海の体験教育(MARE) [2007年09月11日(Tue)]
ウエットスーツでスノーケリングを体験 米国で開発された「海を学ぶ体験型科学教育プログラム」による学習会が9月1、2日の両日、福井県若狭町の福井県海浜自然センターで開かれた。夏休み最後の週末とあって親子20組が神戸や京都からも参加、参加者は美しい入江と澄んだ若狭の海で、魚やプランクトンの研究と共にスノーケリングの指導も受け、こころゆくまで海を体験した。(写真:会場の福井県海浜自然センター) 沖縄を本拠に、海に基づく科学研究と教育活動を実践しているNPO法人・海の自然史研究所と福井県海浜自然センターが共催した「海を学ぼう! MAREアクティビティー」。MARE(Marine Activities, Resources and Education)は子どもを対象に、米国カリフォルニア大学バークレー校で開発された「海の生物、環境問題など、海を通じて科学的な知識や考え方を身に付ける」カリキュラムだ。 海の自然史研究所はそうしたカリキュラムを日本版にアレンジし、教室を開設している。今回のMAREでは「魚! サカナ! さかな!」「プランクトン・レース」という二つの教室が開設された。小学校4年以上を対象とした今回の参加者は、実際に魚に触れながらその特徴や違いを観察した。またプランクトンはどうやって海中に浮かぶことができるのかをテーマに、子どもたちは布や針金など、身近な材料でプランクトンの模型を作って考えた。(写真:実際に魚に触れて特徴を観察) そうした基礎知識を基に、海浜自然センターが担当のスノーケリング教室では全員がウエットスーツに着替え、センター前に広がる世久見湾に潜水して海中体験をした。センターの協力ボランティアらの指導で潜水や呼吸方法を学び、子どもたちはしだいに深い海へと泳ぎだしていた。 海の自然史研究所には、全国の海浜関連施設から企画運営の相談が寄せられている。各地で建設される海洋施設を「海のハードウエア」とすれば、MAREは「海の学習ソフトウエア」とも呼べる存在で、双方を組み合わせることによって効果的な学習の場が生まれるからだ。小学生から中学生までの学年別プログラムがそろっており、教師や指導者向けのコンサルティングも行っている。米国とメキシコではすでに30万人以上の子どもたちがこの教育プログラムによって海を学んでおり、日本財団は国内におけるこの教育プログラムの普及を支援している。(写真:魚について、みんなで考えた) |