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棋聖の舞台で新しい街づくり 尾道の市民劇団が公演 [2008年11月05日(水)]


本番直前のリハーサル(因島市民会館で=「尾道てごう座」提供)

土地にゆかりの歴史上の人物を演劇の形で掘り起こし、郷土への理解と愛着を深めて行こうという活動が広島県尾道市で続けられている。NPO法人「尾道てごう座」が年1回のペースで公演を続けている市民演劇活動だ。今年の演題は因島が生んだ棋聖・本因坊秀策の生涯を描く「秀策・虎次郎ものがたり―神童の目」。今月9日、本因坊秀策の囲碁記念館が開館した記念事業として尾道市因島の因島市民会館で上演される。
尾道てごう座は10年の活動実績を持つ市民劇団だ。これまでに「林芙美子」「平田玉蘊」「横山美智子」「小林和作」ら、地域ゆかりの文人や画家らを取り上げ、演じた出し物は12作に及んでいる。今回の本因坊秀策は13作目で、尾道市が昨年、因島市などと合併したことを機に、新しい地域文化を生み出そうとする意欲的な舞台でもある。(写真:合併で新しい歴史を刻み始めた尾道市)

とはいってもこの「劇団」は、尾道で朗読の会を楽しんでいた女性ら10人が、「これからは演劇もやりましょうよ」と盛り上がって始めたグループだから「プロ」はいない。NPO組織となった今も、公演のたびに役者や裏方を市民から募集、半年以上稽古して上演にこぎ着ける。

今回の主役は市内の飲食店のご主人。これまでの舞台経験や本因坊秀策にふさわしい風貌などの理由で選ばれた。また虎次郎(秀策)の才能を見出した地元の豪商役は鮮魚卸業のおじさんだ。ほかに病院事務職や介護ヘルパーさんら多士済々。囲碁が「市技」である旧因島市からは、囲碁倶楽部に通う因北小学校の児童たちが見事な手さばきを披露する。(写真:「秀策・虎次郎ものがたり」のポスター)

尾道港の岸壁に並ぶ倉庫群の一角を稽古場にして、週2回のペースで稽古を続けて来た。裏方も加えれば30人ほどの大所帯で、みんな手弁当で参加している。原作者の村上幹郎さんは因島出身。「合併したとはいえ、因島と尾道には文化的違和感がある。それが今回の公演によって、融和への契機がみつかるのでは」と期待している。(写真:尾道港の県営倉庫内の「てごう座」稽古場)

劇団名の「てごう」には、みんなが力を合わせて一つのものを創って行く「手合」の思いが込められている。「てごう座」の鍛冶川孝雄副理事長は「瀬戸内海交易で栄えた尾道には、地元の文化活動を応援しようという気風が今も色濃く残っている」と指摘、今回は因島地区も含め、市民の応援に手応えを感じている。今公演のプロデューサーである田島美鈴理事長は「それだけに責任もあり、必ず素晴らしい舞台をお見せします」と語っている。(写真:プロデューサーとして公演実現へ走り回っている田島理事長)

この舞台は、年明け1月11日には尾道の「しまなみ交流館」でも上演される。日本財団は今回の「尾道てごう座」の活動が、市町村合併によって生まれた新しい生活圏に、文化的啓発と市民意識の融合をもたらす狙いであることに注目し、支援している。
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Posted by 日本財団 広報チーム at 08:58 | 文化・教育・社会問題 | この記事のURL | コメント(0)
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