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赤ちゃんにも大事な「緊張と弛緩 」 [2015年09月15日(Tue)]
9月12日(土)10:15〜12;15
         12:30〜14;00
    (食事をともにしながら、講師を囲んでの語り合い)
  
「緊張と弛緩について」
くさぶえ保育園 園長 前田綾子先生でした。

P9121110mini.jpg

今回、最初に大人同士で体の緊張をほぐす
金魚運動を二人一組でやりました。

産後のお母さんは、首の座らない赤ちゃんの
抱っこや授乳をしてると、首や背中がこって
いたりするもの。
赤ちゃんを抱っこするさいに、お母さんの背骨や
腕が脱力していることが大切なので、
まずは大人の体のほぐしから体験しようと。

大人同士の金魚運動
P9121114mini.jpg

やってもらう人は、あおむけになり、
手は少しまげて楽な位置におく。

揺らす側のほうの膝の上に、かかとをおいて、
揺らす方は、自分の腰からこまかく揺らす感じ。
金魚の童謡を歌いながら揺らすと、ゆったりします。

ちょっとの震動でも、脱力できていると
頭のほうまで揺れは伝わっていくもの。

これは大人むけで、赤ちゃんや2,3才のおこさんには、
うつぶせやあおむけにして、
8うつぶせの時は、胸の下に丸めたタオルをいれる)
おなかのところに手をおいて、軽く揺らす感じの
金魚運動がよいそうです。

生後3か月までの赤ちゃんには、
おかあさんの膝の上に、
赤ちゃんのおへそがくるようにし、
顎が上がり気味の赤ちゃんには
頭の下にタオルをひいて寝かせます。

P9121120mini.jpg

足からさわり、おなかを優しくさわってあげたり、
赤ちゃんの顔がまっすぐなるようにむけ、
腕が開くようになでながら
膝の上で、ゆらゆらして赤ちゃんの緊張を
ほぐしていきます。

おうまはみんなパカパカ走る といった歌を
歌いながらするといいようです。

さらに抱っこしながら揺らして、
赤ちゃんの体が脱力して、
両手がストンと横に落ちて、
手のひらも開いた状態になると
寝かせても2時間くらいぐっと寝るのだとか。

寝かすと泣くため、ずっと抱っこの状態の赤ちゃんは、
首や背中とかが堅くなっていて、
寝る姿勢が苦しいらしいので、
まずは体をゆらして、緊張をほぐすことが必要です。

 抱っこしたり、寝ている時に
 赤ちゃんの手がどの位置にあるのかまで、
 よく見てなかったなあと、気づきました。

6,7か月になると、膝の上において状態で
おかあさんの膝を曲げて、ストンと落とす。
そのさい、赤ちゃんの膝があがらないよう、
手で少しおさえながらしましょう。

赤ちゃんは、どっちかの足をよくあげるとか
片足だけよくけっているとか、ありませんか?

そうなると、動きに左右差がでてきやすいので、
気づいた時に、
よく蹴っている足を大人が手でもって動きをとめると
けってない足を動かすようになるのだとか。

実際、赤ちゃんにされてましたが、
毎日でもちょっとずつ、一週間くらい続けていくと、
両足で交互にけるようになっていくそうです。

寝返りや、ずりばいでも
苦手な向きがあるのがわかったら、
同じ方向ばかりではなく、苦手な向きも
できるように、なんらかの動きの補助をしていくことが
子どもの両方の手足をバランスよく動かせる発達に
つながっていくようです。

7か月以降にもなれば、
外でハイハイしたり、 斜面で遊ぶといった体験を
どんどんさせてあげてほしい。

お日さまがあたって、風のあるところに
1時間いるだけでも、子どもは疲れるもの。
体力のある子だと、家の中だけでは
ものたりなくなってきます。
土の上やら石のあるでこぼこしたところを
歩くことで、ころばないようなバランスの
取り方や、危ないところでは手をついて
ハイハイすることを身に着けます。

滑り台のところを下からあがるようにしたり、
斜面で動く体験をさせてあげてほしい。

このほか、そのお子さんの状況に応じて
具体的にこうしたらというお話でした。

前回に参加された親子ペアのお母さんも、
2か月の間に、前回言われてことを実際にやって
お子さんの変化を目のあたりにしたせいか、
今回は、積極的に質問されるなど、
お母さんの表情も明るく帰っていかれたのが印象的でした。

