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動き出した海洋問題 東大で海洋基本法制定1年のシンポ [2008年07月09日(水)]


会場の安田講堂

海に守られた日本から海を守る日本」への転換を目指して海洋基本法が制定されて1年。その記念シンポジウムが6月27日、東京大学安田講堂で開かれた。海事関係者ら約600人が参加したシンポでは、政治、行政、大学、企業関係者らが講演とパネルディスカッションを行い、海洋問題の現状を振り返り、将来のあるべき姿を探った。(写真:東大で開かれたシンポジウムに集まった聴衆)

この日はまず、海洋基本法フォローアップ研究会世話人の前原誠司・民主党副代表が「政治に求められる海洋国家日本の構想力」と題して基調講演をした。この中で前原氏は、政治学者の高坂正尭氏の著書「海洋国家日本の構想」(初版1969年)を引用しながら、海洋問題に政治がどうかかわるべきかについて持論を展開「安全保障の観点から海洋問題への取り組みが重要」と強調した。資源・エネルギーの確保や食糧・生産基地としての海洋の見直しも訴え「エネルギー、食糧の自給率を高める必要がある」と語った。
(写真:前原民主党副代表)

続いて、内閣官房総合海洋政策本部事務局長の大庭靖雄内閣審議官が法律施行に伴って動き出した海洋基本計画の内容について詳細を説明した。海洋政策研究財団秋山昌廣会長は、安全保障面から見た海洋政策について論じ「海洋に関しても覇権争いが始まっている」として「海洋部門の緊密な協力関係を中心とした新しい日米同盟の構築が必要」と指摘した。(写真:秋山海洋政策研究財団会長)
 
東大は、この4月に日本財団との間で海洋基本法を支えるための研究基盤づくりと海洋政策にかかわる人材の育成を目的に「総合海洋基盤プログラム」を立ち上げており、このプログラムの責任者である海洋アライアンス機構長の浦環教授が既に始まっているプログラムの内容を説明。「日本の海洋にかかわる基礎研究の予算は10−15億程度にすぎない」と語り、人材育成のためにも研究費の増額を訴えた。この後、「海洋新産業の創成−官と民との分担と協力」と題したパネルディスカッションがあり、学会、産業界の海事関係者が海洋関係産業のあり方について意見交換した。

海洋基本法をめぐっては、海洋基本法フォローアップ研究会(中川秀直代表世話人)が6月12日、太田弘子経済財政政策担当大臣に対し、「経済財政改革の基本方針」(骨太の方針2008)に「新たな海洋立国の戦略構築に向けた方針を盛り込むよう」要望書を提出。同23日に開かれた政府の経済財政諮問会議(座長・福田康夫首相)で了承された原案の中にも「資源・エネルギーの安定供給」の項目で「海洋基本計画に基づく取り組みを実施し、新たな海洋立国を目指す」という文言が盛り込まれた。(石井)
ブックマークに追加する Posted by 日本財団 広報チーム at 09:26 | 海と船 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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