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自宅での死は特別ではない “虹”の中山さんが講演 [2008年07月18日(金)]


民家を改造した虹の建物

末期のがん患者などに、自宅で最期の時を迎えてもらおうという「在宅緩和ケア」が普及しつつある。仙台市のNPO「在宅緩和ケアセンター“虹”」も設立以来間もなく4年を迎え、地元に定着した。理事長の中山康子さんは、このほど千葉市の幕張メッセで開かれた日本ホスピス・在宅ケア全国大会で「地域で生き抜く道を創る」と題して講演、「自宅で最期の時を迎えるのは特別なことではない」と強調した。

中山さんは看護師として東北大医学部付属病院でスタートを切り、その後大阪の淀川キリスト教病院のホスピスに勤務。さらに東京医科歯科大で地域看護学を学びんだ。埼玉県の病院などを経て、2004年に“虹”を設立、高台の日本庭園を持つ2階建ての貸家を日本財団の寄付プロジェクト「夢の貯金箱」からの支援で改修、緩和ケアのデイサービスを始めた。(写真:虹の理事長中山康子さん)

“虹”では1日当たり10人のがん患者やALSなどの神経難病患者を受け入れており、中山さんは「病気があっても、自分の生活ができる地域ケアという視点」で患者たちを支えている。中山さんによると、日本の高齢者(70歳以上)の死亡場所は、1970年では自宅が77%(病院19%)だったが、80年に51%まで減り、85年には37%(病院61%)と病院と逆転した。以後、病院で亡くなる割合が増え続けている。「自宅で亡くなることは特別ではない」という中山さんは、在宅緩和デイケアの利点について「家族にとって休息となり、本人は社会性の回復につながる。病気は治せなくとも生活に広がりができる」と述べている。(写真:ホスピス・在宅ケア全国大会で講演する中山さん)

中山さんは“虹”での4年の体験から、末期の患者たちに対し(1)死のことばかりを考えずにきょうを大切に生きる(2)療養に必要な情報を整理する(3)主治医など医療関係者と信頼関係を結べるよう話し合おう(4)感情を抑え込まず、心の中にあることを信頼できる人に話してみる(5)支えてくれる人を増やす努力をする−の5点が大事だと呼び掛けている。(写真:日本庭園風の虹の庭)

《緩和ケア(WHO)の定義》 
治癒を目指した治療が有効でなくなった患者に対する積極的な全人的なケア。痛みやその他の症状のコントロール、精神的、社会的、そしてスピリチュアル(霊的)問題の解決が最も重要な課題となる。緩和ケア目標は、患者とその家族にとって、できる限り可能な最高の生活の質を実現することである。末期だけでなく、もっと早い病気の患者に対しても治療と同時に適用すべき点がある。(石井)
ブックマークに追加する Posted by 日本財団 広報チーム at 09:53 | 福祉・医療 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)