冒険で自分と向き合おう 自然の中で人間塾キャンプ [2008年07月03日(木)]
![]() 地元の黒姫山麓でマウンテンバイクの基本を練習(「山壮辿子盛」提供) 「いまこそ子供たちにはアドベンチャー教育が必要だ」との考えから、大自然を教室にして「人間塾」を展開しているグループが、長野県北部の信濃町を拠点に活動している。NPO法人「山壮辿子盛(やまもりてんこもり)」だ。年間プログラムは北アルプス槍ヶ岳縦走、本州横断耐久サイクリング、オーバーナイト(徹夜)ハイキング、雪中キャンプ・・・と、まさに「冒険てんこもり」である。 ここにおける「冒険(アドベンチャー)教育」とは、自然の中で冒険的な活動にチャレンジすることによって、自らの能力の可能性と限界を認識し、意識の向上と人間性の形成をはかろうというものだ。自然に向き合うことで突き付けられる課題を、自分の力と仲間たちとの協力で乗り越えることを体験した子供は、達成感や充足感に目を輝かせ、確実に逞しさを増していくという。(写真:県境を越え、新潟の妙高山(標高2454m)登山(同)) グループの代表は平木順さん(46)。プロの山岳ガイドであり、環境省自然公園指導員、長野県自然保護レンジャーなども務める山と森のプロフェッショナルだ。事務局は杉本充さん(44)・晴美さん(43)夫妻が受け持っている。ともに「自然案内人」の肩書きが似合うアウトドア派だ。奇妙な法人名には「自然を元気にすると、子供たちの未来も盛んになる」という思いが込められている。(写真:事務局のログハウスで平木さん(左)と杉本夫妻)「子どもアドベンチャーキャンプ」を始めて3年。月1回のペースで、年間10回のプログラムが組まれている。野外炊飯やたき火の初歩技術から、登山におけるマナーなど、事前教育を徹底して2泊3日の縦走登山などに挑む。今年の最長プログラムは夏休みの6日間、静岡県の富士川河口から新潟県糸魚川市まで、300キロをマウンテンバイクで走り抜く本州横断サイクリングだ。 プログラムの対象は小学5年生から高校2年生まで。通年参加が原則で、地元の子供たちが多いなか、長野市からやってくる参加者もいる。6月の第2回教室では妙高山の山頂に立った。プロの山岳ガイドやインストラクターが見守っているから、これまで大きな事故はない。「いっしょに参加したい」と申し出る親も多いのだが、それは断っている。子供たちの自主性、自立心を大切にするためだ。 学校行事との重複などで日程調整がなかなか難しい。また参加費は、日本財団の支援などを受けて極力抑制しているものの、年間10万円程度となる。こうしたハードルを克服し、参加者を増やしていくことが目下の課題だ。それでも全プログラムを卒業し、繰り返し参加する子供も増えてきた。今後はアウトドア指導者養成コースや低学年向けプログラムを充実させていく計画だ。 平木さんら3人は、ともに県外出身者。それぞれが信濃町の自然に魅せられて移住してきた。10年余を経て町の人たちにもしだいに迎え入れられ、NPO立ち上げでは地元企業経営者らも参加してくれた。「キャンプに参加した子供たちは、きっと地域のリーダーに育ってくれる」という思いが励みだ。平木さんと杉本さん一家はそれを楽しみに、信越高原の雄大な自然を見守っている。 ![]() 自然が魅力の信越高原。遠くに黒姫山が浮かぶ |






ここにおける「冒険(アドベンチャー)教育」とは、自然の中で冒険的な活動にチャレンジすることによって、自らの能力の可能性と限界を認識し、意識の向上と人間性の形成をはかろうというものだ。自然に向き合うことで突き付けられる課題を、自分の力と仲間たちとの協力で乗り越えることを体験した子供は、達成感や充足感に目を輝かせ、確実に逞しさを増していくという。(写真:県境を越え、新潟の妙高山(標高2454m)登山(同))
グループの代表は平木順さん(46)。プロの山岳ガイドであり、環境省自然公園指導員、長野県自然保護レンジャーなども務める山と森のプロフェッショナルだ。事務局は杉本充さん(44)・晴美さん(43)夫妻が受け持っている。ともに「自然案内人」の肩書きが似合うアウトドア派だ。奇妙な法人名には「自然を元気にすると、子供たちの未来も盛んになる」という思いが込められている。(写真:事務局のログハウスで平木さん(左)と杉本夫妻)