ランチの後は、参加者一人ずつ、
質問やら感想を話しあいました。

この15の学びの狙いである、
「おかあさんのためのおかあさん」になるために、
子育て支援に関わっている方は、
かつてとは違う子育て事情に、めげないで
子育てママを支えていってあげてほしいとの言葉を
いただきました。




15のまなび 前田綾子さん「緊張と弛緩について」 [2015年09月13日(Sun)]
第8回  9月12日(土)「緊張と弛緩について」
10:15〜12:25 講座・ワークショップ
     13:00〜14:30 質疑応答

講師:くさぶえ保育園 園長 前田綾子先生

 15のまなび、第8回になる今回は第4回にもお越しいただき、「赤ちゃんは生まれてからどう重力に対応しているかを考えてみよう」というテーマで赤ちゃんモデルと一緒にお話と実践ワークを行ってくださった前田綾子先生をお招きしました。(前回の詳細は7月26日のブログを参照下さい)。今回も前回に参加していただいた親子さんも何組かご参加いただき、実際の赤ちゃんモデルと実践ワークを中心に行っていただきました。前回から2カ月近く経っていたため、前回と比べ赤ちゃんの変化と発達状況も良くわかる回となりました。

P1040943.jpg

赤ちゃんは体も柔らかく、とても柔軟だと言う感覚をお持ちの方も多いのではないでしょうか。しかし最近は、赤ちゃんの体にもこわばりがあったり、緊張がほぐれてないこともあったり、柔らかいが筋力が少ない赤ちゃんもいます。そしてそのことを知らず問題意識を持っておられない方も多いと言うことが現状です。そのため、今回はその問題点に焦点を当てて「緊張と弛緩について」お話を頂きました。今回も月齢別の赤ちゃんモデルをお招きし、すぐに使える実践ワークが多く、親子さん、支援者ともにすぐに使えるものばかりでした。

 始めに行ったのは、大人の「金魚運動」です。固まった赤ちゃんの緊張を「ほぐす」ことは大切ですが、一言で「ほぐし」と言っても実は実際に行ってみるととても難しいのです。ほぐそうと意識するあまりほぐし手が緊張してしまい硬くなってしまいます。そのためまずは大人の私達がほぐされる側、ほぐす側の両方を体験し、ほぐされる赤ちゃんはどう感じるのか、また、ほぐす練習をしました。大人の金魚運動は大人の背骨を脱力するために行います。

P1040884 (3).jpg

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 まずは靴下を脱いで二人一組になります。順番としては出来れば年上の方が先にほぐす側になった方がいいということでした。次にほぐされる人は仰向けに横になります。そして、両腕を肩より上の位置で自分の自然な姿勢をとってもらいます。ほぐす側の人はほぐす人の足元に正座し、ほぐす人のかかとを両手でつつむように持ち、自分の膝の上に乗せます。後は自分の膝を横に振動させます。この運動は、お互いが脱力できるように行うため、先生は何時間行っても疲れないと仰っていました。実際歌いながら行われる先生の金魚運動によってほぐされた方はとても気持ちよさそうにされていました。しかし、言うは易し、やるは難し。参加者の皆さんも二人一組で行ってみると、先生とは何かが違う様子でした。やはりどうしても「ほぐそう」という意識が先に出てきてしまいほぐす側が固まっている様子でした。この運動のコツとしては方で揺らすのではなく腰で揺らす事、相手の背骨までほぐれるように意識する事、揺らす人は力を入れず、地球の中心に自分をストンと落とすイメージで行う事とのこと。しばらく行っていると皆さん徐々にコツや実際にほぐされるとはどういうことが掴めてきた様子でした。先生が仰ったようにこの運動に限らず人の手でほぐす、揉む、ということは何時間でもできます。しかしマッサージ機のような機械で受けるほぐしは15分が限界です。ここが人の手と機械の違いだそうです。金魚運動を行っても揺れにくい方はおられます。そのような人にはうつ伏せになってもらい、かかとを固定しおへその後ろを揺らす運動と、背骨を支えながら足を交差させて寝返りを誘導する運動をした方が良いとのことでした。この運動はもちろん赤ちゃんにも使えます。

