成年後見制度を考えるシンポ ドイツの現状に学ぶ [2008年07月04日(金)]
![]() 成年後見制度を考えるパネルディスカッション 高齢化による認知症で判断能力ができなくなった人などのために、介護の手配や財産管理をする「成年後見制度」がスタートして8年。この制度の利用者は依然少なく、全人口の0.1%にも満たない。こうした現状を点検し、利用者が多いドイツの「世話制度」の仕組みを学習し、日本でも養成されつつある「市民後見人」の役割を考えようというシンポジウムが6月21日、東京・港区の日本財団ビルで開かれた。 成年後見制度の普及活動をしているシニアルネサンス財団が日本財団の支援で開催、NPO関係者や一般市民ら約100人が参加した。初めに日本成年後見法学会理事長で筑波大法科大学院院長の新井誠氏がテレビコメンテーターの南美希子さんのインタビューに答える形でこの制度の仕組みや現状を紹介、さらに後見制度をつくるに当たって参考にしたドイツの世話人制度についても解説をした。途中から「市民後見人の養成講座」を全国で開催した宮内康二・ニッセイ基礎研究所研究員もトークに加わった。(写真:語り合う新井さんと南さん)この中で宮内氏は「参加者が真剣で、もっとやってほしいという要望が強かった」と述べ、全国的にこの講座に対する関心が高いことを指摘した。続いて「制度利用で高齢者を守る」と題したパネルディスカッションがあり、成年後見制度にかかわりを持つ関係者から多彩な意見が出された。社会福祉士で、いけだ後見支援ネット代表の池田恵利子さんは「第三者が高齢者を見守る必要性を現場で感じている」と市民後見制度の必要性を強調した。市民後見人の会理事の和久井良一氏も「日常的な金銭管理と身上監護は市民ができることだ」と語った。 法律家の立場から冨永忠祐弁護士は「社会正義を実現する立場の弁護士として社会貢献の観点からこの問題に取り組みたい」と述べ、司法書士の大貫正男氏は「ドイツを参考に専門職で構成する世話人の組織をつくりたい」と語った。 シニアルネサンス財団によると、ドイツの成年後見制度である「世話制度」は、全人口の1・46%に当たる120万人が利用している。それに比べて日本の成年後見制度の利用者は全人口の0.09%に当たる12万人しかいない。判断能力の低下によって悪徳商法の餌食になる高齢者が跡を絶たず、こうした悪徳商法から高齢者を守るためにも、制度の普及が望まれている。(石井) |








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