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“海の不思議を探る” 横浜で海洋シンポ [2009年11月18日(水)]

横浜国立大の創立60周年を記念したシンポジウム「海の不思議を探る」が11月14日、横浜市で開かれた。日本財団が助成する寄付講座の一つで横国大総合的海洋教育・研究センター(海センター)の主催。講演やパネルディスカッションで深海生物の不思議な生態や水族館と海、地球に残された最後のフロンティアとされる海洋底を中心に幅広い議論が行われた。(写真:シンポジウムを案内した冊子)

同大では「横浜から海洋文化を育む」をテーマにした連続シンポジウムを2006年から開催しており、今回の記念シンポはこの7回目。横浜開港150年に当たる今年は、90年前に市民の寄付で建設され、国の重要文化財にもなっている赤レンガの横浜市開港記念会館が会場に当てられ、100人近い学生や市民が参加した。
シンポはオーストラリア出身の海洋開発研究機構研究員ドゥーガル・リンジー氏による「不思議な深海生物の生態・分類研究」、横浜・八景島シーパラダイスの飼育係、小賀坂理恵さんの「水族館における“海”の展示」、横国大環境情報研究院の有馬眞院長による「海洋底:地球に残された最後のフロンティア」の3講演と、「海の不思議を探り、海の生物を守る」と名付けたパネルディスカッションの構成。(写真:会場となった横浜市開港記念会館)

この中でリンジー氏は「しんかい6500」や深海生物追跡調査ロボットによる調査結果を中心に講演。エビや魚が中心と見られた深海には驚くほど多くのクラゲが生息しており、中でも1913年の新種登録以降20例ほどの報告例しかなかった赤チョウチンクラゲが多数確認された事実などを報告、「クラゲは1万種以上に上るとみられ、多くは毒を持っており、将来、薬にも使えるようなタンパク質が見つかる可能性もある」と語った。

小賀坂さんは、いろんな魚が入りコンセプトが今一つ不明瞭だった同水族館の大型水槽(水量1500トン、水深8メートル)の魚を大型魚、中型魚、小型魚に再構成し「食う、食われる」の捕食関係を明確に位置付けることで「水族館が持つ教育機能がより強化された」と報告した。

また有馬氏は海底下7000メートルまで世界1の掘削能力を持つ地球深部探査船「ちきゅう」=2005年完成=による調査を進めることで生命の起源や地震発生の仕組み、地球規模の環境変動、海底資源の解明などが大きく進む、とした上で「極地など一部を除きフロンティアが少なくなった陸地に比べ、全体の7割を占める海底は鉱物や新しいエネルギー資源の宝庫。特に世界で6番目の広大なEEZ(排他的経済水域)を持つ日本は資源大国となる可能性を秘め、これをどう活用するかが今後の課題」と指摘した。


パネルディスカッションも開催

このほかパネルディスカッションでは国連海洋法条約に基づく各国の海洋保護区の取り組みや漁業資源の現状などについて議論が行われ、会場からは「日本は海に囲まれた海洋国家でありながら依然として島国の段階にとどまっている」と本格的な海洋政策の必要性を指摘する声も出た。(宮崎正)
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Posted by 日本財団 広報チーム at 09:24 | 海と船 | この記事のURL | コメント(0)
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