恵と新たな知恵をミックスしたもの”“手にとってもらいやすいもの”“頑張っている親を労い応援し底上げ出来るもの”“知らないから不安になるけどママも0年生だから知らなくて当たり前。知らないから知ってね、と不安に寄り添ったもの”にしたいというたくさんの思いからAKAGOの編集、発刊となりました。
AKGO@の中には「親子で絵本のある生活を楽しもう」というページがあります。それは、読み語りは読んで終わりではなく、生活に繋げて欲しいと言う思いがあります。文を読んで意味を理解するだけが読み語りではなく、内容を理解しなくても一緒に同じ絵を見る時間を楽しむ、ということを大切にする。更には遊びの場から派生して子育てに役立つ「1粒で2度美味しい」ものを選ぶと良いとの事。その例として「1はゴリラ」「わたし」という絵本を紹介して下さいました。人によって「1粒で2度美味しい」と感じるものは違うでしょう。絵本だけでなく、おもちゃやお子さんに関わる事で何かを選んだ時に、「こういう思いがあって選んだ」「こういう視点から選んだ」と言えることが大切との事。それは子どもにどう育ってほしいかという、生きることへの“願い”を持つ事になります。最後に、支援者としてなら、自分の支援の現場に「何を伝えたくて物を置くのか」「願いを持って支援してほしい」と話して下さいました。

第3部はそれぞれの立場から特に課題だと思う事に焦点を当て意見を頂きました。編集側では頭が固くなって気付かなかったことがたくさん出てきました。今回頂いた意見を基に改編、続編に繋げられたらと思います。

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