マラッカ海峡航行安全基金の提案 [2007年09月07日(金)]
![]() 破壊されたタコン浮体式灯標 9月4日〜6日、国際海事機関(IMO)・シンガポール会議が開催され、マラッカ・シンガポール海峡の安全確保のために、沿岸三カ国が中心となり、海峡利用者にも任意の拠出を求めた基金を設置することが確認された。 マラッカ・シンガポール海峡は、年間約9万4千隻の船舶が通航する世界一通航量が多い海域。中国の経済開発が飛躍的に進んだことにより、中国を基点とした海上輸送が活発化し、マラッカ海峡を通航する船舶も増加傾向にある。日本財団と国土交通省の行った調査によると、2020年には14万隻に達する見込みだ。 近年、LNG(液化天然ガス)や化学薬品など危険物の海上輸送が増加し、また、欧州海域で排除された老朽化船がアジア海域に集中しているなどの安全上のリスクが高まっている。永年、沿岸海域の航行安全確保は沿岸国が対応すべきこととされてきたが、マラッカ・シンガポール海峡においては、急速な海上輸送の増加と多様化のため、沿岸国(インドネシア・マレーシア・シンガポール)のみでは海峡の安全確保のために係る費用の負担には応じきれない。かつては、無害通航権により、航海は自由で、無料というのが通念であった。しかし、グローバル化が進み、社会が多様化する中、海の利用において費用負担が必要であるとの考えが生れている。そのため、海峡の受益者といえる海運業界、海峡利用者に対し、安全確保に係る費用に対し応分の負担を求めるべきだとの声が高まっていた。 新設される基金は、日本財団の提案により議論が進められてきたもので、財団は、基金の創設当初5年間、必要な経費の3分の1を拠出することを検討している。基金は、主に海峡内の航路標識の維持管理や航海安全施設の整備に当てられる。会議に参加した国際海運団体など海峡利用者も基金の設置に対する支持を表明している。 |







