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聴覚障害を乗り越えて米留学 帰国報告会 [2007年11月21日(水)]


手話で質疑応答をする様子

日本財団聴覚障害者海外留学奨学生」の第1回帰国報告会が11月3日、日本財団ビルで行われた。日本人の聴覚障害者に海外への留学機会を提供することを目的とする同奨学金事業を実施しているのはNPO法人・日本ASL(アメリカ手話)協会(野崎留美子会長)。今回、奨学生2名が留学期間を終えて帰国したのをうけ、初めての帰国報告会を開催した。

日本ASL協会の野崎会長は、聴覚障害者の長期留学のための奨学制度が日本にはなかったことから、日本財団の支援を受けて同奨学制度を2004年にスタートさせた。同制度を通して、これまでに第一期生2名、二期生3名、三期生3名の計8名がアメリカの各大学に留学した。今回の報告会では、ギャローデット大学に留学した春日幸三さん(38)と国立聾工科大学(ロチェスター工科大学内)に留学した太田琢磨さん(25)がアメリカでの体験を語った。(写真:帰国報告会で奨学制度の説明をする野崎会長)

春日さんは12年間勤めた民間会社を休職して、昨年7月から今年5月までギャローデット大学(ワシントンDC)に留学。ろう者の労働問題やろう者通訳などについて学び、現地でアルバイトも経験した。帰国後は職場に復帰し、「今後はろう者の労働問題解決策の研究や手話通訳の体制整備、盲ろう者のための情報提供活動にも従事したい」と述べた。(写真:留学先で熱心に勉強する春日さん)

太田さんは、昨年2月から今年8月までニューヨーク州の国立聾工科大学で高等教育機関における障害者の情報保障について研究した。「アメリカの大学には、障害者支援の担当者として修士号以上を持つ専門家がついており、その点で日本よりも進んでいる。しかし、必ずしも聴覚障害の専門ではなく、アメリカも多くの課題を抱えていることを知った」と述べ、アメリカで研究した内容を今後にも生かしていきたいと抱負を語った。(写真:国立聾工科大学の建物の前で、太田さん)

高等教育のグローバル化に伴い世界中で留学生の数が増加する中、障害者への門戸はまだまだ狭い。一方で、聴覚障害者の高等教育や法律、サービスなどが世界一進んでいると言われているアメリカに留学を希望する日本の聴覚障害者は年々増えているそうだ。日本ASL協会の野崎会長は、そういったニーズに応えていくためにも同奨学制度を今後も継続していきたいと述べている。
ブックマークに追加する Posted by 日本財団 広報チーム at 09:31 | 国際 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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