山のゴミで海のゴミを処理 「杉の油取り」普及へ [2008年04月15日(火)]
![]() 「杉の油取り」で油を回収している様子、2004年、広島県廿日市(提供:大分県産業科学技術センター) 杉の樹皮で海の流出油を回収し、回収後も微生物の力で分解処理できる吸着材「杉の油とり(すぎのゆとり)」を全国に普及させるための動きが始まった。同吸着材および分解技術を開発した大分県産業科学技術センターは同県内の施設で実験を進めるだけでなく、北海道など他の都道府県でもデモンストレーションを行い、新たな分解処理施設の普及に力を入れている。 「杉の油取り」の開発が始まったのは1997年。杉の樹皮に油の吸着作用があることを知った同センター研究員の斉藤雅樹さん(41)が、杉の産地として知られる地元大分県で処分に困っている製材後の杉樹皮の問題解決に役立つのではないかと着想を得た。海洋汚染防止活動などにも取り組む日本財団の支援や海上災害防止センターの協力を受けて商品開発までこぎつけた。(写真:斉藤さん) 同製品は、原料が100%天然素材で、うち70%が杉の製材工程で発生する廃棄物の杉皮であり、かつ油回収後も通常の燃焼処理ではなく、堆肥で微生物分解できることから「エコマーク」商品として認定(財団法人日本環境協会)されている。吸油能力は国土交通省の認可基準をかなり超える。また、製造は授産施設が担い、障害者の自立支援の一助ともなっている。(写真:杉の油取り)現在、油吸着後の分解処理は大分県の有機肥料工場で実験的に行われているのみで、全国で活用されているわけではない。同センターは環境にやさしい同商品を全国展開したいと考え、昨年、山口県と北海道で分解処理のデモンストレーションを行った。今後は北陸や瀬戸内地方などでもデモ試験や普及のためのセミナーを開く予定。 1997年のナホトカ号事件では、回収された海水も含めた流出油は6万キロリットルにも上り、すべてを焼却するのに3年以上かかったという。昨年、韓国でも大きな油流出事故があり、同様の事故が日本でもいつ起こるか分からない。「そのとき、再びすべてを焼却処理にしてしまうのか。これを繰り返さないためにも分解処理を進める必要がある」と、斉藤さんは問題提起する。(本山) |






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同製品は、原料が100%天然素材で、うち70%が杉の製材工程で発生する廃棄物の杉皮であり、かつ油回収後も通常の燃焼処理ではなく、堆肥で微生物分解できることから「