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NPO法人成年後見推進ネット これから

NPO法人 成年後見推進ネット これから のブログです。
広く一般市民を対象として、成年後見制度を推進するために、成年後見制度の啓発普及活動、後見人育成のための教育活動、成年後見人の受任事業、成年後見を考えている介護家族への支援・相談活動、後見人の自己研鑚・情報交換の為の後見人ネットワークの構築を図ります。


ご案内:5月これから塾「フレイル予防と食事」 [2018年04月09日(Mon)]
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2018年5月これから塾.pdf
5月のこれから塾(第22回)のテーマは「フレイル予防と食事」です。
最近よく聞く「フレイル」。高齢者の身体機能や認知機能が低下して虚弱となった状態を言うそうです。そのような状態になるのを防ぐための食事のヒントを今回は学びたいと思います。お話しは、西武池袋線石神井公園駅北口にある「メディケアクリニック石神井公園」の管理栄養士・上園氏朋美氏です。外来患者の方や訪問での栄養食事指導や栄養に関する相談等を開催し、地域栄養ケア活動拠点として栄養や食事の支援をしています。
日時:5月1日火曜日 13:30から15:00 40分ほどのお話しとその後のQ&A
場所:練馬区・街かどケアカフこぶし(西武池袋線練馬高野台駅北口1階)
これから塾第21回「成年後見Q&A~寸劇とともに」を聴講して [2018年04月09日(Mon)]
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新年度初めの4月のこれから塾は散り始めの桜の間に若葉が見え隠れする穏やかな陽気に恵まれました。
今回は、成年後見Q&Aということで、私ども「これから」得意の寸劇仕立てで、成年後見制度の説明を行いました。
男性からの相談内容は、姉が認知症になってしまい銀行から「成年後見人をつけて」という依頼があったけれど、どうすればいいの?というものです。
相談員から「本人の判断力がなくなった場合に本人の望む生活を周りが支援する制度ですよ」という説明がありました。
判断力がなくなる前にそれに備えて後見人を決めておくのが「任意後見」、判断力がなくなった後に家庭裁判所に申し立てて後見人を付けてもらうのが「法定後見」だそうです。
「判断力がなくなったときに成年後見人をつける、実はこれがなかなか難しい。何しろ、当の本人は最初はボケたらどうしようなんて言っていたとしても、年月がたってしまうとそんな心配は通り越して、うん、わたしは大丈夫っていう心境になってくる。」
「そうなると、周りから見てこれはおかしいのでは…というような段階になったとしても、本人はいたって平気と思っているものだから、どうしようもなくなってしまう…。」
なかなか切実なお話で、会場からは「まさに身につまされる話です」という声がありました。
これから塾の後、持参したお茶菓子を前に、成年後見を話題にしてそれぞれの思いを語らっている方々もいらして、今回のテーマは皆さんの心に残せたように思えました。(KH)
講演「家族信託を知ろう〜安心の老後を過ごすために〜」を聴いて(第11回定時会員総会公開講演会) [2018年04月09日(Mon)]
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3月11日開催の第11回の定時会員総会に先立って、公開講演会として「家族信託を知ろう〜安心の老後を過ごすために〜」と題して、司法書士の海埜千果先生にご講演を頂きました。最近、新聞やテレビでも「家族信託」という言葉を目にすることが増え、どういうものか知りたいという思いで企画しました。84名もの方にお集まり頂き、熱心に聴いて頂きました。
 海埜先生は、家族の大事さを感じたご経験から、大切な家族のための手段として家族信託があるとお考えです。家族信託の基本は、@委託者、A受託者、B受益者の三者が関係する契約の一種であるということ、委託者(例:高齢の父)が、受託者(例:信頼できる子)に一定の財産を託して、託された受託者が受益者(例:高齢の父)のために管理、活用、処分することです。似ている名前の「投資信託」や「遺言信託」は、金融商品や遺言作成のサービス名であるのに対して、「家族信託」は、信託法や信託業法に基づいた財産管理の一つの手法だということです。
 具体的な事例をお話して頂く中でわかってきたことは、遺言はその方が亡くなった後にしか効力がありませんが、家族信託では存命中、認知症になった時に受託者が財産を管理でき、第二受益者・第三受益者を決めておくことで亡くなった後には遺言のような効力を持たせることもでき、また、成年後見制度のように家庭裁判所の監督を受ける煩わしさがないということです。これはメリットですが、反面、監督されないということは、受託者の権限の乱用を防止する手立てが必要となります。海埜先生は、家族間でよく話し合うこと、委託者と受託者だけでなく、受託者にならない他の子(例:受託者の兄弟やその配偶者)の理解や了解を得ておくことが大切とお話くださいました。
 家族信託を導入する場合の流れのお話の中では、ご家族からのヒアリング、契約書案の作成、それを公正証書にして、信託財産のうち不動産は登記をし、現金は管理用の口座を新設するなど具体的なお話がありました。公正証書には、しなくてはいけないわけではありませんが、親族間のトラブル防止のためにも強くおすすめしているとのことです。
 まだ、新しいしくみで、受託者の監督をどうするかなど課題もあります。成年後見制度のような「制度」ではなく、あくまでも「契約」であることを理解して、所有する財産をどうしていくかを考えていく時のひとつの手段として、「家族信託」という方法があるということを学ぶことができました。認知症などで判断力が衰えてからではなく、元気なうちに本人の意思で、準備しておくことが大切です。
 時間をオーバーするほどのご質問を頂戴し、海埜先生には丁寧に答えて頂きました。皆様の関心の高さを感じるとともに、質疑の中で、理解も一層深まりました。海埜先生、ご参加の皆様ありがとうございました。