P1040892.jpg

 では、実際に赤ちゃんに金魚運動を行ってみました。まずは2カ月の赤ちゃんです。まだ首が据わっていませんでしたが、金魚運動は首が据わっていなくても行える運動です。この際、赤ちゃんの服が繋ぎの場合は股の所を外してもらいお腹も全部出るようにします。最初に大人が膝を伸ばして座り、赤ちゃんを自分の膝のところに赤ちゃんのおへそが来るように仰向けに寝かせます。赤ちゃんの下にはバスタオルを敷き、頭の下には少し厚めに敷きます。初めての体勢に驚き泣いてしまう赤ちゃんも居るでしょうが、あわてなくて大丈夫とのことです。泣いて緊張すると赤ちゃんは顎が上がります。その際には頭の下のタオルを多めに敷きます。まずは赤ちゃんのお腹や足、腕をさするようにマッサージします。腕の部分はわきのところから手を入れ、肘までずっと伸ばすようにマッサージします。前田先生が仰るには皮膚マッサージは赤ちゃん、特に生後1か月〜3か月の赤ちゃんの脳をとても刺激するため効果的とのことです。この際、冷たい手で触っては赤ちゃんがかわいそう、と思われる方も居られるかもしれませんが、逆に冷たい手で触ることで脳への刺激が多くなり、風邪もひきにくくなるとのことでした。向き癖のついている赤ちゃんや泣いている赤ちゃんは顔を横に向けることがあるかもしれませんが、この運動は顔をまっすぐに向けないと効果は無いそうです。そして、お腹や腕をなでながら大人のひざを揺らします。歌を歌いながら行うと気持ちも楽しくリラックスしやすそうです。振動に慣れてきたら赤ちゃんの太ももを支えながら大人の膝をあげてストンと落とします。この運動を教わったから毎日時間を掛けて行わなければいけない、というわけではなく、赤ちゃんが嫌がらない程度に毎日ちょっとずつ行ってあげるのが良いとのこと。赤ちゃんと触れ合う事も大切ですが、お母さんは家の事や他の事などやることはたくさんあります。そのため空いた時間にちょこっとやって親子でリラックスする、という意識の方が親子共に楽しめそうでした。

 赤ちゃんは最初、筋力はほとんどありません。産まれてから徐々に筋力を付けていきますが、それに伴って体も硬くなります。どの部位もバランス良く動かしているというわけではなく、普段よく動かす部位が出てきます。その部位の方が筋力も付くため筋肉の付き方、体の硬さにばらつきが出ます。そのばらつきのまま放っておくとゆくゆくは体の歪みに繋がります。そのため、どの部位もバランス良く動かせるのが理想ですが、既にいつも動かす足が決まっている、顔を向ける方向が決まっていると気付いた時はよく動かす方を止めてみるとのことでした。実際、2カ月の赤ちゃんは仰向けにすると泣きながら片方の足ばかり宙を蹴っていました。しかし、蹴っている足を手で押さえると面白い事に、すぐにもう片方の足を動かし始めました。赤ちゃんは動きたいという衝動が大きく、動かせないとわかると直ぐに動かせる方に切り替えるようです。暫く、いつも動かす方の足を止め、手を離すと両方の足を動かすようになりました。これには参加者の皆さんも驚いておられました。これで治ったわけではなく、少ししたらまた片方の足だけ動かすようになったため、普段から気付いた時にバランスを整えられるよう足をとめていけたら良いとのことでした。これもさきほどの金魚運動と同じく、毎日ちょっとずつ、なようです。
 赤ちゃんの背骨が硬いと、寝付きにくかったり、また横に寝かせてもすぐに抱っこと泣いたりするなど育てにくさを感じます。すぐに抱っこと泣くのは、縦抱きの方が重力の抵抗が少ないからだそうです。本当は筋力をつけてからが良いのですが、ハイハイをしっかりせずにすぐに立ってしまいます。そうすると筋力を付けた事そうでない子は歩き方が変わってくるそうです。首が埋まっている赤ちゃんは首が硬くなっているので肩甲骨のところを開くようにほぐすことが良いとのことでした。

