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捕鯨の歴史と文化を紹介 横浜マリタイムミュージアムで企画展 [2008年09月03日(水)]


土佐光則作の江戸初期の捕鯨図屏風

昔から日本人と縁が深い捕鯨の歴史を紹介する企画展「捕鯨と日本人−文化としての捕鯨」が8月16日から9月28日までの日程で横浜マリタイムミュージアム(海事博物館)で開催されている。捕鯨をめぐっては国際捕鯨委員会(IWC)が資源減少を理由に「商業捕鯨一時停止」(モラトリアム)を打ち出し、日本では1987年からミンククジラを中心にした南氷洋での「調査捕鯨」とIWC管轄外の小型クジラの沿岸捕鯨をしている。日本の捕鯨に対して過激な反対行動をする海外の環境保護団体も目立っており、企画展は「捕鯨とは何か」を考えるうえで貴重な材料を提供してくれる。(写真:四日市市に伝わる「鯨船神事」用の2体のクジラ模型)

企画展は日本財団が支援し、クジラにゆかりのある和歌山県太地町の「くじら博物館」をはじめ、全国の博物館、図書館などの協力でクジラに関する約200点の資料を展示、日本の捕鯨の歴史と文化を詳細にたどっている。展示は「鯨と民俗」から「捕鯨の歴史1−古代から近世まで」「捕鯨の歴史2−沿岸から南氷洋へ」「商業捕鯨モラトリアムと捕鯨文化の現在」の4つのコーナーから成っており、写真や絵図、捕鯨に使うモリなど、クジラにまつわる珍しい品々が次々に目に入る。(写真:横浜市で発掘されたヒゲクジラのあごの骨)

「鯨と民俗」では、三重県四日市市に伝わる「鯨船神事」に使われる2体のクジラの模型や太地町の東明寺にあるクジラの墓や供養碑の写真などがあり、クジラが昔から庶民の生活の中に入り込んでいることが理解できる。「捕鯨の歴史1」では、土佐光則作の江戸初期の捕鯨図屏風(国立歴史民俗博物館)の複製や、セミクジラのひげでぜんまいがつくられた江戸時代の茶運びからくり人形などに足を止める入場者が多い。昨年横浜市中区元町で発掘されたヒゲクジラのあごの骨(約1b)も初めて公開された。(写真:歌川国芳作の錦絵 大漁鯨のにぎわい)

「捕鯨の歴史2」では、米国の捕鯨への進出やクジラ資源をめぐる対立の歴史に関する資料を集めたほか日本捕鯨全盛期のクジラ肉宣伝ポスター(女優の八千草薫さんを起用)や横浜ベイスターズの前身・大洋ホエールーズのユニフォーム(元主力選手の重松省三さんから借用)などを展示している。最後のコーナーの「捕鯨文化の現在」では捕鯨をめぐる議論に関する雑誌や漫画を集め、さらにクジラに関する催しを中心に紹介した。(写真:往年の大洋ホエールーズのユニフォーム)

この企画展を担当した帆船日本丸記念財団の山口祐輝学芸員は、企画の意図について「日本の捕鯨の歴史と文化を再認識し、捕鯨問題の将来を考えるきっかけにしてほしい」と、話している。入場者は親子連れが多いが、外国人の姿もあるという。9月7日には捕鯨に詳しい高橋順一桜美林大学教授の記念講演も予定されている。(石井 克則)


*動画はコチラ(1:51秒)


ブックマークに追加する Posted by 日本財団 広報チーム at 10:05 | 海と船 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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