ベンガル湾諸国との経済協力を探る BIMSTEC東京会議 [2007年12月12日(Wed)]
日本財団で開かれたBIMSTEC東京会議 「ベンガル湾諸国と日本との包括的経済協力関係の構築」を掲げた「第3回・BIMSTEC国際会議IN東京」が3日、関係各国の政府関係者や研究者、それに国際機関の担当者ら70人が参加して港区赤坂の日本財団で開催された。1昨年のカルカッタ、昨年のバンコクに続く会合で、インドの「国際関係開発研究センター」と日本の社団法人「アジアフォーラム・ジャパン」が共催した。 BIMSTECは1997年、バングラデシュ、インド、ミャンマー、スリランカ、タイのベンガル湾5カ国で結成された経済協力のための機構。参加国の頭文字を組み合わせてBIMSTECと名付けられた。現在はネパールとブータンが加わって7カ国となり、「ベンガル湾技術経済協力機構」として活動している。笹川平和財団は同機構の経済研究活動を3カ年計画で支援してきており、東京会議はその集大成となった。(写真:米国の研究者も報告に加わった) 主催者のB. S. Malik国際関係開発研究センター理事長は「結成10年となるBIMSTECには、環境、気候変動問題という新たなテーマが生じている。また日本との関係では、移民に関する人口動態、エネルギー、技術移転などがキーワードとなっている。アジアの経済協力体制構築の道は遠いが、その実現へBIMSTECが一つの役割を担っている」と挨拶、日本の政府・産業界にベンガル湾諸国への関心を高めて欲しいと呼びかけた。(写真:「ベンガル湾諸国にもっと関心を」との呼びかけに聞き入る参加者たち) 会議は「日本の経済協力の責務」「包括的経済協力の展望と戦略」「BIMSTEC=日本の自由貿易協定の可能性」など5テーマにわたって報告と討論が行われた。元駐日インド大使のアルジュン・アスラニ日印フォーラム会長もアジアの経済統合に関するパネルの司会を務め、「各国間の通商交渉は進展を見せておらず、産業界が政治を後押しして自由貿易協定をサポートする意欲も弱い」との現状認識を示した。 ベンガル湾諸国にとって日本は巨大な貿易相手国であるだけに、BIMSTECの存在を日本に広く発信することと、日本との経済協力拡大の可能性を探ることが東京会議の大きな狙い。報告者からは「タイとインドに集中している日本の関心を、ベンガル湾全域に広げることが双方の利益になる」との考えや、日本は「知の移転」を積極的に進めて行くべきだとする意見が述べられた。「ゴールは遠いが、われわれはそこを目指す」(Malik理事長)ことを確認し合った東京会議だった。 (英文記事はコチラ) |