 次は3カ月のお子さんです。今回のモデルさんは首が据わっており、体をしならせようと抱っこしても体を預けてこなかったため違う方法でほぐしを行ってもらいました。うつ伏せの状態で胸の下にタオルを敷きます。おもちゃで興味をそらしているうちに赤ちゃんの足を見てみるときちんと両方の足の指が床についていました。バランス良く動かしているようです。

 4か月のお子さんは寝返りとずり這いができていました。前田先生が仰るには赤ちゃんの硬さを見るにはまずは股関節、次に背骨を見るのが良いとのことでした。ずり這いからハイハイは、良い姿勢で歩くための大切な過程です。ご家庭内でずり這いやハイハイを行うとフローリングで滑ったりします。驚かれるかもしれませんが野外、芝生のようなところでハイハイを行うのが良いとのことでした。その際には膝の出るズボンで行う事が必要です。そうすると芝生がちくちくと刺激し、赤ちゃんの危機管理能力が備わったり自分を守る術を学びます。大人はそう言った事をわかって子育てをしていくのが良いと仰っていました。
また、9か月のお子さんの時にも前田先生から子育ての秘訣が出ました。子どもは思い通りにならないと泣いて訴えます。その際、すぐに対応する事も大切ですが、なんでも思い通りになると子どもが思ってしまい、親を召使のように思う事があるそうです。子育てはあくまでも対等な関係であること、折り合いを付けていく事が必要になってくるとのことでした。もう一つの秘訣が、子育てにはユーモアが大切、という事です。子どもの事に真摯に向き合う事は大切ですが、煮詰まってしまっては余裕が無くなってしまいます。ある程度のユーモアを持って接した方が親子共に良い関係が作れるとのことでした。
運動面のケアで、四つ這いが出来にくかったり、バランスがあまり良くなくハイハイするお子さんには腕の運動で筋力を付けるためにも前回教えていたパラシュートや滑り台などの斜面に乗せるのが良いとのことでした。斜面だといつもと同じようには進めず、両方の手足を動かす必要が出てきます。その際、大人は子どもがひっくりかえらないように支える必要があります。

1歳のお子さんの親御さんには前回りを勧めたいと相談に答えておられました。前回りをするには首をぐっと前に倒す必要があり、その感覚を養うためにも大人が片膝立ちになりその膝の上に子どもをうつ伏せで寝かせます。しっかり支え前回りをします。また、両足を開いて股のぞきの体制も効果的とのことでした。

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発達上、教えなくても出来ることが出来にくいのは体に硬さがあるからだそうです。この硬さをほぐすのに躍起になってしまっては親子共にしんどくなります。そのため先ほどの股のぞきにしても遊びの中、楽しい時間の中で「ほぐし」を取り入れていけるのが良いと仰っていました。
しかし、親は一日中子どもと遊んでいれば良いわけではありません。家の中に居たら家事もしなければなりません。お客さんが来られたら対応しなければなりません。しかし、一歩外に出たらどうでしょう。例えばひろばのようなところに来たら、家事や来客など気にせずに子どもと過ごせます。前田先生は親が自分で育てる力をつけることが一番だと仰いました。その力を付けるためにも、家ではできないひろばのような場や、この15のまなびのような場を活用していけるのが良いとお話して下さいました。

午後は前田先生を取り囲みながら質疑応答の時間となりました。皆さん、支援者という立場もあるせいか、今回学んだ内容をどのように利用者に伝えていくか、育てる力を支えるため、どのように関わっていくか、という質問が多く出ました。継続的に利用者と関われる関係、一時的な関わりになる関係など状況は様々ですが、どちらにしても目の前の親御さんがお子さんを育てていかなければなりません。だからこそ、まずは親御さんを励まし、良いところを伝える事、そこにはお子さんの良いところも伝える、そして「もう少し頑張れるなら・・・」と一言付け加えていく、と教えて下さいました。それにより親に変化が見られるならば、子どもにとっても、とても大事な事です。実際はなかなかうまくいかなかったりすることもありますが、それでめげてはいけない、励ませるのは専門の人であり、そのための15のまなびが本当の姿なのではないか、と鼓舞する言葉を下さいました。司会者の言葉を借りるなら私達が励まされる回となりました。

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   「緊張と弛緩について」の講座の案内  [2015年09月09日(Wed)]
生み育てる人の心と体に寄り添うための
子育て支援者「15のまなび」第8回は、

