YOSAKOIソーランにも挑戦 発達障害の子どもたち [2008年07月30日(Wed)]
YOSAKOIソーランを踊る子どもたち 札幌の風物詩ともなった6月の「YOSAKOIソーラン祭り」に、発達障害の子どもたちも参加し、見事踊り終え、親と手を取り合ってうれし涙を流す光景があった。札幌市南区のNPOさっぽろこどもさぽーと(古川孝士理事長)が運営するデイサービス「のびのび」に所属し、発達障害克服のために、様々なケアを受けている子どもたちだ。子どもたちの支援の場をつくりたいと、こどもサポートを設立して4年が過ぎ、古川さんは「社会に子どもたちをお返ししたい」と、活動の幅を広げたいと意欲を見せている。(写真:のびのびに通ってきた子どもたち) 古川さんは、社会福祉施設で16年間働いたあと、2003年にこどもサポートを設立、発達障害の子どもを中心にした障害児を預かる「のびのび」を04年からスタートした。07年には日本財団の支援でのびのびの壁や床の補修を実施し、冷暖房装置も更新した。札幌市内には約6000人の発達障害を持った子どもがいるとみられているが、こうした子どもたちを対象にしたデイサービスの施設は当時札幌にはなかった。現在のびのびが預かっているのは、発達障害の子どもが7割で、そのほか重度心身障害児もいる。(写真:古川理事長) 7月中旬のある日。午前の部(9時から11時半)、午後の部(学校終了時から1−2時間)とも各6人(1歳半から中学生)が通ってきた。週1回は7人の中学生を対象にした中学生日も設けている。子どもたちと向き合う職員は7人で、いずれも幼児教育、心理士、社会福祉士、音楽療養士、保育士などの専門教育を受けた有資格者だ。(写真:古川理事長と打ち合わせる職員) のびのびは、子どもたちと家族が一緒になった、YOSAKOIソーランやキャンプ、音楽会、遠足、クリスマス会といった様々なイベントも実施している。YOSAKOIソーランには、札幌の「さああみんなでどっこいしょ」というチームの一員として子どもや家族、スタッフら約40人も参加。ことし6月の祭りでは、全部踊りきるのは難しいと思われていた子どもが頑張って最後まで踊り終えると、周囲から拍手が起き、抱き合って嬉し涙を流す親子の姿も見られた。(写真:日本財団の支援で改修したのびのび) デイケアの効果は大きく、走り回っていた子どもがちゃんとあいさつし、落ち着くようになるという。古川さんは「子どもに合った指導法を見つけるのが大事だ」と語り、中学生たちが高校生になっても受け入れることができるよう、近い将来は高校生コースを設けることを考えている。 YOSAKOIソーラン祭りは、6月上旬に札幌市で開催されるイベント。高知県のよさこい祭りと北海道のソーラン節をミックスして1992年から始まった。「さっぽろ雪まつり」と並ぶ北海道の名物となり、国内だけでなく海外からも観光客や参加者が多数やってくる。(石井) |