貴州大学16万冊の邦書 現地で寄贈式 [2007年10月01日(Mon)]
貴州大学での図書寄贈式 日本科学協会(大島美恵子会長)は日本財団の支援で、日本国内の企業、大学、出版社などから収集した日本の図書を中国の大学に寄贈する「教育・研究図書有効活用プロジェクト」を推進、寄贈分が16万冊を超えた中国・貴陽市の貴州大学(陳叔平校長)で9月8日、図書寄贈式が行われた。この日、同大では日本図書が納められた「日本文献館」もオープンした。日本科学協会は、これまでに貴州大学を含む中国の24大学に対し約175万冊を寄贈しており、今後も継続し、日中の文化交流に寄与したいとしている。 図書贈呈式では大島会長と陳校長が「寄贈書」と「受領証明書」を交換した。日本文献館の開館式では、日本財団の尾形武寿理事長らが同大学の龍党委員書記らとテープカットをした。(写真右:日本文献館の開館式) 日本科学協会は、中国教育部、西部地域省政府等からの要請を受け、貴州大学に対し、2005年から計166,333冊を寄贈した。この結果同大の日本語関係図書の蔵書は中国の大学図書館の中でもトップクラスになった。これらの蔵書のうち約97,000冊は、首都大学東京(旧東京都立大学)への統廃合に伴い閉館となった東京都立短期大学図書館から一括寄贈されたもので、その蔵書構成がそのまま「日本文献館」に再現されている。寄贈図書の内容は、天文、地理、生物、科学、文学、社会など分野のみならず、30年以上前のものから最新のものまで、多種多様だ。受け入れに当たっては、日本語学部の学生たちが図書番号やラベル貼りなどに協力したという。(写真左:様々な分野の日本図書が並ぶ) 図書寄贈式で挨拶に立った尾形理事長は、会場に集まった約200人の学生たちに「この16万冊の日本語文献をどのように活用するかは、あなたがたの気持ち次第です。百聞は一見にしかずということわざがあります。日本の知識を深め、理解をして、そして日本を訪問してぜひ日中の信頼関係を築いてください」と述べた。 日本語図書の整理作業にかかわった学生の1人は「勉強せずにこれらの本を読み理解することはできない。本が読めなくて、自らの知識水準を高めることはできない」と感想を述べている。式典に参加して、こうした日本への関心が高く学習意欲のある中国人学生らの間で日本語図書が十分に活用され、これらの若人によって日中の友好関係が強固になって欲しいと思った。 (英文記事はこちら) |