9月12日(土)10:15〜12;15
         12:30〜14;00
    (食事をともにしながら、講師を囲んでの語り合い)
  
「緊張と弛緩について」
くさぶえ保育園 延長 前田綾子先生


今年度は第4回 7月26日にも
「赤ちゃんは生まれてからどう重力に
対応しているかを考えてみよう」
赤ちゃんモデルをつぶさに観察しながらの講座でした。

前回参加の親子さんにも、何組かご参加
いただく予定のようです。

最近は、赤ちゃんの体にもこわばりがあったり、
緊張がほぐれてないこともあったり、
柔らかいが筋力が少ない赤ちゃんもいるとか。

昨年度の講座の中でも、
お子さんに筋力をつけようとするなら、
まず、緊張してるところや、こわだったところを
ほぐすことが大切で、筋力つけるのはその後と
いうお話でした。

赤ちゃんの体の緊張と弛緩について、
具体的な動きなどをまじえてお話いただけると思います。

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26年度の講座での前田先生

前田先生の昨年度の講座の内容については、
26年度の「15のまなび」の報告書のほうにも
くわしく紹介してありますので、
おもちの方はご参考にしてください。

 「15のまなび」の報告書、若干
 残っておりますので、ご希望の方は
 子育ての文化研究所
 info★kosodate-bunka.jp あてか
(★印を@マークに変えてメールをお送りください)
 講座のさいに、お求めください。

お子さんの体の変化にどう対応していったらよいか
懸念のある子育て支援者の皆様
一緒に考えてみませんか?



ヒトらしい心が成り立つ道すじをたどる 赤ちゃんの脳の研究から [2015年09月02日(Wed)]
8月29日(土)10:15〜12:15
         12:30〜14:00
   (食事をともにしながら、講師を囲んでの語り合い)

「ヒトらしい心が成り立つ道すじをたどる」
明和政子先生 
  京都大学大学院教育学研究科 教授
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今回は、プロジェクターを使用して、
大きな図や写真を見ながら説明していただきました。

ヒトの心のなりたちを科学的に明らかにするため、

チンパンジーとの比較(比較認知科学)して、
どういった差異があるのかを研究されてきました。

産まれたばかりの赤ちゃんの研究もすすんできて、

女性の写真を見せても、
 目をそらした顔より、
 自分のほうを見てる顔をよく見るとか、

ランダムに動くいくつかの点の画像を見せると、
動物の足の動きにそった動き方の点のほうを
より注視するということがわかってきたのだそう。

赤ちゃんむけの研究のために開発された
NIRS(近赤外分光法)の器具によって研究が
すすめられてきています。

それによって、視覚刺激では後頭葉と側頭葉が
動くことがわかり、
胎児から新生児期は、触覚刺激によって
赤ちゃんの脳全体が強く動くことが わかったのだそう。
触覚刺激によって、シナプスが作られ、脳の発達が
促されるといえます。

エコー画像も鮮明に見えるようになったことで、
胎児の口の動きから、おなかの中で、
お母さんの声を聞き分けているのが明らかになったとか。

チンパンジーは、9か月で生まれてきて、
産まれるまで脳はゆるやかに発達するのに対し、
ヒトの脳は妊娠8か月から
急激に脳の容積が増大するのだとか。

さらに胎児期から生後2か月までが
脳の細胞が最大の時期。

この時期に脳の中では
「シナプスの過剰形成と刈り込み」が行われる。

刈り込みとは、
よく使う情報を効率的に使えるように、
脳の中の配線のネットワークを
必要なものだけ残すということ。

生後7か月でおちつくところと、
脳の中でも、高次機能領域ほど、ゆっくりと進み、
14歳まで刈り込み現象が続くそうです。

こういったことからも
生後初期の脳の発達に環境が与える影響は
大きいと言えます。

ヒトとチンパンジーでは、他者の行為をどのように
見ているかという研究で、視線の動きを見る、
バイオロジカルモーションで
注視パターンを調べた映像を紹介されました。

