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戦没商船をHPで紹介 阿波丸の犠牲者数も [2008年07月02日(水)]


米軍が撮影した阿波丸

第2次世界大戦で軍に徴用され、戦没した民間船の悲劇を伝えようと「戦没した船と海員の資料館」(神戸市)の関係者が戦没船のデータベース化を進め、このほどその成果をホームページに掲載した。佐藤明雄甲南大名誉教授が代表を務めるボランティアの「資料館を支えるグループ」日本財団の支援で昨年4月から取り組み、米国立公文書館にも足を運んだ。HPでは台湾海峡で沈没し、2000人以上が犠牲になった貨客船「阿波丸」の犠牲者数について「2277人」という新しい数字も盛り込んだ。

太平洋戦争で沈んだ日本の商船は7240隻(官・民一般汽船3575隻、機帆船2070隻、漁船1595隻)といわれ、船員約6万人が犠牲になった。資料館は2000年8月15日にオープン、これら沈没前の写真を中心に多数の資料(写真と解説1300隻、解説のみ1500隻、模型80隻)を展示している。「資料館を支えるグループ」は佐藤さんのほか6人で構成、ボランティアとして見学者の説明や案内に当たり、沈没商船のデータベース化も進めた。(写真:神戸の戦没した船と海員の資料館)

米国立公文書館メリーランド別館では、1942年に米軍が撮影した日本の商船の写真40枚とその前の1937年(昭和12年)にパナマ運河などでやはり米軍が撮影した写真43枚をそれぞれ入手。このほかにも、国会図書館防衛研究所図書館海事図書館などでさまざまな戦没商船の資料を集めた。これらをホームページで「大量戦没者を出した船団」「米軍が撮影した日本の商船」として公開した。(写真:米軍の攻撃で座礁した日本船)

このうち「大量戦没者を出した船団」ではその一覧表を掲載している。1945年4月1日、米潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没、タイタニック号を上回る世界最大級の犠牲者を出した大型貨客船「阿波丸」の犠牲者については、グループの大井田孝さんの3年に及ぶ調査により「乗船者2130人、船員147人の計2277人」と記している。

同船は、連合国から安全航海を保証された「緑十字船」だった。犠牲者数は諸説あり、芝増上寺にある慰霊碑には2070人の犠牲者の名前が刻まれている。大井田さんはこれまでいわれてきた犠牲者以外にも南方から帰国するため阿波丸に乗船した技術者が含まれていたことを様々な資料で突き止め、この数字にまとめたという。

「米軍が撮影した日本の商船」では「戦前に撮影された商船」と「戦時中撮影された商船写真」の2つに分かれ、戦前編では米国立公文書館提供の写真とデーターを掲載、戦時中編では米軍が攻撃する前後に撮影した写真を並べている。このデータベース構築を担当した大井田さんは「戦争で多くの船団が犠牲になったが、7年かけて何とかここまでまとまることができた」と語っている。(石井)
ブックマークに追加する Posted by 日本財団 広報チーム at 09:12 | 海と船 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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