設立記念シンポ開催 親学推進協会 [2007年02月05日(Mon)]
教育の荒廃が叫ばれる中、「家庭からの教育再興」を目指して昨年12月発足した「親学推進協会」(会長・木村治美共立女子大名誉教授)の設立記念シンポジウムが2月3日、さいたま市民会館おおみやで開かれた。
親学は学級崩壊や校内暴力、いじめなど教育現場の混乱の元凶は学校、教師より、親や家庭にあるとして、「親としての学び」「親になるための学び」を通じて家庭の教育力の向上を目指す。英国・オックスフォード大の学長が2001年に提唱したのが始まりとされ、日本でもこの年、「親学会」が設立された。現在、埼玉県をはじめ大阪、兵庫など6府県で親に子育ての喜びと自信を持たせる親学プログラムなど実験的な試みが始まっている。 この日の記念シンポは埼玉県やさいたま市も後援。「親学を埼玉から全国へ」の副題も付けられ、会場には若い母親や教育関係者ら300人が詰め掛けた。あいさつに立った上田清司知事は「昔の子育てはもっとしっかりしていた。変わると思ってやれば必ず変わる」と親学の取り組みへの意欲を語り、シンポを助成する日本財団の三浦一郎常務理事は「親学が全国に普及するよう引き続き支援したい」と述べた。 次いで推進協会理事長の高橋史朗明星大教授が親学の現状や推進協会設立の経緯、今後の活動方針を中心に基調講演した後、木村会長をコーディネーターに上田知事や江口克彦PHP研究所社長ら5人のパネリストが現在の教育や子育ての問題点、親学との取り組み方などについて意見を交わした。 教育の荒廃をめぐっては、学校や教師に対する批判が強まる一方、しつけまで学校に委ねる親の身勝手さも目立ち、改正教育基本法では、子の教育の第一義的責任が親にあることが明記されたほか、教育再生会議の第1次報告も、これから親になるすべての人や乳幼児を持つ保護者に親学を学ぶ機会を提供する考えを打ち出している。(M) 2月3日開催の設立記念シンポジウム |