P8291051mini.jpg

ヒトの赤ちゃんは、ヒトの顔や表情に視線がむくのに対し、
 (表情のシグナルを解釈する心の働きがある)
チンパンジーは、物のほうに視線がいく。

自閉症のお子さんの場合、ヒトの顔や目を見ることが
少なくなり、 物のほうに視線がいきやすいという
こともわかってきています。

じつは、現在世界的に、発達障害が急増していて
遺伝だけでなく環境要因が影響しているのではないかと
言われています。

日本では、早産で生まれる割合が加速的に増えていること、
早産の場合、発達障害となるリスクが高まることなどから、

早産児への定期的はケアや支援が必要なのではないかと
いうことで、
京大病院プロジェクトとして、
新しい発達評価の試み「デジタル健診」が
実施され、4年目にはいっているのだそうです。

視線の動き、注視パターンを計測する方法で、
ヒトと幾何学図形、どちらに視線をよりむけるかで、
60%以上を幾何学図形にむけたお子さんは、
自閉症の割合が高いというなどがわかってきているとか。

明和先生は、脳の専門的なことを、
一般の方にもわかりやすく、
正しく伝えていきたいという思いから、
いろいろなところで講演されたり、
2015年1月号「ひよこクラブ」の
「人見知り赤ちゃんとのつきあい方」の特集記事の
監修もされています。

午後も、お話の続きと質問へのお答えという形で
保育現場での自閉症のお子さんの様子なども交えた
質問などもあり、中身の濃いお話でした。

科学的な研究の成果を、子育ての現場に
活かしていきたいという明和先生の姿勢に感銘をうけました。

お忙しい中、わかりやすいお話ありがとうございました。

(子育てママむけに書いているブログからの転載です。)






15のまなび 明和政子さん「ヒトらしい心が成り立つ道すじをたどる」 [2015年09月02日(Wed)]
京都大学大学院教育学研究科 教授 明和政子先生

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地球上には多くの生き物が存在しています。その中で人間とはなにか。何が他の生き物と違うのか。ヒトが「人」らしくなるために必要なことはなにか。それが「心」であるならば、「心」とはなにか。子どもの時にふと思ったそうした疑問を、大人となったいま、研究者として解き明かそうとしているのが、私が社会人入学した大学院の恩師である京都大学大学院教育学研究科教授の明和政子先生です。8月29日(土)の子育ての文化研究所の15のまなびでは、その長年のご研究の成果を分かりやすい言葉で紹介して下さいました。
講座は3つのテーマに分かれていました。
@ ヒトとは?ヒトに特有の心のはたらきとは?
A それは、どのように、なぜ進化してきたのか?
B それは、いつ、どのように獲得されてきたのか?

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まず、ヒトとは?ヒトに特有の心のはたらきとは?
先生は学生時代から、犬山にある京都大学の霊長類研究所で研究をはじめ、研究員時代をふくめ15年以上にわたってヒトに特有の心のはたらきについて研究をされてきました。ここでは、同じヒト科で、ヒトにもっとも近いといわれるチンパンジーと、その行動の違いを比較し、「人らしさ」を研究します。例えばチンパンジーは見た物を瞬時にそのまま記憶することができます。けれども人間はそうした能力はチンパンジーに劣ります。どんなにかしこいチンパンジーでも人間の子どもなら1歳半で簡単にできるような「サル真似」が実はとてもむつかしい。チンパンジーの赤ちゃんも人間の赤ちゃんと同じように「新生児模倣」をするなど、多くの研究成果をあげられました。「人間は他の動物にはない特別の能力がある」という研究者もいますが、あるとするならば、それは他人の心の状態を、自分の中に映し出し、自分も同じ心の状態になる、『共感』の能力こそがヒトが人らしくあるための特別の能力だと先生はいいます。

では、その能力はどのように進化して来たのか。
生後1年間、ヒトの赤ちゃんは目覚ましい勢いで発達をしていきます。その過程はあたかもヒトが人らしくなる進化の過程を見るようです.科学技術が進歩し、もの言わぬ赤ちゃんの優れた能力が次々に明らかにされてきました。例えば、モニター画面をみるだけで、見ている人の視線の先を追う事が出来る装置では、赤ちゃんが産まれて間もない時から、幾何学図形の動きよりも生物らしい動きのものを見ることを明らかにしました。また鏡で自分の姿もみたこともなく、まだ話す事もままならない生まれたての赤ちゃんも、“ア、ア、ア”や“ム、ム、ム”といった言葉をきいてその発音の形に口を動かすこともできるそうです。明和先生は、ニルス(NIRS)といわれるヒトの脳活動を調べる機械の新生児用サイズを開発されました。京大付属病院との共同研究では、新生児がすでに大人と同じように外の音をきいていること、また触覚によってより広い範囲で脳が活動していることがわかったのだそうです。「触れる」という触覚経験が赤ちゃんの時期の脳の発達にいかに重要かということが考えさせられました。

