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技術だけではなく心の教育を 小沼さん再びインドネシアに [2008年08月28日(木)]


車両整備技術者の小沼さん

「長年お世話になった海外に恩返しをしたい」。そんな想いを胸に今年11月、1人のシニアボランティアインドネシアの首都ジャカルタへと飛び立つ。車両整備の技術者である埼玉県在住の小沼守さん(63)だ。東京の技能ボランティア海外派遣協会(NISVA)から派遣され、2回目のジャカルタでボランティアの仕事をするという。NISVAは、日本財団の支援でアジアの途上国にシニアボランティアを送り出している。この活動は、団塊世代に新たな生きがいを提供する場の魁になっている。

小沼さんは、2007年11月30日から今年5月26日までジャカルタのバス会社「SINAR JAYA」でボランティア活動をしてきた。240人近い現地従業員を相手に、主に整備技術の向上や路上故障の削減に関する指導に当たった。「SINAR JAYA」は1050台のバスを保有し、インドネシアで第3位を誇る。小沼さんは現役時代、日野自動車に勤務した。20歳からアジアを中心に各国で運行管理や整備業務を担当し、インドネシアには9年6ヵ月の滞在経験がある。そのため現地の食生活には慣れ親しんでおり、生活面でも得意のインドネシア語と英語を使い分け、不自由することはなかった。(写真:「SINAR JAYA」の従業員と小沼さん)

「SINAR JAYA」がジャカルタから中部まで運行しているジャワ島は、人口約1億人で、バスが交通手段の中心だ。そのためバス会社同士の客の奪い合いは熾烈で、停留所近くになると乗客獲得のためバスが猛スピードで抜き合うことも。当然事故も絶えず、日本では年間15%程度のバスの路上故障率が、インドネシアでは90%にも及ぶという。小沼さんの運行管理の知識・整備技術へのニーズの高さがうかがえる。

実際に指導を始めて気付いたのは、技術以前に職場環境そのものの改善の必要性だったという。乱雑な環境でどれだけ車両整備の改善活動を行っても従業員の意識高揚に繋がるはずがないと感じたからだ。そこで小沼さんが掲げたのが「3S活動」。3S(整理、整頓、清掃)をモットーに、週に一時間、全社挙げての清掃活動を実施した。時間はかかったが、職場環境は改善され、従業員の意識も変わっていった。(写真:従業員による清掃活動の様子)

技術のみならず整備業務に携わる者としての「姿勢」も指導した。「70歳ぐらいまではこのまま海外のボランティア活動に携わりたい」と志は高い。11月の再訪で小沼さんが定着させようとしているのは、技術だけではなく、「心」。「心の定着がなければ、どれだけ指導をしても、それが根付くことはない」という。前回よりも長い、2年間という時間をかけて、インドネシアの人に技術と心を定着させることを目標にする。インドネシアが大好きという小沼さんは、11月の出発が待ち遠しいようで、日に焼けた顔に笑みを絶やさず、質問に答えてくれた。(金成 恵梨)

*インタビュー動画はこちら(1:44秒)

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Posted by 日本財団 広報チーム at 08:55 | 国際 | この記事のURL | コメント(0)
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