ハンセン病差別撤廃決議採択 五輪入国禁止で中国政府に抗議 [2008年06月20日(Fri)]
![]() 国連人権理事会(本部・ジュネーブ) 国連人権理事会(本部・ジュネーブ)は6月18日、ハンセン病患者や回復者に対する差別の撤廃を促す決議を全会一致で採択した。ハンセン病差別に関連して同理事会がこうした決議を行うのは初めて。決議は日本が主提案国となり、最終的に非理事国を含めた58カ国が共同提案国となった。 採択されたのは「ハンセン病患者・回復者そしてその家族に対する差別の撤廃」決議。患者や回復者に対する差別を重大な人権侵害と位置付け、各国政府が差別撤廃に向けた効果的な措置を取るよう求めるとともに、人権理事会の諮問委員会に対し、09年9月までに差別撤廃に向けたガイドラインを作成するよう要請。併せて国連人権高等弁務官事務所に各国の取り組みを調査するよう求めている。 ハンセン病は1980年代に多剤併用療法(MDT)と呼ばれる治療法が確立されたことで「治る病気」となり、その後120カ国がWHO(世界保健機関)が制圧の目安とする「人口1万人当たり患者1人以下」を達成、現在、未制圧国は2カ国まで減少している。しかし回復者や家族に対する偏見、差別は根強く、WHOのハンセン病制圧特別大使、日本政府のハンセン病人権啓発大使でもある笹川陽平・日本財団会長らが人権理事会や各国政府に決議の採択を働き掛けていた。 中国も共同提案国になっているが、8月の「北京オリンピック」に向けて北京五輪組織委員会が6月2日発表した「オリンピック期間における外国人の出入国、中国滞在期間に関する法律指針」の中にハンセン病患者の入国禁止が含まれていることが、このほど判明。事態を重視した笹川会長は、胡錦濤・中国国家主席、ジャック・ロゲ国際オリンピック委員会会長、劉淇・北京五輪組織委員会会長らにWHOのハンセン病制圧特別大使、日本政府のハンセン病人権啓発大使名で文書を送り、遺憾の意を伝えるとともに法律指針の撤回を求めた。 文書で笹川会長は「法律指針は、中国政府も賛同して国連人権理事会で採択された決議と相いれないものであり、ハンセン病に関する偏見や差別を助長する」などとして中国政府、北京五輪組織委員会の誠実な対応を求めている。 |