こうした数々の赤ちゃんの能力は、いつ、どのように獲得されてきたのか。
先生は、胎児期からの赤ちゃんの感覚経験に注目されました.産まれる前から赤ちゃんはお腹の中ですでに様々な感覚経験をしているそうです。例えば、聴覚。骨伝導により、赤ちゃんは毎日お母さんの声を聞いています.心拍を計測した研究によると、赤ちゃんは自分のお母さんと他の女の人との声を聞き分ける事ができるそうです。お母さんの声を聞いた胎児は、心拍をはやめ、口をぱくぱくと明ける動作をはじめるそうです。また、胎児は羊水の中で指吸いをすることは知られていますが、これも偶然口にはいるのではなく、ちゃあんと指がくるまえに口があいて、指か来るのを待ち構えている、予期的に自分の身体を動かしているということも分かりました.暗−い、お母さんのお腹の中で赤ちゃんは、赤ちゃんなりに身体を使って学習をしているんですね。目には見えないけれど、もうお腹の中から親子のコミュニケーションは始まっていると明和先生はいいます。


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講義の前半で、心に残ったことは、
@ 『共感』の能力こそがヒトが人らしくあるための特別の能力だということ
A 生後まもなくから多くの優れた能力を持つが、「触れる」という触覚経験が赤ちゃんの時期の脳の発達に非常に重要であるということ
B お腹の中ですでに赤ちゃんは身体を使って学習をし、目には見えないけれど、親子のコミュニケーションはすでに始まっているということ


ヒトらしさの特徴、胎児•乳児期の触覚経験の大切さについて理解した上で「発達しょうがい」について、再考したいというのが明和先生の最近のご研究テーマ。後半はこの内容についてのご紹介でした。

日本は先進国の中でも早産の出生率が、他の国に比べて加速的に増えているそうです。そして、そうした早産のお子さんの中には、学齢期になって何かしら社会の中での「生きにくさ」を感じているお子さんの出てくる確率が高い。先生はその「生きにくさ」の要因が何からきているのか、どういった生育環境が影響しているのか明らかにし、そうした子ども達をなるべく早い時期からフォローするような環境を整えるべきだと考えてらっしゃいます。

まず、いつからその「生きにくさ」の特徴があらわれでるのかについて、いま京大付属病院の小児科外来の先生の協力をえて、調査が進められています。今年で4年目にはいるこの調査では生後半年から半年ごとに検査を行い早産のお子さんの発達的な特徴を明らかにしようとしています。検査の内容は、いままでの他の研究者による成果から、自閉症の子どもにあらわれる「物を見る特徴」をチェックするシステムになっています。例えば、彼らは人や生物の動きよりも、幾何学図形の動きを好んで見るなどです。チンパンジーとの比較による研究成果から、ヒトとチンパンジーでは物の見方が大きく異なる事を見いだしてきた先生の意見では、自閉症等と診断され、社会での生きにくさを持っているお子さんは、世界の物の見方や、感じ方など様々な感覚経験自体が、いわゆる「定型発達」といわれる大多数の子ども達と違うのではないか、いろいろな意見もあるけども、先生としては、そうした彼らの生きにくさの要因を早くに見つけてあげ、理解し必要なフォローをしてあげることが必要だと感じられているそうです。

「ひよこクラブ」など赤ちゃんをお持ちの保護者向けの雑誌の監修もされている明和先生。最新の赤ちゃん研究について、赤ちゃんを育てているお母さん達にわかりやすい言葉で伝えて行く講演活動も活発にされています。そうして、いわゆる基礎研究(ある事柄がおきている状態を明らかにする研究。それがどうすれば違う状態になるのかと行った事は応用研究)と保育や子育て支援などの現場をつなげて行く活動をされたいそうです。
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