鑑真上陸地で薩琉の歴史展 坊津の輝津館 [2010年01月13日(Wed)]
![]() 輝津館から見た坊浦の双剣石 鹿児島県南さつま市坊津は、かつての遣唐船の発着地で、唐僧・鑑真の上陸地として知られる。江戸時代、歌川広重(安藤広重)は坊浦の双剣石を美しい浮世絵に描いた。その坊浦を望む高台にある南さつま市坊津歴史資料センター「輝津館」(きしんかん)で、薩摩(現在の鹿児島県)と琉球(同、沖縄県)の交流に関する資料を集めた企画展「海が繋いだ薩摩―琉球の400年」(日本財団が支援)が13日まで開催された。この企画展は、薩摩と琉球の歴史のうち特に草の根交流に光を当て、貴重な歴史的資料を集めている。 |
![]() 企画展会場で、橋口学芸員 輝津館は前身の歴史民俗資料館が老朽化したため2004年に建て替えられ、3階建ての近代的資料館に生まれ変わった。1階が企画展、2階が坊津の歴史を示す常設展示をしている。企画展は海と船の博物館ネットワーク協議会の「海と船の企画展」の一環としてこれまでに「黒潮の食文化」(07年)、「海上の道と陶磁器」(08年)などを開催している。 ![]() 宴席用の琉球漆器・東道盆 今回の企画展は、09年10月16日にスタートした。薩摩の島津氏が琉球に侵攻したのは1609年のことで、これ以降琉球は薩摩の支配下に入る。企画展はそうした薩流交流400年の節目として、その歴史を振り返るもので、数十点の資料を基に「人」と「物」との交流を浮かび上がらせている。「人」の交流に関しては、薩摩から琉球への茶道の伝来を示す記録や琉球から薩摩への船の航海手形、双方の民間レベルの草の根交流を示す真言宗寺院保管の本尊など、学者の協力も得て鹿児島県内の各地から集めた資料を展示した。 ![]() 薩摩藩御用船千種丸の旗幟 「物」に関しても、出土した「琉球銭」や特攻の母といわれ知覧町(現在の南九州市知覧町)で旅館を経営していた鳥浜トメさん(坊津出身)から提供された泡盛を入れる「荒焼徳利」、東道盆(とんだぼん)といわれる宴席用の琉球漆器、サトウキビの収穫用として琉球に渡った「加世田鍛冶」(南さつま市)製造の鎌類など珍しい品々が並んでいる。 ![]() 薩摩から琉球へ渡った鎌類 今回の企画展について、輝津館学芸員の橋口亘さんは「歴史の検証も大事だが、私たちは民間の交流を中心に考えた。坊津は歴史的な港町で、中世の港の姿がそのまま残っている。ぜひ、輝津館に足を運んでほしい」と話している。(石井克則) |












