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いのちを繋ぐ営みとしての子育てー歴史に学ぶ、絵本から学ぶ [2015年11月09日(Mon)]
生み育てる人の心と体に寄り添うための
子育て支援者「15のまなび」の第11回は

11月7日(土)10:15〜12:15
         12:30〜14:00  

「いのちを繋ぐ営みとしての”子育て”ー歴史に学ぶ」

沢山美果子先生 
   岡山大学大学院客員研究員
P1060357.jpg

”子育て”と”育児”という言葉に対して
「あなたが抱くイメージは?」という問いかけから
始まりました。

どちらかというと、「育児」は家の中といった狭い感じで
「子育て」はもう少し広がりがあり、
包括的な感じといったとらえ方をしている意見がでました。
 よく使われている言葉ながら、意外とその違いは
 はっきりわかってなかってないものですね。

歴史的に見て、どちらが先にあった言葉かというと、
じつは”子育て”が先、

 江戸時代からある言葉で
 江戸時代では、親が育てられない時は
 村で育てるという感じで、捨て子も多く、
 村の中でも豊かな家に拾われるように
 捨て子をしていたのだとか。

 武家の家では、家をつないでいくことが重要で、
 1年おきの妊娠で、母胎が弱り
 母子共に亡くなることも多かったため、
 養子をもらうということが一般的だったよう。

”育児”という言葉がでてきたのは
近代に入ってからで
女学校むけの教科書にでてきているのだそう。

 家庭の形変わっていく過程で
 実の子が大事、わが子と母親の結びつきが強まり、
 わが子への教育に集中していく中で、
 育児は女性がするものという考え方のもとに
 子育てが家庭の中に閉ざされた過程の中で
 でてきたものなのだとか。

現代になって、学歴や知力重視の育児から
もっと人間的な豊かさを復活させようという意図から
”子育て”の言葉が復権し、
”子育て支援”という言葉として広まってきているようです。

母親むけのお話しをされた時に、
母親が反省したり、落ち込んだりされることが
あったことから、親自身がのびのびと育つためには
どうしたらいいか?

「お母さんの通信簿」という本のお話しから、
 家事、育児、仕事と
 なんでもかんでも自分でがんばろうとしても
 実際はできないことがある。
 そんな時に
「助けて」と言える力を母親がもつことが大事。

助けてと言えるような、人間関係を作っていることが
必要になってきます。

 助けを求める力は、私が思うに
 子育ての場面だけでなく、介護の山を
 超えていくときにも、生涯にわたって
 必要な力ではないかと思います。

後半は絵本を紹介しながら
子育てにとって大切なことをお話ししていただきました。

「おおかみと七ひきのこやぎ」
   フェリクス・ホフマン  せた ていじ訳
   福音館書店

 保育園の2歳の子どもたちに読み聞かせをしていくと、
 絵本の絵をよく見ていて、
 新しい発見をしてくれるというエピソードから、
 いい絵本、いい文化から、いいものを発見していく。

子どもは、いい文化を食べて大きくなるもの、
だからこそ、大人は、
いい文化を伝えていくことが大切。

「サンタクロースって、ほんとにいるの?」
  文 てるおかいつこ 絵 すぎうらはんも
  福音館書店

 経済学者であるてるおかさんが、
 実際に幼稚園児に読み聞かせたりして
 どういう言葉で表現したらいいかを探り
 制作までに3年かけてできた絵本だそうです。

サンタクロースとプレゼントにまつわる
エピソードは、各家庭それぞれにあるでしょう。

親が涙ぐましいまでの工夫をしてまで、
サンタクロースを信じさせることに、
どういう意味があるのか?を考えていく中で

 松岡享子さんの 「サンタクロースの部屋」
 という本の中にその答えを見つけられました。
 
 子どもはサンタクロースを信じることで、
 心の中に、サンタが住む部屋を作ることができる。
 サンタはでていってしまっても、
 それに代わる存在として、その部屋に
 友達や家族、恋人を住まわすことができると。

サンタを信じることで、
人への信頼の空間を心にもつことができ、
人への信頼をもつことが
人へ助けを求めることにつながるのではないか。

歴史を学ぶことで、
今、自分がどこにいるのか、
そこから自分自身を見直していくこと
=自己相対化することで、
自分自身を育てていくことにつながっていくのでは。
というお話しで、講座は終わりました。

ランチの後は、参加者お一人ずつ
感想やら、印象に残った言葉、
今感じている課題などをお話ししました。
PB071396mini.jpg

最後に、沢山先生から、
それぞれが、自分の中に問いを持ち続けることが
大切という言葉をいただきました。

参加された皆様にとっても、
問い続け、学ぶことの意味にあらためて
気付くことのできる機会になったことと思います。
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