東海最大の食品イベントでフードバンクPR 生活困窮者に食料支援 [2009年08月21日(Fri)]
食品イベント会場の入り口/NPOセカンドハーベスト名古屋のブース 「フードバンク」という言葉を知っているだろうか。パッケージの印字ミスや損傷、缶のへこみ、賞味期限が近いというような理由で市場性を失ったが、安全でまだ十分食べられる食料品を企業などから集め、生活困窮者の支援団体へ提供する活動だ。米国では社会システムとして定着しており、日本でもここ数年広がりつつある。今年1月にNPOセカンドハーベスト名古屋が東海地域初のフードバンク団体として設立され、活動を広げようと、このほど開催された食品関係企業による東海地方最大級の食品イベントに出展した。 |
食品イベント(トーカンプレゼンテーション)が開かれたポートメッセなごや このイベントは、食料品問屋で食品ロスやフードバンク活動に力を入れている株式会社トーカン(菊子健二社長)が名古屋市内で開催した。約460の企業ブースが軒を連ねる中「地元で頑張っている団体を応援し、問屋の立場から食品ロス問題の解決の一助になれば」と、地元NPOとして唯一セカンドハーベスト名古屋にPRブースを用意。7月15〜16日の2日間の開催期間に多くの企業関係者がブースを訪問、フードバンクの活動について熱心に話を聞いていた。 ブースにて企業役員へ活動説明と協力依頼を行う瓦井理事 集まった食品は最終的に母子家庭、ホームレス状態にある人、在日外国人家庭などに届けられるが、そうした生活困窮者のニーズは多く、現在扱っている食料品では到底足りない。セカンドハーベスト名古屋は、組織としてより充実した活動を展開していくためNPO化した今年を「PRの一年」と位置付け、各種イベントへの参加をはじめ企業訪問などの活動を積極的に行う計画で、日本財団も支援している。今回のブース出展で、数社から食料品提供について打ち合わせを後日持てることとなった。事務局長の瓦井由子さんは「応援してくれる人たちに感謝しています。食料品とともにパワーもいただいている。大変な状況の中でも頑張って生活している人たちに、しっかりとつなげたい」と語った。 笑顔が素敵なスタッフ。左から学生の小西さん、自営業の洞山さん セカンドハーベスト名古屋のスタッフは主婦、学生、企業経営者、在日外国人、大学教授と個性豊かで、食料品を媒体にして企業、生活困窮者、生活困窮者の支援団体など地域の様々な人と物がつながっているのが特徴だ。今年5月からは家庭に眠っている賞味期限前の食料品を集め生活困窮者へ配布するフードドライブ活動も開始し、各家庭単位での参加も可能となった。さらに、地元中学校から講演依頼もあり、子どもたちの反応も上々だ。瓦井さんは「貧困問題に加え、食を通じた環境問題の改善にもつながっています」と、活動の意義を強調した。(山下大輔) |